みんなはどうしてる?事業評価をめぐる意識調査


最近、評価に注目が集まっていますが、NPOの皆さんは本音ではどう思っているのでしょうか。評価には事業評価と組織評価がありますが、今回は事業評価に注目してみました。日本NPOセンターが実施した調査結果を一緒に見てみましょう。

■ アンケート調査概要
実施期間:2017年1月13日~2月8日
対象:全国のNPO 7,374団体
回答数:964件の回答、うち有効回答931件
方法:オンラインのアンケートフォームをメール送信
※アンケートにご協力いただいた皆さま、貴重な回答をありがとうございました。

■ 属性
アンケートにはさまざまなNPOがご協力くださいました。「事業評価って、ある程度の規模や行政との協働をしているNPOしか関心が向かないのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、いえいえ、そんなことはありません。あなたの団体と似た規模、けっこう多いかもですよ。

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■ 事業評価をやってみたこと、ありますか?

では、実際に事業評価をやってみたことがあるのは、どれくらいの割合なのでしょう。結果は4分の1以下でした。うーん、やっぱり少ない。いや意外に多い?注目したいのは、事業評価をやってみて「とても役に立った」「役に立った」と答えた回答者が86%いること。やってみると、事業評価は役に立つと実感するようですが、どんな点でそう感じたのでしょうか。

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事業評価をやってみたことがある皆さんが、一番役に立ったと感じるのは「事業の価値を客観的に判断できた」ということでした。ふだんから一生懸命よい事業にしようと努力を重ねても、その価値をはっきりと見ようとすると、自分自身でもなかなかむずかしいもの。情熱を注いで育てた事業であれば、なおさらその価値を見てみたいと思いますよね。この点で事業評価は大いに役立ったと感じられるようです。
2番目に多いのは、「組織の運営やスタッフの意識が改善できた」。単にこの事業はよかった/よくなかったという結果を見ることにのみ評価のメリットがあるのではないようです。組織が強くなるのにも、事業評価は有効なのかもしれません。

 

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■ 事業評価、しないのはなぜ?

では、事業評価をしたことのない皆さんに聞いてみましょう。やらない理由は?トップ3を合わせると、時間・労力・スキル・資金の不足が主な理由であることが見えてきます。確かにこれらは、多くのNPOの行く手に立ちはばかる大きな壁。NPOで活動したことのある人なら、実感するところではないでしょうか。
そして、事業評価の要素で難しいと思うものは?という問いに、38%が「どの要素が難しいというよりも、全体的によくわからない/とっつきにくい」と回答しています。人やコストが確保されることはもちろん大切ですが、同時に「事業評価といっても、何から手を付ければ?そもそも事業評価って、何をするの?」という現場の声が見えてきます。

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■ ふだんの作業と事業評価は重なるところがある?

でも、事業評価って、NPOに全然なじみのないものなのでしょうか?皆さんが事業を組み立てる時、実施する時、終えた時、やっている作業はどんなことがあるでしょうか。事業目的の明示やみんなでの振り返り、成果の設定などに取り組んでいるNPOは少なくないようです。
もちろん、事業評価は体系立った手法を使うものではありますが、そんなに遠いものではありません。ふだんやっている作業が果たして事業評価のどこに位置づけられるのか?どこまで重なっているのか?そこが分からない・・・という人も多いのではないでしょうか。

 

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■ ふたたび、事業評価は役に立つと思いますか?

さて、事業評価のこと、結局皆さんはどう思っているのでしょう。今まで事業評価をしたことがない団体も含めて聞いてみました。「適切な事業評価は、役に立つと思いますか?」。結果は、適切に実施できれば事業の改善や組織の強化、社会へのアピールに役立つと考えているNPOが70%近く。一方で、事業評価に「時間とコストに見あった効果があるの?」という不安も見えてきますね。

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■ 不安と期待ーーよい事業評価とは?

事業評価に対する期待と不安、具体的にはどういうものなのでしょう? 深堀するために、インタビューで聞いてみました。なるほど、現場で経験を積んできたならではの視点。皆さんはどう感じますか?
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事業評価をすれば、もちろんすべてがうまくいくというわけではありません。日々現場で奮闘しているNPOの皆さんが、「本当に役に立つの?」「時間が取られるんじゃ・・」などと心配するのは半ば当たり前です。だからこそ、評価をするにも、「やらなければならないからする」ものにしないように注意する必要がありますね。
でも「めんどうだから触らないでおこう」ではなく、アンケート結果にも表れているように、使いこなしてこそ見えてくるものがあるはず。事業評価を自分たちのめざす社会の実現のために行うこと。それはNPOの皆さんだからこそできるのではないでしょうか?

 

■ 事業評価の入門書、つくりました

ここまで読んで、皆さんの感想はさまざまかもしれません。「結局、事業評価って何?」「それで何のためにするの?」「事業評価、やってみたいかも」・・・。釈迦に説法かもしれませんが、何事もまずは知ること、そして考えることが大切。そして、この作業はなかなか楽しいものです。

日本NPOセンターでは、ここで紹介した調査結果を踏まえて、事業評価を知るため・考えるための入門ブックレットをつくりました。内容を以下に少しご紹介します。「おや、読んでみたいかも」と思った方、こちらのページから購入することができます。

事業評価について、自分はこう考える。やってみたら、こんなことに困った。こんないいことがあったーーぜひ、現場で奮闘する皆さんの経験や考えをこれからも教えてください。

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