【報告】東日本大震災現地NPO応援基金「大和証券フェニックスジャパン・プログラム2014」第1回合同研修会を開催しました。


現地NPO応援基金[特定助成]大和証券フェニックスジャパン・プログラムでは、資金支援のほか、新規助成対象団体を対象に、事務局主催の合同研修会を助成期間中に2回実施しています。2014年の第1回は11月6日~7日に仙台で開催しました。助成対象の8団体、選考委員、そしてドナーである大和証券グループの責任者等、25名が参加しました。

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 現地NPO応援基金[特定助成]大和証券フェニックスジャパン・プログラムは、大和証券株式会社からの寄付により、現地NPOの組織基盤を強化するためにNPOが実施する人材育成の取り組みを応援するものです。合同研修会では、このプログラムの助成対象となった団体を対象に“人材育成によるNPOの組織基盤強化” に対する理解を深め、今後の活動の糧となる情報収集や交流の機会となるよう、レクチャーやワークショップを行います。
今回の合同研修会は、助成期間のスタートに際し助成の趣旨についての理解を深めるとともにスタッフ育成計画の確認を行うことが重要であるとの考えから実施しました。1日目はスーパーバイザー(団体における人材育成の責任者)向けの研修、2日目は育成対象スタッフ(育成の対象となるスタッフ)に向けての研修としました。

■スーパーバイザー向け研修

1.講演「組織基盤強化とは何か」 田尻佳史(日本NPOセンター 常務理事)

はじめに、当センター常務理事の田尻より、本助成プログラムを進めるにあたり、NPOの組織基盤強化とは何か、そのために必要なことについてレクチャーを行いました。
内容としては、組織のビジョンと中長期計画(事業・財源)を描くことの重要性や、組織のビジョンと人材育成(育成計画)をリンクさせることの重要性、そしてスーパーバイザーに期待する役割について話しました。
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2.育成計画の共有

続いて、助成対象団体より事前に提出いただいた「助成計画シート」をもとに、今回の育成計画について各団体より発表いただきました。「助成計画シート」は、なぜ団体において人材育成が必要なのかという理由を含めて団体の概要、スタッフ育成の目的や目標を改めて確認するためのシートです。
発表中、他の団体には発表団体に対する質問、提案などをコメントシートに記入してもらいました。
(助成対象団体)

  • 特定非営利活動法人夢ネット大船渡(岩手県大船渡市)
    計画名:「被災地におけるNPO中間支援組織スタッフの組織運営力とまちづくりコーディネート力の向上」
  • 特定非営利活動法人いわて発達障害サポートセンターえぇ町つくり隊(岩手県一関市)
    計画名:「被災地における障害児支援スタッフ育成」
  • 一般社団法人SAVE TAKATA(岩手県陸前高田市)
    計画名:「被災地における若者定住者創出のための若年無業者支援の専門家育成」
  • 特定非営利活動法人海べの森をつくろう会(城県気仙沼市)
    計画名:「地域まちづくりにおける次世代リーダーの支援力の向上」
  • 特定非営利活動法人浦戸アイランド倶楽部(宮城県塩釜市)
    計画名:「浦戸寒風沢コミュニティハウスの管理業務を担う農業指導員の育成」
  • 一般社団法人情報センターFais(福島県田村市)
    計画名:「原発被災者の長期支援を目指した事業責任者育成を通じた組織基盤強化」
  • 特定非営利活動法人ふよう土2100(福島県郡山市)
    計画名:「障がい児者家族支援サポートのための専門スタッフ育成」
  • 一般社団法人ふくしまかーちゃんの力ネットワーク(福島県福島市)
    計画名:「福島農業の復興に向けた6次化人材育成プログラム~コーディネート&財務マネジメント力の育成~(2)」※今回は欠席
  • 特定非営利活動法人 遠野まごころネット(岩手県遠野市*活動現場は大槌町)
    計画名:「大槌たすけあいセンターにおけるスタッフの地域復興へのセルフケア力の育成」

その後にワークブック「NPOリーダーのための15の力」をもとにつくられた、「15の力チェックシート」を用いて、各団体で重要だと思う力、現在足りていない力を見える化しました。

3.目標の明確化

スーパーバイザー向け研修の最後のワークでは、1日の研修をふまえて次の2つについて目標を掲げていただきました(宣言)。
(1)1年後自分の組織はこういうことができるようになっている
(2)スーパーバイザーとして育成スタッフにこう関わる

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1年後の組織については、多くの団体が、団体として次のステップとしての事業展開ができていること。スーパーバイザーとして育成対象スタッフに対してはコミュニケーションを密にすることや組織運営への積極的なコミットメントを促す、といった内容があげられました。

選考委員からのコメント

1日の研修を通して、参加された本プログラムの選考委員の皆さんからもコメントをいただきました。
委員からは、どのようにご自身の組織が大きくなっていったか、組織が大きくなっていくときに忘れてはいけないこと、そして組織基盤の強化とともに社会的なインパクトを与える活動も意識して取り組むことが重要である等のコメントをいただきました。また今回の研修を受けて組織内でスタッフ育成計画について共有してほしいという言葉も投げかけられました。

総評 山岡 義典(日本NPOセンター顧問、市民社会創造ファンド運営委員長)

会の締めくくりに、山岡より総評が行われました。
被災地での支援活動を行う団体について、取り巻く状況からどのような体制や意識が必要なのか。組織基盤を強化するための財源とそのバランスについて。それらを考える上で、何よりもまずは組織の自己診断が重要であることを話しました。

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以上で、1日目のスーパーバイザー向け研修は終了しました。

■育成対象スタッフ向け研修

1.アイスブレイク

2日目は、育成対象スタッフ向けの研修です。育成対象スタッフの皆さんは、年代も経歴もバラバラで、NPOに関しての知識や経験の度合いも異なります。まずは、それぞれがお互いの事を知り合う時間としてアイスブレイクと自己紹介を行いました。特になぜ、所属する団体で活動し始めたのかという動機についてお話いただきました。

2.育成計画について

お互いを知ったところで、次に育成対象スタッフによる団体概要と育成計画の紹介です。発表そのものが研修の一つということで、予めパワーポイントを作成いただき、5分間の発表をお願いしました。

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3.1年後の目標宣言

最後に、「1年後の自分はこれができるようになっている」、そしてそのために「あしたからこれをします」という宣言をA4用紙に記入し、発表いただきました。
1年後は、具体的な資格、技術の取得のほか、会計を見せられる状態になるなど団体運営の担い手としてどうなっているか具体的な状況の宣言がなされました。明日から実施することは、研修時間、環境を整えることや短期ゴールの設定などが出てきました。

選考委員からのコメント

2日目の最後にも、選考委員からコメントをいただきました。
スケジュール管理に気を付けてほしい。1年後のイメージがとても力強く安心した。育成される立場であっても自ら学ぶ環境づくりを主体的に行ってほしいといったコメントをいただきました。

この3年間、目の前にあるたくさんの事業をこなし、現在は団体のアイデンティティやミッションを見直す時期にきたのではないでしょうか。育成されるスタッフの皆さんが、これからの団体の“顔”となるよう、この1年間フォローしていきたいと思います。

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