東日本大震災現地NPO応援基金[特定助成] 「『しんきんの絆』復興応援プロジェクト」 第1回選考結果について


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東日本大震災現地NPO応援基金[特定助成] 「『しんきんの絆』復興応援プロジェクト」の第1回選考を行い、下記の通り決定いたしました。

■一般公募枠

【日常生活の再建事業】

プロジェクト名/団体名 所在地 助成額
(単位:万円)
居場所ハウス被災者復興応援事業
特定非営利活動法人居場所創造プロジェクト
岩手県
大船渡市
285
ふくしまへそのまち親子の心も体も元気プロジェクト
特定非営利活動法人 本宮いどばた会
福島県
本宮市
210
被災地における高齢者の生きがい作りとコミュニティ作り支援事業
特定非営利活動法人 いわき自立生活センター
福島県
いわき市
285
外出手段を持たない住民のための助け合い送迎と見守りネットワークづくり
特定非営利活動法人 移動支援Rera
宮城県
石巻市
474
スプリンクラーを設置し原発避難地区への一時立入時等の発達障害児の宿泊・訓練等を継続するための事業
特定非営利活動法人 MMサポートセンター
宮城県
名取市
500


【地域コミュニティ・文化の再生事業】

プロジェクト名/団体名 所在地 助成額
(単位:万円)
釜石よいさ開催事業
釜石よいさ実行委員会
岩手県
釜石市
240
南三陸地域コミュニティで連携協力を推進するための基盤作り事業
特定非営利活動法人 夢未来南三陸
宮城県
南三陸町
500


■信用金庫推薦枠

【日常生活の再建事業】

プロジェクト名/団体名 所在地 助成額
(単位:万円)
大槌山菜収穫体験学習
社会福祉法人 夢のみずうみ村 こども夢ハウスおおつち
岩手県
大槌町
15
宮城県石巻市における不登校児童・生徒のサポート事業
特定非営利活動法人 TEDIC
宮城県
石巻市
250
災害に負けない地域づくり
社会福祉法人 いわき市社会福祉協議会
福島県
いわき市
280
気仙沼自伐林家養成・活動支援事業
リアスの森応援隊
宮城県
気仙沼市
400
「産学官金一体となった気仙沼市の住みよさの創造事業」の推進
一般社団法人気仙沼市住みよさ創造機構
宮城県
気仙沼市
500


【地域コミュニティ・文化の再生事業】

プロジェクト名/団体名 所在地 助成額
(単位:万円)
宮古まちなか賑わい創出事業
宮古市末広町商店街振興組合
岩手県
宮古市
100
宮古市における若者定住促進プロジェクト
ユースみやっこベース
岩手県
宮古市
200
「ふるさとの海との共生」を進めるユニバーサルデザイン事業     
特定非営利活動法人 いわてマリンフィールド
岩手県
宮古市
160
女川町獅子振り復興協議会「復活!獅子振り披露会H27」(仮称)ならびに運営活動
女川町獅子振り復興協議会
宮城県
女川町
50
石巻市中心市街地における橋通りCOMMON(まちの担い手育成と賑わい創出)プロジェクト
石巻まちなか復興マルシェ運営協議会
宮城県
石巻市
500
中心市街地商店街と地域コミュニティへの活動支援
特定非営利活動法人 東松島まちづくり応援団
宮城県
東松島市
70
相馬野馬追祭礼用甲冑(御貸具足)の製作
相馬野馬追野馬懸保存伝承委員会
福島県
南相馬市
297
福島県県南地域における地域情報発信事業
特定非営利活動法人 カルチャーネットワーク
福島県
白河市
155



・助成件数:20件   (一般公募枠:7件、信用金庫推薦枠:13件)
・助成総額:5,471万円(一般公募枠:2,494万円、信用金庫推薦枠:2,977万円)
*第1回助成は、下記の応募について2,3月に選考し助成が決定したもの。
 ・一般公募枠   :2015年1月9日から2015年1月19日まで
 ・信用金庫推薦枠:2014年12月15日から2015年12月25日まで
*助成期間は2015年4月1日から2016年3月31日までの1年間。

