【中堅研修2018】10/3-4 支援力応援プログラム(広島)、12/10-11(茨城)

(ご案内)10/3-4 NPO 支援力応援プログラム(中堅者研修 2018)

この度、地域のNPO支援に携わる
スタッフを対象とした
「NPO支援力応援プログラム(中堅者研修2018)」
を開催いたします。

この研修は、NPO支援組織の中堅スタッフの
「組織基盤強化」に関する支援力の向上をテーマとして実施するもので
複数のNPO支援センターのCEOや経験ある中堅スタッフとともに企画しています。

パナソニック株式会社のNPO/NGOの組織基盤強化支援に資する
協働事業の一環として開催いたします。

全国のみなさまからのご参加を、お待ちしております。

(支援者への転送歓迎)
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NPO支援力応援プログラム
(NPO支援センター中堅者研修2018)

第1回:2018/10/03-04(広島)
第2回:2018/12/10-11(茨城)
申し込み(〆切:9月25日)
http://bit.ly/ouenp2018-apply

ご参考:組織基盤強化ポータルサイト
https://www.jnpoc.ne.jp/cb
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■開催日・会場
【研修第1回】
日時:2018年10月03日(水)13:00~翌04日(木)16:00
場所:
広島県民文化センター(広島市中区大手町1丁目5-3)

【研修第2回】
日時:2018年12月10日(月)13:00~翌11日(火)16:00
場所:茨城県内(詳細はこれから決定)

■実施主体
パナソニック株式会社/日本NPOセンター 協働事業
協力:中国5県中間支援組織連絡会

■対象・定員
NPO支援センター、支援組織のスタッフ

定員:40名
※参加要件を特に設けておりませんが、NPO支援経験
がおおよそ3年以上の方、または当センターで
主催している「NPO支援センター初任者研修会」の
参加経験者、また過去に本研修(中堅研修)に
ご参加いただいた方の参加者を想定しています。

※このプログラムは、1回と2回の間にある
フィールドワークを含めた2回(のべ4日間)
セットの研修となります。基本的に2回とも
お越しいただける方を優先いたします。

■参加費
10,000円(2回分)
※別途、宿泊費 (1日目夕食・2日目朝・昼食の3食付)として
10,000円を、1回の研修ごとにご負担いただきます。
※基本的に、シングルルームになります。

■交通費補助助成について
遠方(会場から100kmを目安)より参加する団体への交通費助成
(主要都市間の往復交通費より1万円を引いた額)の
助成のしくみがあります。
助成は助成総額に達し次第、受付を終了します。
ご希望の方は、お早目にお申込みください。

※助成についての申請先は
「特定非営利活動法人 市民社会創造ファンド」さまになります。
※申し込みからお渡しまで
1)支援力応援プログラム 申し込みフォームにて、
交通費助成希望を選択
2)申請者から、市民社会創造ファンドさまに
問い合わせのメールを送信
3) 申請者から規定の申込書(上記問合せ時に
お渡しします)を記入の上、市民社会創造
ファンドさまにお申し込み
4)市民社会創造ファンドさまの審査・ご連絡
※実際の交通費は立替をお願いいたします
※研修当日に、市民社会創造ファンドさまから
助成金額をお渡しします

■研修内容(予定)
【第1回】
1)「私の組織基盤強化論」
中堅支援者からの問題提起

2)講義 「組織診断の方法と方策」
講師:河合 将生さん
(office musubime 代表)

3)「世代間セッション―NPO法20周年を迎える中で、
中堅者はNPO支援においてどんなことを
大切にするべきか」

話題提供:安藤 周治さん
(ひろしまNPOセンター代表理事)

4)組織診断強化のための支援力の棚卸し/
支援者の支援力強化計画

5)組織診断ツール&オンライン組織診断と
フィールドワーク

【フィールドワーク期間】
1)実際に「組織診断ツール」を活用して団体の
組織診断を行う

2)組織診断レポートにまとめる

3)提出後、第2回前に講師に添削いただきます

【研修第2回】
1) 「パナソニックの組織基盤強化支援事業の紹介」
ご登壇:東郷 琴子さん(株式会社 Panasonic)

2)グループワーク 「組織課題の共有と組織基盤強化
計画(支援メニュー)案の共有」

3)「世代間セッション―NPO法20周年を迎える中で、
中堅者はNPO支援においてどんなことを
大切にするべきか」

4)「組織基盤強化のための支援力強化のための
事業開発」

■過去の参加者の声
・組織診断のプロセスの中で私たちに求められるであろう「団体の力を引き出す」上での、中間支援者のスタンスと手法を自分の中にうまく取り込むことができたと感じている。
・課題を整理し、地域・行政・専門家と相談し、提示できるようなメニューづくりを仲間と取り込みたい。
・全国のみなさんと密にお話することができ、とても有意義な時間だった。
・研修を経て、2018年度事業を新しく提案し、実践している。

