東日本大震災現地NPO応援基金(一般助成・第2期)第7回選考 助成概要と選考理由


第2期第7回助成先一覧 | 選考総評 | 助成概要と選考理由
第2期第7回選考結果のご報告(上記各ページのPDF版)

【新規助成】

テーマ 事務局機能の強化および組織運営力の向上による復興支援活動の効率化
団体名 特定非営利活動法人 パクト(岩手県陸前高田市)
主な活動地域 岩手県陸前高田市
選考理由  パクトは、陸前高田市において、①子ども支援、②ボランティアの受入・派遣、③宿泊施設の運営を3本柱とし、復興支援に取り組んでいる。具体的には、子どもの居場所としての「みちくさルーム」や、災害ボランティアの受け入れ拠点となる「復興サポートステーション」、ボランティアの宿泊場所としての「二又復興交流センター」などの運営を通じて、地域で暮らす人と地域を訪れる人をつなぐ活動を実施している。
 今後の活動ビジョンでは、団体の強みである人と人とのつながりを生かして、陸前高田を訪れる人を増やし、地域の復興とまちづくりを進めていくことで、地域の活性化を目指している。本助成金は、専従スタッフの人件費および組織運営やマネジメントに関する研修費用に使用し、組織のマネジメント力やガバナンスの強化を図る。
 震災から4年目を迎え、長期化する生活再建、地域再生といった課題解決に向け、地域内外をつなぐ現地NPOとして、組織基盤のしっかりとした持続可能な団体に成長するよう期待したい。
テーマ 陸前高田市における地元女性団体との協働による女性支援センターの
運営強化
団体名 特定非営利活動法人 まぁむたかた(岩手県陸前高田市)
主な活動地域 岩手県陸前高田市
選考理由  まぁむたかたは、陸前高田市において女性支援に焦点を当てた活動に取り組み、2013年にはNPO法人格を取得し、体制の強化にも着手している。被災地の仮設住宅などでは、ドメスティック・バイオレンス(DV)など女性や子どもに関わる問題が出てきており、本団体の活動は今後益々重要になると思われる。
 現在は、女性支援センター機能を持った活動の場づくりを目指しており、本助成金は人件費やセンター運営の家賃に使用する。男女共同参画サポーター(岩手県の認定資格)を配置し、女性支援センター機能を充実させていく方針を掲げ、事業実施に向けた具体的な準備も整えつつある。
 DV被害などの相談事業のコーディネートについては、陸前高田市などと連携して実施する他、地域の既存団体との協働も視野に入れている。活動地域は、女性や子ども支援の資源が十分とはいえず、今後のニーズ増加も見据えて組織の基盤強化を図り、活動の発展につながるよう期待したい。
テーマ 「被災地」から「誰もがあきらめずにお出かけできる街」へ
~地域で守る移動困難者の送迎支援組織の基盤育成
団体名 特定非営利活動法人 移動支援Rera(宮城県石巻市)
主な活動地域 宮城県石巻市
選考理由  移動支援Reraは、宮城県石巻市において移動手段を失った高齢者や障害者を対象に移動支援を行う団体である。震災直後に北海道から支援に入った移動サービスを行うNPOが前身で、現在は地元のメンバーも加わって活動を進めている。
 移送支援と一言でいっても、有償輸送については「道路運送法」による制限があり、団体の活動を維持するための資金の確保は容易ではない。福祉運送登録等による有償化により、制度が利用できる移動困難者のニーズには対応できるが、制度が利用できない多様な課題を抱える移動困難者への支援としては十分ではない。その課題解決のために、団体自らがサービスの選択肢を増やすことにより、支援の枠を広げるという努力がされている。
 今回の助成による福祉車両運転講習会や認定NPO法人の資格取得なども、その取り組みの一環である。この取り組みが、地元人材の発掘や育成へとつながり、持続可能な組織として着実に組織基盤の強化が図られるよう期待したい。
テーマ 福島の母子が避難先の山形から安心して帰還できるように
~事務局機能の強化と情報発信体制の構築
団体名 山形避難者母の会(福島県郡山市)
主な活動地域 山形県山形市、福島県
選考理由  山形避難者母の会は、東京電力福島第一原発事故により、山形県に避難されている母子の支援活動を実施している当事者団体である。多くは市民活動に無縁なお母さん方が事の重大さに一念発起して立ち上がった経緯を持つ。
 今後の活動ビジョンとして、山形県内に留まる避難者と福島県に帰還する避難者とを結びつけ、それぞれの声を拾い、確実に発信していく仕組みを構築し、活動を支える事務局機能の強化を目指す。特に、放射線量や食の安全という一番の関心事についても、互いが情報共有できるようにし、避難した先により情報の格差が無いようにしたいという点が特長である。
 何の落ち度もない市民が、子どもたちのいのちと健康を守るために必死で行動を起こしてきた重みはもはや言うまでもない。一方で、時間の経過とともにますます個別化、深刻化、長期化する広域避難の課題に対して、当事者ならではの発想で、今後も地道に力強く活動を継続していく組織基盤が強化されるよう期待したい。