選考総評

選考委員長 萩原なつ子

[「しんきんの絆」復興応援プロジェクトの概要]
 「『しんきんの絆』復興応援プロジェクト」は、認定NPO法人日本NPOセンターが2011年3月から行っている「東日本大震災現地NPO応援基金」に対して、信用金庫業界からの寄付を信金中央金庫を通じて受け、「特定助成」として実施する資金助成事業である。テーマは「日常生活の再建」と「地域コミュニティ・文化の再生」の2つから選択する。なお、このプロジェクトは、一般公募枠と信用金庫推薦枠の2つの枠があり、その下にA・BならびにC・Dの4コースから構成されている。信用金庫推薦枠は、東北被災3県(岩手県・宮城県・福島県)の信用金庫からの推薦が必要となる。

[応募状況と選考プロセス]
第1回助成(助成期間2015年4月1日~2016年3月31日)は、一般公募枠については2014年12月より告知を開始し、応募受付期間は2015年1月9日~1月19日であった。応募件数は、計110団体であった。応募事業の活動地域別内訳は、宮城県が最も多く、続いて岩手県、福島県の順である。団体の所在地でも宮城県が多く、その約半数で福島県、岩手県と続いている。設立時期では、震災後(2011年3月11日以降)設立団体が、震災前を大きく上回った。また、法人格別に見ると、特定非営利活動法人に次いで任意団体の割合が高かった。
一方、信用金庫推薦枠については、2014年11月より告知を開始し、応募受付期間は、2014年12月15日~12月25日であった。合計15団体から応募があった。

一般公募枠の選考プロセスは、まず事務局にて応募要件等に基づいて全110団体の応募内容を慎重に検討を行い、選考委員会において選考すべき45件を選出した。その後選考委員がこの45件について書面評価を行い、その結果を基に全員参加の選考委員会の場で審議を行い、助成にふさわしいと思われる11団体を選出した。その後、事務局スタッフがこれら11団体を訪問・電話インタビューし、活動状況や選考委員会から説明を求められた疑問点等について詳細な聞き取りを行った。このインタビュー結果を選考委員長に報告し、委員長が最終的に決裁を行い、助成事業7件を決定した。助成額合計は2,494万円であった。

一方、信用金庫推薦枠については、事務局による審査で全15団体の応募要件等に基づいて慎重に検討を行った。その結果を一般公募枠と同日に選考委員会に報告し、選考委員長による決裁を経て、助成事業13件を決定した。助成額合計は2,977万円であった。一般公募枠と信用金庫推薦枠をあわせての助成は、20件で助成金額は5,471万円となった。

[選考における議論のポイント]
 「しんきんの絆」復興応援プロジェクトの選考基準*1をベースに審議を行った。

*1≪「しんきんの絆」復興応援プロジェクト選考基準≫

◎日常生活の再建
・参加性 : 地域住民の継続的な参加や協力が期待できるか
・連携性 : 地域の他の団体、地縁組織や企業・自治体等と連携しているか
・当事者性 :課題を抱える住民の視点から、事業が構成されているか
・実現性 : 事業が実行可能な体制・予算・実施スケジュール等になっているか
・継続性 : 地域への長期的貢献を視野にいれ、活動が行えるか

◎地域コミュニティ・文化の再生
・新規性 : 被災地の新たな地域課題に対応しているか
・参加性 : 地域住民の継続的な参加や協力が期待できるか
・共助性 : 住民同士が助け合う関係性を築くための取り組みであるか
・独自性 : 現状のコミュニティや文化の維持に止まらない取り組みであるか
・実現性 : 事業が実行可能な体制・予算・実施スケジュール等になっているか

これらの選考基準に照らし合わせて審査した結果、一般公募については全ての選考基準をバランスよく満たして高く評価ができる事業は少なかったが、選考委員会においておしなべて高い評価を得た事業の特徴や、選考過程における議論のポイントは、つぎの2点である。

