東日本大震災現地NPO応援基金(一般助成・第2期)第8回選考 助成概要と選考理由


第2期第8回助成先一覧 | 選考総評 | 助成概要と選考理由
第2期第8回選考結果のご報告(上記各ページのPDF版)

【新規助成】

テーマ 被災女性の雇用創出と高齢者支援を目指した現地NPOの基盤強化
団体名 一般社団法人 ワタママスマイル(宮城県石巻市)
主な活動地域 宮城県石巻市
選考理由  ワタママスタイルは、被災女性の雇用の場の創出、弁当宅配など「食」を通した高齢者の支援に取り組んでおり、いずれも東日本大震災の被災地復興に重要な事業となっている。
2014年4月に一般社団法人化するなど、組織基盤を強化する努力を続けているが、さらなる事業展開のためには経理や広報のスタッフ、高齢者の健康面を考えた栄養管理ができるスタッフが必要とされている。
本助成により、高齢者の体調に合わせた食事メニューを提供するための栄養管理者の育成、資金調達や会計処理の専門性を持つ人材の確保、ホームページなどを活用した広報の強化が期待でき、今後の組織基盤強化につながるものと思われる。
被災地では、仮設住宅などで暮らす高齢者の生活支援や健康面のサポート、再就職が難しい被災女性への支援が継続して重要な課題となっており、本団体の活動の広がりは被災者の生活再建に寄与するところが大きい。本助成がその一助となることを期待したい。
テーマ 「寄付が集まり、人が集うNPOへ」大改造計画
団体名 特定非営利活動法人 いわき自立生活センター(福島県いわき市)
主な活動地域 福島県いわき市
選考理由  いわき自立生活センターは、障がい者が地域で自立して市民生活を送ることができるノーマライゼーション社会の実現を目指して、1996年に設立された団体である。東日本大震災後は、救援物資の配布や炊き出しなどを行う一方、「3.11被災者を支援するいわき連絡協議会」を立ち上げるなど、多くのNPO団体の支援の連携強化も図ってきた。この度、行政からの補助金や銀行からの融資を受けながら、総合的な障がい者向け複合施設を設立することとなり、その建設、運営のためには、内部環境の整備をはじめとする組織基盤の強化と、寄付金の増加が必須の状況である。本助成金は、寄付金集めを含む広報活動の強化および職員の労働環境の整備に充てられる。
これまで社会福祉法人にしか適用されていなかった大規模福祉施設の建設を、いわき市と国の補助を受けて同団体が福島県で初めてNPO法人として手掛けることとなる。非常に大きな責任が伴う事業であるが、本助成を通じて、しっかりと組織基盤を強化し、団体として一層成長することを期待したい。

【継続助成】

テーマ 被災地における住民交流会活動実施のための主力スタッフの人材育成と認定
NPO法人の取得に向けた事務局体制の強化
団体名 特定非営利活動法人 サンガ岩手(岩手県盛岡市)
主な活動地域 岩手県大槌町・釜石市
選考理由  サンガ岩手は、震災後に発足し、大槌町や釜石市の被災者を対象に避難所や仮設住宅で傾聴ボランティアや支援物資の提供等の災害緊急支援活動を行い、2012年7月に被災地での居場所づくりを進めるため「手づくり工房おおつち」を開設、内職プロジェクトを通じた被災者の雇用創出と手芸活動を通じた住民交流の場として運用してきた。
助成事業は、「手づくり工房おおつち」におけるこれまでの活動を軸に、1)被災者の自立生活支援活動、2)生きがいづくり、3)仲間づくり、の各重点項目に取り組むとともに、新たに4)認定NPO取得に向けた活動にも着手し、これらの活動を通じて人材育成と事務局体制の強化を行うものである。
助成3年目となることから今期は、現地拠点の自立的な運営体制を仕上げる意気込みをもって、財政基盤の確立と事務局運営体制の強化に取り組むことを求めたい。工房が、地域に根付いたこころのケアも含め「ものづくりと住民交流活動の拠点」として安定的・継続的に運営されることにより、団体が掲げる「つくる」「つどう」「つながる」というテーマで、長期的に被災者の生活自立支援活動が提供されることを期待している。
テーマ 復興公営住宅における共助型コミュニティ構築と継承を目指した組織基盤
強化
団体名 あすと長町仮設住宅共助型コミュニティ構築を考える会(宮城県仙台市)
主な活動地域 宮城県仙台市
選考理由  これまで、「あすと長町仮設住宅共助型コミュニティ構築を考える会」は、仮設住宅および復興公営住宅への移転を見据えたコミュニティづくりに中核となって取り組み、成果をあげてきた。今秋からは、いよいよ復興公営住宅への移転準備が始まり、本団体が目指してきた移転後のコミュニティづくりが本格化する。これまでの経験を生かしながら、仮設住宅〜復興住宅へのコミュニティづくりのノウハウが定着化することを期待して、継続支援を決定した本団体の取り組みが「あすとモデル」として、将来にわたって他地域でも役に立つものになることを期待したい。
今後はコミュニティが3つの復興住宅に移転するが、それらのコミュニティを包括していくことは課題もあろう。3年目の助成を通して、移転後の組織体のあり方についても考える機会にしていただきたい。