【報告】9月18日、ラウンドテーブル・ディスカッションを開催しました。


【報告】ワールド・ビジョン・ジャパン=日本NPOセンター合同企画
ラウンドテーブル・ディスカッション
「東日本大震災における外部支援の検証と現地市民社会の力量形成」


 2014年9月18日(木)都内にて、約2年にわたり実施されてきた「市民活動団体(NPO)育成強化プロジェクト」の事業終了を受けて、事業検証と学びの共有、提言についてラウンドテーブル形式で討議を行いました。当プロジェクトの参加者3名を含め、ラウンドテーブルを12名で囲んで議論したほか、約30名にご参加いただきました。

【第一部 市民活動団体育成・強化プロジェクトの事業評価】


「よりそい」「実践型」「包括的」を志向した本プロジェクトの事業評価について報告

→パワーポイントの資料はこちら(PDF)

→事業検証報告書はこちら(http://www.jnpoc.ne.jp/?p=6367)

【第二部 ラウンドテーブル・ディスカッション】

ラウンドテーブルの参加者はこちら(PDF)

主な論点(議論をもとに再構成したものです)

 

・ 東日本大震災の外部支援の成果についてまとめた。うまくいったこと、いかなかったことをあぶり出すために、参加型のワークショップを3県で行った。住民の方へもアンケート調査も行った。
・ 6つの大きな学びがあった。支援の過不足があった(例えば場所によりジェンダー支援は不足していた)/受益者や地元団体への説明責任が不十分だった/モニタリングや評価が不十分だった/スタッフの安全管理の視点が足りなかった(半分の団体がマニュアルがなかった)/支援する側の組織のキャパシティが不足していた/他団体と協力する仕組みや調整が足りなかった。

  • ●評価の難しさと必要性について

• 震災という非常事態において、ニーズを把握・特定し、事業目的をつくり、評価軸を定めるという事業策定の手法を取ることには限界があった。
• 組織基盤強化というテーマはそもそも評価が難しいプロジェクトだった。
• 報告書では「事業検証」ということばを使った。「評価」ということばに抵抗があったため。
• 評価は必要だと考えるが、地元の団体にとっては負担になるという懸念もあった。
• 一方、市民社会の形成を目指し、それを発信するためにも評価は必要。評価をしていることが成長につながる。

  • ●メンターという仕組みが今回有効であったことについて。「伴走型」、「寄り添い型」支援のあり方について。

• このプロジェクトのメンターサポートのシステムの背景には、全国のNPO支援センターがあり、それらの代表、事務局長やそれに準じる皆さんにメンターになってもらった。常時「寄り添い型」の仕事をしている人たちで、適任だった。
• (現地NPOの立場から)個人からはじめて、組織になっていなかった現地NPOも多かった。基盤が整っていないことにより、活動が進まなかった面もあった。思い付きでやっていたので、トラブルがすごく多かった。先に経験している人のアドバイスはすごく助かった。

  • ●外部支援のあり方について

• ドナー・寄付者の支援金を早く使ってほしいという願いと、現地のスピード感の違いは大きかった。
• 外部から入った団体のリーダーの中には、支援するという目線が強く、仲間としての意識が弱かった人もいた。支援側が、自分たちの活動にマッチするところを探すことに終始していた感がある。
• (現地NPOの立場から)現地のNPOを目指してさまざまな人が来訪した。みなさんかなり焦って情報収集をしていた感じがある。だいたい、一時間位ヒアリングをして一週間後にプログラムの提案があるというパターンがあった。現地のNPOとして、それを受けざるを得ない場合もあった。いろいろな事業があったが、地元に対するフィードバックがなかったのではないか。モニタリングなども多くあったが、それは事業に対してであり、地元のNPOの課題については反応が少なかった。
• (現地NPOの立場から)震災はなければ良かったが、組織として何をしていかなければならないのか考えるきっかけとなった。スタッフの覚悟も固まってきた。外部からのお誘いにただ乗るだけでは主体性がないという気づきから、外部支援を有効活用しようという姿勢が生まれていった。

  • ●外部⇔内部という視点が適切かどうかについて

• 外部⇔内部という分け方は、厳密に考えるとどうなのか。たとえば岩手でいえば、沿岸部の人にとっては盛岡も外部の人。
• 支援は地元の人と連携するのが大前提。まず地元のパートナーを見つけることが出発点であるべき。
• 支援する⇔支援される側の間に入って調整する仲介支援の役割も大きい。

  • ●平時からの備えについて

• 災害が起きて初期のころは、平等よりスピード感が重視されるが、徐々に現地ニーズをよく考える必要があるフェーズに移行する。平時から現地のNPOや支援センターと関係性を築いておくことが重要。
• 平時における地域を超えた信頼関係、協力関係は有効。ネットワークの存在が災害対応の際に力を発揮する。
• 災害が起こり、政府予算が動いたときに地元が振り回されるので、準備を早目にしておく必要がある。

第二部終了後、茶話会を行い、出席した参加者同士の活発な交流、意見交換が行われました。