第1に、「当事者性」や「参加性」である。当事者ならではの気づきから、地域のニーズを発見し、それをコミュニティの課題として解決するための方策が組み立てられている事業は評価が高かった。また、地元の地域住民が主体的な参加や協力していることも重視された。
第2に、「実現性」や「継続性」である。企画意図や課題の重さからその事業の必要性は理解できるが、本当に実現可能な計画になっているのか、単年度の実施に終わらず事業を継続的に実施しできるのかといった視点で、団体の活動実績を踏まえ、実施スケジュールや予算・連携団体など申請内容を吟味し、評価した。その中でも、当該事業の実施という短期的な視点だけでなく、事業の実施による地域への中長期的な効果といった視点を持ち、申請している案件は、評価が高かった。

本プロジェクトには、「日常生活の再建」と「地域コミュニティ・文化の再生」という二つのテーマがあり、後者のテーマにおいては祭やイベントの開催などが多く見られた。これらを同じ土俵で評価することは難しい面があったといえよう。とはいえ、いずれも地元の復興を願う事業であり、これらの応募案件が数多いのは地域に密着している信用金庫ならではのプロジェクトであろう。選考にあたっては、上記の視点に加えて、それぞれの事業が地元で欠かせない取り組みかどうかという必要性や、達成したい目標や解決したい課題とそのための手段・対策が適切な関係にあるかといった合理性についても、真剣に議論された。

「しんきんの絆」プロジェクトは被災地の復興を応援する助成事業であり、「被災地の未来をつなぐ支援」がこれからもますます活用されることを期待したい。

【選考委員】

委員長萩原 なつ子認定特定非営利活動法人日本NPOセンター 副代表理事
委員片山 信彦認定特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン 常務理事・事務局長
委員齋藤 和人特定非営利活動法人山形の公益活動を応援する会・アミル 代表理事
委員大野 英明信金中央金庫 営業推進部 上席審議役/復興支援対応室長
委員新田 英理子認定特定非営利活動法人日本NPOセンター 事務局長