■チューターからのメッセージ
本研修は、過去にNPO支援力応援プログラムに参加した
CEOや中堅スタッフとともに企画づくりをしています。

▼ひろしまNPOセンター 松原裕樹さん、松村渉さん
NPOの世界に飛び込んで10年。素人だった自分もいつの間にか中堅者(どこからどこまでが中堅者かはさて置き)です。この間、いろいろな事業を担当しましたが、悩み壁にぶつかったとき、事業や研修で出会った仲間が自分を助けてくれました。この研修でもきっと仲間の輪が広がるとワクワクしています。広島でお待ちしています!

▼茨城NPOセンター・コモンズ 大野覚さん
地域課題、生活課題を抱えた当事者を支えるのが本来のNPOなら、そういったNPOを支える中間支援の力量、特に今後の担い手として期待される中堅者の存在はとても重要です。このプログラムを作るにあたって、チューターはかなり議論を重ねました。参加することで、支援力はもちろん、全国の中堅者とつながったり、先進事例を自分事化できます。我こそは次の非営利セクターをリードするという意気込みのある人、お待ちしています。

▼ふくしまNPOネットワークセンター 内山愛美さん
中堅者の立場って難しいですよね?私もその悩みから数年前に受講しました。その時と今、見える景色が違います!!「寄り添い型の伴走ができる支援者としてのスキル」・「組織課題への悩み」・「NPOの未来」等、事例や他者の言葉にヒントがあるはず。貴方が次世代非営利セクターの扉を開けます。全国の仲間が待ってますよ!!

▼NPOくまがや 生越康治さん
中間支援といっても各団体で担っている役割や活動は異なり、成り立ちや形態、地域の状況も様々です。また、市民活動を取り巻く社会の情勢も目まぐるしく変化していきます。研修の対象となる皆さまは、日々の業務で多忙な立場ですが、新しい情報や学び、仲間づくりの機会となりますので、ぜひ都合をつけてご参加ください!

■お申込み
下記、フォームより入力ください。
〆切:2018年9月25日(火)
http://bit.ly/ouenp2018-apply

※参加費・宿泊費のお支払は「事前振込み」をお願いしております。詳細は、お申し込みをいただいた方宛に追ってお知らせします。

※お申込みをいただいてから研修当日までの間に、「参加者フェイスシート」を1枚お書きいただきます。

■お問合せ先
日本NPOセンター 三本、辻、吉田
電話:03-3510-0855
MAIL:ymitsumoto@jnpoc.ne.jp
ytsuji@jnpoc.ne.jp

特例認定特定非営利活動法人グローカル人材開発センター 行元 沙弥さん

バックキャスティングと安心安全に話し合える土壌づくり

グローカル人材開発センターは2013年から、学生と企業人がフランクに普段の姿で出会える場を創出している団体です。現在の変化が激しい時代、国際的な情勢の変化がすぐに日本の地域にも影響を及ぼします。グローカル人材開発センターという名称には、国際的な視野を持ちながらローカルできちんと自立した個人が活躍していく社会を作っていこうという思いを込めています。

グローカル人材開発センターは、就職や雇用のミスマッチから起こる自殺などの社会問題に対して、産学公民の連携の中で日々活動を行っています。働くにまつわる問題に対して個々で悩んだり考えたりするのではなく、今起こっている社会課題に対して一緒に考え、一緒にビジョンをすり合わせてアプローチしていくPBL(project based learning)を切り口に、課題を見つけて解決する授業を展開しています。

企業からテーマをもらい、学びの中で働くということを考え、社会を知っていくことで、自然に学生は視野を広げていきます。

設立当初の資金源は、文部科学省大学間連携事業の5ヶ年の補助金でした。2017年2月で補助金受託期間が終了したので、これから全てを自分たちでデザイン・アレンジしていくというフェーズに入っています。

2017年1月、これまでの5年間の成果の報告と研修の場がありました。その場で、スタッフ間の理念の共有が、全然できていないということに気づかされました。目の前の仕事に追われて、方向性はきちんと合っているのか、本当に受益者のことを考えられているのかなど、話し合う場を持つことができていませんでした。

研修の場で行ったバックキャスティングの作業の中から、ビジョンを描くために今の資源でいいのか、今の活動でいいのかということを考えていくと、今までの景色からすごく変わっていきました。一番の気づきは、スタッフ自身の背中で「幸せに働いていける」姿をきちんと見せていかないと、活動自体が全部崩れてしまうということです。そのためにも、まずはスタッフのやりたいことも組み込みながら事業も進めていきたいと思っています。