【継続助成】

テーマ 石巻の地域づくりに継続的に取り組む組織として信頼性の向上を見据えた
基盤強化
団体名 一般社団法人 みらいサポート石巻(宮城県石巻市)
主な活動地域 宮城県石巻市
選考理由  みらいサポート石巻は、石巻市を拠点として災害復興支援に関わるNPOが連携し、円滑で効率的な活動を行うための場を提供する中間支援団体として、震災直後から支援者間の情報共有を目的とした連絡調整会議を開催した他、避難所の衛生改善事業や復興イベントの開催、復興ツアーの調整事業、防災・連携事業、語り部・記録事業などを実施してきた。
 今後の活動ビジョンでは、地域の核となる中間支援組織として、連携・防災事業と地域づくり事業(コミュニティ支援、まちづくり、地域間交流)に取り組み、また、団体の信頼性向上のため、一般社団法人の公益認定の取得を目指す。本助成金は、団体の事務を支える会計・労務スタッフの人件費と外部専門家のコンサルタント費に使用する。
 第5回助成からの継続した応援となるが、人的基盤や財政基盤の整備を通じて、震災後の取り組みをより長く継続させられるよう組織基盤の強化を図り、地域が抱える諸問題に取り組む団体間の連携を促進する信頼性の高い中間支援組織に成長するよう期待したい。
テーマ 亘理いちごっこコミュニティビジネス継続のための体制強化
団体名 特定非営利活動法人 亘理いちごっこ(宮城県亘理町)
主な活動地域 宮城県亘理町
選考理由  亘理いちごっこは、さまざまな角度から被災地のコミュニティ再生を見据えており、学習支援(寺子屋)、傾聴活動、ママサロン、コミュニティレストランなどの活動を展開している。
 団体の自立に向けて、1年目の助成では、代表理事に権限が集中した垂直組織構造から、各事業の部門長(チーフ)に権限を分散した水平組織構造へと組織の体制転換を図った。また、コミュニティレストランや事務所について、トレーラーハウスなどの設備を増やし、拠点の整備にも取り組んでいる。こうした組織の転換期に、各事業の統括を担う人材の人件費と外部専門家によるコンサルティング費用や研修費などを助成し、組織基盤の強化を図ることは有益であると思われる。
 第5回助成からの継続した応援となるが、レストランの運営などで自主財源を確保しながら、収益事業にはならなくても、コミュニティづくりに欠かせない学習支援、傾聴活動などを継続するという方針が打ち出されている。今なお試行錯誤の部分はあるものの、被災地で息長く運営していくためのビジョンを有しており、継続助成により一層の組織基盤強化が図られるよう期待したい。
テーマ 東日本大震災後の安心できる地域見守りネットワーク構築のための
現地NPOの基盤強化
団体名 特定非営利活動法人 陽だまりハウス(福島県福島市)
主な活動地域 福島県福島市
選考理由  陽だまりハウスは、1年目の助成で活動に関わるスタッフを増員し、また浪江町などから避難されている高齢者等が集える「場」を開設し、パソコン教室やプラモデル教室などを開催してきた。
 今後の活動ビジョンでは、避難生活の長期化により課題がますます深刻化していることから、特に地域での包括的な見守り活動を強化する必要性を感じ、専従スタッフの配置や地域でのネットワーク構築、そのための仕組みづくりの確立を掲げている。さらに避難元の社会福祉協議会や警察、行政との情報共有にも力点を置く計画である。
 第4回助成からの継続した応援となるが、「見守り」という日々の極めて地道な活動に敬意を表するとともに、そこで得た情報をいかに関係機関につないでいくかという点が今後のポイントになる。見守った後どうするのか、課題が深刻化している個別の現状にどう応えられるのか、継続助成でのチャレンジに期待したい。