助成概要と選考理由

事業名 居場所ハウス被災者復興応援事業
団体名 特定非営利活動法人 居場所創造プロジェクト
代表者 理事長 近藤 均
助成額 285万円
選考理由  特定非営利活動法人居場所創造プロジェクトは、東日本大震災で被災した岩手県大船渡市末崎町において、高齢者が知恵や技術を使い活躍できる地域を目指し震災後に設立された団体である。今まで朝市の開催やキッチンカーを使った軽食の提供、また地域の祭り等の開催といったコミュニティ維持活動を継続している。
今回の助成は、高台移転に伴い災害復興公営住宅や防災集団移転による住宅の建設が進む地域において、転居者が増える中、以前からある仮設住宅も含め、高齢者をいかに孤立化させずに交流を促進し、地域の役割を担い活躍してもらうかといった難しい課題へのチャレンジである。
震災後継続してきた活動をベースにしながら、団体がここまでの活動で培ったノウハウと高齢者の主体的な参加により生まれるエネルギーを最大限活用し、地域と密着した取り組みとなることを期待する。
事業名 ふくしまへそのまち親子の心も体も元気プロジェクト
団体名 特定非営利活動法人 本宮いどばた会
代表者 理事長 八木沢 典子
助成額 210万円
選考理由 特定非営利活動法人本宮いどばた会は、福島県のほぼ中央に位置し、本宮市において子育て支援を中心に地域ニーズに沿った活動をしている団体である。東日本大震災においては放射線の課題を抱えつつ、避難者を受け入れる側としても機能し、子育てのニーズも多様化している。発災後、子育てひろばを中心に、イベントやカフェを通じて、原発事故により不安を抱える家族に安心して子育てができる環境を提供する活動を継続してきた。
助成事業は、将来への不安や屋外での活動減少による子どもの体力低下、さらにはコミュニティ維持という地域の課題への取り組みとなることを期待したい。
複雑な背景下での子育てに柔軟に対応し、心と体の両面において子どもも家族も安心できる居場所づくりによって、地域の子育て支援の拠点となることを期待する。
事業名 被災地における高齢者の生きがい作りとコミュニティ作り支援事業
団体名 特定非営利活動法人 いわき自立生活センター
代表者 理事長 長谷川 秀雄
助成額 285万円
選考理由 いわき自立生活センターは、福島県いわき市に1996年に設立され、障碍者が地域で自立した市民生活を送ることができるノーマライゼーション社会を目指して活動している。
発災後、団体の施設周辺に原発事故による避難者が多数生活する仮設住宅が建設された。その人たちに対して、団体の敷地の一部の「パオ広場」や休耕田を活用した「パオ農園」を貸し出すことで、花壇の手入れや農作業を通じた高齢者の生きがいづくりや交流の場を丁寧につくりあげてきた。
助成事業は、人が集い、交流が自然と生まれる広場や農園に人を常駐させて場を維持し、仮設住宅住民のみならず、地域の方の参加を促し、こどもから高齢者まで活動し交流ができる広場や農園の運営を、地域の方が中心になって実施されることに強く期待したい。
事業名 外出手段を持たない住民のための助け合い送迎と見守りネットワークづくり
団体名 特定非営利活動法人移動支援Rera
代表者 代表 村島 弘子
助成額 474万円
選考理由 特定非営利活動法人移動支援Reraは、東日本大震災直後設立され、公共交通機関が機能しなくなった被災地において移動困難な住民の送迎支援を行っている。
仮設住宅からの移転が進む中で、現在行っているボランティア送迎から、継続可能な福祉有償運送へと地元民が中心になり移行させる取り組みは、これからのこの地で不可欠であろう。移動や交通機関だけではなく、福祉・介護の視点からも地域住民がかかわってネットワークも構築することは高齢化が進む他地域でも大いに参考になる。また、地域の公共交通のあり方といった広い視野からの取り組みに発展させ、地域に必要不可欠な交通システムを構築すべくサポートしていく本事業に対し助成を行うものである。
多様な分野とのネットワーク構築が鍵となるので、関係機関や団体、そして行政、地域との連携促進に、さらに取り組んでいくことを期待したい。
事業名 スプリンクラーを設置し原発避難地区への一時立入時等の発達障害児の宿泊・訓練等を継続するための事業