私たちが考える組織基盤の一番は「人」です。いろいろな状況の中、人と人が対話をして様々な課題を本音で話せる場を作ることによってきちんと軌道修正ができます。それが「グローカル」の中でできたときに、学生や周りで関わって下さっている企業の社内風土も変わってくると思っています。リアルとバーチャルの時代に入っていますが、リアルでしかできない場づくり、本音で話し合うこと、良い変更はどんどん取り入れること、予定調無し、これが一番の安定的なレジリエンスに繋がっていくと思っています。

特定非営利活動法人こまちぷらす 副代表 北本若葉さん

NPO法人こまちぷらすは、子育てで孤立することなく、子どもの誕生が歓迎される社会をつくることを目指して、「こまちカフェ」の運営(居場所事業)や、子育てに関する情報発信を行っています。

団体は、2012年2月に現代表を含む友人5人で、週1日のカフェ営業からスタートしました。1年後には、常設店舗を毎日営業するとともに、区役所内での子育て応援ルームの運営と事業が展開していきました。

私が仲間に加わったのは2013年6月、まさに運営や活動も慌ただしいときでした。二つの拠点を行き来する代表とスタッフが、顔を合わせる時間もなかなか取れない。やる気のあるスタッフが集まり、頑張っているけれども、なんだかうまくいっていないという雰囲気が漂っていました。

なぜ、このような事態になってしまったのか。スタッフの話を聞いていて分かったのは、目指す方向は見えていたものの、一人ひとり大事にしているポイントが異なり、それをすり合わせる時間がなかったために、徐々にズレが大きくなっていったということでした。

そこで、まず取り組んだのは、原点に戻るということ。こまちぷらすは、何を目指しているのか。代表と理事で問い直し、確認したうえで、私たちが提供しているサービスはどのような意味を持ち、そのために組織としてどうすることが望ましいのかという視点で、活動を見直していきました。

組織が空中分解しかけたことで気づいたのは「組織は『人』ありき」ということ。これをきっかけに、新メンバーが加わる際には個別面談を必ずして、一人ひとりの想いやスキルと団体が必要としている力をマッチングさせるようになりました。

また、理念を共有するために、月1回のスタッフミーティングも始めました。その中で新たに気づいたのは、大事なのは「伝える」ことではなく、「伝わる」ということ。理念の共有が大事との思いから何度も会議の場で、口頭で伝えていたところ、「理念が分かっていないと思われているのか」とメンバーから反感を買ってしまう、ということがありました。そこで、考えた末に、理念共有に向けた工夫の1つとして始めたのがムービーの導入です。

ムービーの作成によって、メンバー内にとどまらず、ボランティアやお客様、行政や地域のキーマンにも団体を理解してもらえるようになり、結果として、人のつながりが広がり、事業の発展につながっていきました。

このほかの取組みについては、セミナーや書籍でもご紹介しています。また、ぜひカフェに来ていただき、スタッフにも話を聞いていただけると嬉しいです。

認定特定非営利活動法人環境の杜こうち 事務局長 石川貴洋 さん

とあるNPOの組織基盤強化に七転八倒する現在進行形のおはなし

環境の杜こうちは2005年、NPO法人として設立した会員100名弱の団体です。高知県の環境NPOに特化した中間支援組織で、県の呼びかけから県との「協働型事業」の受け皿として設立した経緯があります。当初は官民(県と環境の杜こうち)協働の取り組みとして、受託事業ではあっても法人のやりたい事業を随意契約で行っていたので、「組織基盤強化」を考えなくてもよい状態でした。

しかし、3年で法人としての自立を促すという県の意向によって当初の協働型から、一般的な委託受託の関係となりました。徐々に、会員の事業参画の形骸化や参加意欲の減衰が見られるようになっていきます。また、委託事業の減額や競争によって経営基盤が縮小、不安定となるなど、「組織基盤強化」を否が応にも考えなくてはいけない環境になりました。

2014年度に「環境の杜こうち・10年ビジョン」を策定したものの、実行に移されることがないまま、2016年度には基幹事業(委託事業)を他に取られてしまい組織存亡の危機に直面しました。人件費や運営費の削減、借入や賞与の期末払いなどの運転資金の確保の取り組み、新たな委託事業の獲得(仕事獲得の意識改革)、助成金の獲得、新規自主事業の実施など、様々な手を打つことで危機を乗り切りました。この時期の新規自主事業で企業や団体と関係性が構築されたことが、現在の大きな財産になっています。