団体名 特定非営利活動法人 MMサポートセンター
代表者 代表理事 谷地 ミヨ子
助成額 500万円
選考理由 MMサポートセンターは、福島県南相馬市で震災が起きる20年以上前から、療育手帳を受け取ることが難しい障害のある子どもたちの支援を行ってきた団体である。震災以降、原発事故の影響で南相馬市で活動できなくなったため、さまざまな支援を得て避難先の宮城県名取市で活動を継続している。2014年10月の消防法改定により宿泊施設にはスプリンクラーの設置が義務づけられたが、当団体が行う宿泊を伴う療育訓練を行っている施設は児童福祉法の施設に該当しないため、公的助成が受けられない。このような状況の中、これまでの実績を鑑みて、スプリンクラーの設置費用の助成を決定した。障害を持つ子どもたちへのトータル支援を継続するためにも着実に活動実績を積み重ね、また、同じような境遇にある他団体のためにも、先行事例と政策提言機能を果たされることを期待したい。
事業名 釜石よいさ開催事業
団体名 釜石よいさ実行委員会
代表者 実行委員長 君ヶ洞 剛一
助成額 240万円
選考理由 「寂れていく街をなんとかしよう」と、1987年から始まった岩手県釜石市の市民主体の夏祭り「釜石よいさ」。震災によって一時中断していたが、2013年には、地元のまちづくり団体が中心となり、釜石よいさ実行員会を立ち上げ、地域の有志や行政がボランタリーに協力し合い、復活をさせた。
この助成事業では、地域活性化のためのお祭りの継続的な実施のためには、若者の参画がキーワードとなる。お祭りのメインとなる『よいさ小町』『お囃子隊』の衣装をリニューアルすることによって、参画する若者のエネルギーと地域住民同士のつながりの強化を目指すものである。
地域の若者が参画しやすい仕組みづくりによって祭りそのものが継続し、釜石のまちが復興へ向けた気運が高まることを期待する。
事業名 南三陸地域コミュニティで連携協力を推進するための基盤作り事業
団体名 特定非営利活動法人 夢未来南三陸
代表者 理事長 千葉 孝浩
助成額 500万円
選考理由 夢未来南三陸は、震災後、南三陸の生活再建・経済再建を目指し、地域住民が中心となりつくられた団体である。設立後、2012年の4月に農産加工場「岩泉ふれあい味工房」を、同年10月には南三陸の地場産品直売所「みなさん館」を開業・運営するなど着実に実績を積み上げ、現在は有給のスタッフが4名も活動できるほどの規模を維持している。
助成事業は、バラバラになった地域コミュニティの再生事業である。震災以降さまざまに立ち上がった地域活動の調整役として、住民情報の共有化や定例会議、巡回訪問を着実に実施する覚悟が評価された。
高台移転が進む中、高台に新たに生まれる新たなコミュニティと旧コミュニティの連携がスタートし着実に促進されること、そして行政や一部のメンバーの考えに依存せず、地域住民が積極的にまちづくりにかかわるようになることを期待したい。
事業名 宮古まちなか賑わい創出事業
団体名 宮古市末広町商店街振興組合
代表者 理事長 佐香英一
助成額 100万円
選考理由  宮古市末広町商店街振興組合は、被災を受けた岩手県宮古市において、復興の中心的な役割を果している商店街振興組合である。復興のために、復興市の主催、コミュニティスペースの確保、各種イベント開催等積極的な活動を展開している。
震災により地域コミュニティの重要性が改めて認識されており、商店街の賑わいを取り戻すには、地域コミュニティ団体同士の交流連携も必要となっている。
本助成事業では、商店街の空き店舗を活用とした「市民の誰もが、何時でも、自由に活用できる」市民交流施設の設置運営と東日本大震災からの復興イベント「復興市」の開催を通じて、地域コミュニティ団体同士の交流連携を促すものである。地域コミュニティ団体の交流連携が進むことにより、商店街の賑わいが戻るものと思われる。宮古市の復旧・復興の促進につながることを期待したい。
事業名 大槌山菜収穫体験学習
団体名 社会福祉法人 夢のみずうみ村 子ども夢ハウスおおつち
代表者 理事長 藤原 茂
助成額 15万円
選考理由 社会福祉法人夢のみずうみ村子ども夢ハウスおおつちは、震災後、岩手県上閉伊郡大槌町において、子どもたちがいつでも駆け込める、自由きままに遊べる場所として、子ども夢ハウスを開設し、子どもたちへの遊び場提供のほか、地元住民との交流会等を実施している団体である。
大槌町は、森林と海・川が有機的な関係を持ちながら豊かな自然を育んでいる。復興にかかる建物等に森林資源が活用されているが、多くの地域資源は認知されていない状況である。大槌町の復興には地域資源の理解や活用は不可欠であり、官民が様々な取組みを行っている。
今回の助成事業は、大槌町内の子どもたちを対象に、同町の山で取れる山菜の収穫体験を通じ、地域資源への関心を高めるとともに、付加価値の向上を図るものである。これにより子どもたちが地域への理解を深めるとともに地域への愛着が高まると思われる。次世代による大槌町の復興と発展に寄与することを期待する。
事業名 女川町獅子振り復興協議会「復活!獅子振り披露会H27」(仮称)の運営並びに後継者育成
団体名 女川町獅子振り復興協議会
代表者 会長 鈴木 成夫
助成額 50万円
選考理由 女川町獅子振り復興協議会は、震災後に設立された団体で、宮城県女川町に古くから伝承されている民俗伝統芸能「獅子振り」の継承活動を通じて、被災者に元気と勇気を与える活動を行っている。
女川町の各地域で伝承されている「獅子振り」は、津波により道具を流失した地域もあったが、多くの支援により道具は整備された。仮設住宅への転居により住民がバラバラになった今も、正月には「獅子振り」を行い、地域住民の心の拠り所となっている。しかしながら、どの地域も後継者不足でどう継承していくかが問題となっている。
本助成事業は、獅子振り披露会の運営と後継者育成事業である。披露会は、獅子振り復活にかかる支援者への感謝を伝えるだけでなく、女川町民の絆をさらに強め、復興への活力になるものと思われる。また、後継者育成事業により今後も女川町民の心の拠り所である獅子振りが継承されることを期待する。
事業名 宮城県石巻市における不登校児童・生徒のサポート事業
団体名 特定非営利活動法人TEDIC
代表者 代表理事 門馬 優
助成額 250万円
選考理由 特定非営利活動法人TEDICは、震災後に設立された団体で、宮城県石巻市で子どもたちの学習支援、居場所づくり、不登校サポート事業を行っている。これまでにのべ2,500人の子どもたちを受入れており、当団体の活動は行政やメディアに取り上げられるなど一定の評価を得ている。
今回の助成事業は、平日の日中の時間帯に不登校児(小~高校生)の居場所プログラムを提供するものである。アセスメントシートに基づいた個別支援計画を策定し、一人ひとりの家庭に応じた支援を行う。これにより不登校児が自己肯定感を回復し、社会性・社会的スキルを身につけることで、自立して社会と繋がりながら生活できるようになると判断した。
宮城県は全国的にも不登校率が高く、石巻市はその中でも特に厳しい状況である。本団体の活動により改善されることを期待したい。
事業名 中心市街地商店街と地域コミュニティへの活動支援
団体名 特定非営利活動法人東松島まちづくり応援団
代表者 理事長 櫻井 武寛
助成額 70万円
選考理由 特定非営利活動法人東松島まちづくり応援団は、東松島市矢本町中心市街地商店街の活性化を主として活動していたが、大震災により同商店街は甚大な被害を被ったため、震災後は地域復興のためのイベントの企画・実行を行い地域住民に活力を与える活動をしている。
商店街は、震災前より商圏としての機能の衰退が始まっており、周辺住民の高齢化も進んでいたが、震災により一層拍車がかかった。
今回の助成事業では、中心市街地商店街とその周辺住民とが連携できるようなイベントの実施や実施団体の支援を行うとともに、本団体が管理運営している東松島市内のイベント施設を地域住民が集って憩える場所にすることを目指している。地域住民が集まることにより中心市街地に賑わいが戻り、東松島市の復興への活力に繋がることを期待したい。
事業名 相馬野馬追祭礼用甲冑(御貸具足)の製作
団体名 相馬野馬追野馬懸保存伝承委員会
代表者 委員長 相馬 胤道
助成額 297万円
選考理由 相馬野馬追野馬懸保存伝承委員会は、「相馬野馬追」の野馬懸行事の保存伝承を行っている団体である。「相馬野馬追」は、福島県相馬市、南相馬市で行われる馬を追う祭で、1952年に国の重要無形民俗文化財に指定されている。
祭の一行事である小高神社行列で使用する甲冑類は、江戸時代に製作されたもので、もともと傷みがひどい状態であったが、福島第一原子力発電所の事故により、立ち入り制限となったため甲冑類の持ち出しができず、保存状態がより一層悪化した。また、甲冑師が市外に避難したため修理もできない状況となっている。そのため、現在は規模を縮小して行列を実施している。
本助成で、甲冑類を新たに製作することにより、小高神社行列が震災前の規模で実施できるようになるため、南相馬市の復旧・復興に弾みがつくものと思われる。また、伝統の祭が復活することにより、住民の帰還が後押しされることを期待する。
事業名 福島県県南地域における地域情報発信事業
団体名 特定非営利活動法人カルチャーネットワーク
代表者 理事長 安田 好伸
助成額 155万円
選考理由 特定非営利活動法人カルチャーネットワークは、福島県南部の白河地域の文化活動、市民活動の発展を目的に設立された。
 原発事故の影響により、福島県南部には多くの方が長期避難生活を余儀なくされている。そのような状況下で本団体は、被災者、避難者への安定生活、不安解消のためのイベント等の情報発信をするとともに、原発事故による風評被害払拭のための活動、支援も実施しており、その活動は、白河市を中心とした福島県南部の地域文化復興支援活動に欠かせない団体となっている。
本助成事業は、福島県南部の避難者を対象とした生活支援情報提供事業である。地域の文化・イベント情報を中心に、新聞や広報しらかわに取り上げられないような小さな活動にスポットをあて定期的に発行する。これにより住民のイベント等への参加が促され、交流・情報交換の場となるものと思われる。
本助成が避難者の地域コミュニティ再生に寄与することを期待したい。
事業名 災害に負けない地域づくり
団体名 社会福祉法人 いわき市社会福祉協議会
代表者 会長 強口 暢子
助成額 280万円
選考理由 社会福祉法人いわき市社会福祉協議会は、地域に密着した福祉活動の円滑な推進を図り、地区住民の福祉向上に寄与するための活動をしている団体である。
助成事業は、高齢者等の要援護者の日常生活について疑似体験を通して理解するインスタントシニア体験の充実を図ることで、災害時など不測の事態や要援護者の日常生活に対する支援体制の強化と弱体化した地域コミュニティの再生を図るものである。
学校等の教育現場においては、思いやりや優しさを醸成するための福祉体験学習を実施しており、同体験を取り入れる学校が増えてきている。また、震災以降、施設や企業においても同体験を取り入れサービス向上等に努めている。
本助成で、同体験セットを購入することにより、福祉体験研修の充実が図れると思われる。この体験学習を通じて、地域住民が高齢者や障害者等に対する関心と理解を深め、地域の支え合いの精神を育成し、災害に負けない地域づくりが図られることを期待したい。
事業名 気仙沼自伐林家養成・活動支援事業
団体名 リアスの森応援隊
代表者 理事長 高橋 正樹
助成額 400万円
選考理由 リアスの森応援隊は、震災後に設立された団体で、宮城県気仙沼市において自伐林家の拡大・普及活動や養成研修等を通じて、森林の適正な整備を推進し、環境保全・向上に資するとともに、森林愛護や自然保護の啓発に関する事業等を行っている。
気仙沼市だけでなく全国的に林業低迷により放置され荒廃した森林が広がっている。山から十分な養分が海へ流れないと気仙沼市の主要産業である漁業への影響も懸念されることから、海洋資源を守る意味でも森林整備は必要である。また、自伐林家は、一定の収入を得ることとなるので、震災後の住民の生活再建にも寄与する。
本助成では、林内の作業で使用する機材を購入し、自伐林家の養成研修だけでなくレンタル等でその活動を支援する。地域の森林整備を通じ雇用を生み出し、被災者の生活再建に寄与することを期待したい。
事業名 「産学官金一体となった気仙沼市の住みよさの創造事業」の推進
団体名 一般社団法人 気仙沼市住みよさ創造機構
代表者 理事長 菅原 昭彦
助成額 500万円
選考理由 一般社団法人気仙沼市住みよさ創造機構は、震災復興に関し産(=企業)学(=大学・研究機関)官(=行政)金(=金融機関)および市民が一体となって、気仙沼市の住みよさの改善と創造につながるプロジェクトの事業化を推進している団体である。
震災後、気仙沼市には、企業・支援団体から多数の有益な提案がなされたが、同市の各担当部局は復旧・復興で多忙を極め、提案を充分検討できないままの状況となっていた。2013年度に同市において企業・支援団体から寄せられた提案を精査し、また今後の提案にどのように対処すべきか検討した結果、提案内容を精査し、具体的な事業化を図る中間組織が必要であるとの結論に至り本団体が設立された。
今回の助成事業により本団体の事務局機能を強化することで、提案内容の精査や実現に向けた企画・推進を担う運営委員会をサポートし、多様なステークホルダーの間に入り協業体制を築くなど、事業化に向けた実効性が高まり、気仙沼市の復興の一助となると判断した。本助成が気仙沼市の住みよさの改善と創造につながることを期待する。
事業名 石巻市中心市街地における橋通りCOMMON(まちの担い手育成創出)プロジェクト
団体名 石巻まちなか復興マルシェ運営協議会
代表者 会長 西條 允敏
助成額 500万円
選考理由 石巻まちなか復興マルシェ運営協議会は、宮城県石巻市の中心市街地において、仮設商店街「石巻まちなか復興マルシェ」の企画・運営を行っていた団体である。仮設商店街「石巻まちなか復興マルシェ」は、各種イベント等を通じ、集客力を発揮していたが、復興工事の影響で、2014年11月末に閉場となった。
石巻市の中心市街地は、建物が再建された割合は1割を下回り、依然として空き地の状態で、人口減少や商業店舗の流出に歯止めかからない状況となっている。
今回の助成事業では、この中心市街地の空き地に、仮設商店街で使用していたトレーラーハウス等を活用したコミュニティ商業施設「橋通りCOMMON」を整備し、これからのまちの担い手となる若い世代が出店し育成を図るものである。これにより中心市街地の賑わいの創出が図れると思われる。また、本助成事業が被災地の復興モデルだけでなく、全国の地方都市の中心市街地活性化モデルになることを期待する。
事業名 宮古市における若者定住促進プロジェクト
団体名 ユースみやっこベース
代表者 代表理事 早川 輝
助成額 200万円
選考理由 ユースみやっこベースは、震災後設立された団体で、岩手県宮古市における若者の定住促進を図る活動を行っている。
地元高校生の社会参加促進のため、高校生が復興についての地域課題や取組み等を話し合う高校生サミットを毎月開催している。また、高校生が自主的に企画・実行する活動の支援や地域と若者をつなぐコミュニティスペースを運営している。
宮古市は震災前より若者層の流出が続いていたが、震災により流出が加速化しており、労働人口の減少は同市の復興にも影響を与えることとなる。
今回の助成事業では、宮古市在住の高校生だけでなく、宮古市出身の大学生を対象に講演会や企業見学のほか、漁業や農業の一次産業、観光業および復興支援活動等の体験プログラム等を実施する。若者が地域の魅力を知るいい機会になると判断した。
本団体の活動により、少しでも多くの若者が宮古市の魅力を認識し定住に繋がることを期待する。
事業名 「ふるさとの海との共生」を進めるユニバーサルデザイン事業
団体名 特定非営利活動法人いわてマリンフィールド
代表者 理事長 橋本 久夫
助成額 160万円
選考理由 特定非営利活動法人いわてマリンフィールドは、岩手県宮古市の市民に対し、海洋スポーツと水辺活動に関する企画、実施等を通じて、住民の福祉の増進と海洋スポーツ普及等を図っている団体である。
今回の震災で、宮古市は津波の被害を被ったため、「海は怖いもの」という印象を持った市民も少なくない。しかし、海の恩恵により発展してきた同市の再生を図るためには、海との共生が必要不可欠であり、そのためには海への理解を深める必要がある。
今回の助成事業では、高齢者、障害者等をはじめ特殊な技能を持っていない者を対象に、誰もが安心して帆走・漕航を楽しむことができるマリンアクティビティ教室を実施する。これにより海との共生を考える場が提供されると思われる。この事業を通じ、海への理解を深め、震災で傷んだ多くの市民の心を癒し、明日への希望を取り戻す一助になることを期待したい。