そして2017年度から基幹事業の再受託に成功します。経営的には一安心でも、依然課題は未解決のままです。今後同じ轍を踏まないためにも、危機感を失わず、策定した10年ビジョンを実行に移せるかがポイントとなります。当法人の場合は議論よりも、「実行」こそが組織基盤をつくるのかもしれません。

特定非営利活動法人 NPO砂浜美術館 理事長 村上 健太郎さん

NPO砂浜美術館は1989年に任意団体として発足し、高知県黒潮町でTシャツアート展やホエールウォッチングなどを手掛けています。2003年に法人化した際には、行政主導で、観光協会など4つの団体が「観光」を切り口にNPO砂浜美術館としてまとまることとなりました。それぞれの団体に歴史があり、個性もある中で、すぐにというよりは段階的に一つにまとまっていきました。行政との関係も法人化により対等なものへと移っていきます。

法人化に伴い事業ボリュームが増え、スタッフも増加。事業分野も多岐に渡り、スタッフ間でミッションの共有ができない状況となります。スタッフに子育て世代が増加してきたこともあり、将来設計の持てる賃金体系の確立など、しっかりとした組織基盤の必要性を意識するようになりました。

パナソニックのNPOサポートファンドは、事業への助成ではなく、組織基盤強化への助成だったので渡りに船のプログラムでした。組織基盤強化で最初に実施したことは、半年間にわたる役職員へのヒアリングによる課題の洗い出しとステークホルダー調査です。調査では町議会議員全員に話を聞くなど、相応の労力を要しましたが、意外な発見があり、とても重要なステップでした。

優先課題には、(1)地域への浸透不足、(2)財政構造の転換、(3)人材管理が挙げられました。プログラムのコンサルからは「(1)と(2)は車輪の両輪であるから一体的に取り組むように」とアドバイスがあり、この視点がとてもいいヒントになりました。課題解決に向けて、地域とのつながりの強化(スポーツ大会の開催や地域への経済的な還元など)や観光ネットワークの構築、賃金体系・財源構成の見直しなどに取り組み、組織改善を図ることができました。

このときの組織基盤強化プログラムを、法人の「事業」としてきちんと位置づけて行えたことが非常によかったと思っています。プログラムによって学んだ手法は、その後の課題解決にもつなげることができています。

特定非営利活動法人 九州環境サポートセンター 理事長 宮原美智子さん

~団体の戦略と課題を見つめて~

九州環境サポートセンターは、次世代へ豊かな環境を引き継いでいくため、九州において環境に関する市民団体・企業・行政・地域と、ゆるやかなネットワークを築くとともに、中間支援組織として市民の環境活動をサポートし、振興・創造することを目的に活動しています。

私たちは、2002年ボランティア団体として活動を始め、その中で中間支援組織の必要性を痛感し、2014年NPO法人として運営するようになりました。しかし、川北秀人氏の言葉で「社会を変えたいのか、社会に良さそうなことをしたいだけなのか」という言葉を聞いたとき、自分たちの団体が「社会に求められていることをやっているか」という疑問が出てきました。

そこで、組織の棚卸をやってみることにしました。まずは、団体の強みや弱みを出していきます。今後のビジョンやミッション、中期計画の甘さから、どこを目指しているか明確にみえない部分を見つめなおすことが大事だと気づき、5か年中長期計画をつくりました。

また、理事は環境分野に携わっている方のみだったのですが、多方面からの視点も大切と思い環境分野にこだわらず理事になっていだたくことにしました。理事変革をした中で、理事の役割が非常に大事だという気づきがありました。そこで理事との合宿も実施しました。合宿では、事務局体制が機能しているか、事務局職員が育つ場になっているかという課題も出てきました。

組織基盤の強化を見直すことで、「社会に求められていること」を常に念頭におき事業計画の見直しを図りつつ、理事や事務局が積極的に市民団体の現場訪問を行うことにして、全国のネットワーク形成を重点におくようになりました。

まだまだ組織基盤強化は始めたばかりです。今後は、組織診断を外部から受け、改めて組織基盤強化を図ってみたいと思いました。

特定非営利活動法人CAPセンター・JAPAN 重松和枝さん

~ネクストステージに漕ぎ出して~

CAPセンター・JAPANは、子どもの安心・自信・自由を行き渡らせることを目標として、いじめ・虐待・体罰など、さまざまな暴力から、子どもが自分の心とからだを守ることができるように、暴力防止予防教育プログラムを提供しています。

組織基盤強化を始めたきっかけは、2009年に大きな組織改編があったことです。会員数が減少する中、収入の安定など財政の不安定さの打開が必要だと考えました。そこで、パナソニックからNPOサポートファンドの助成を受け、組織診断を受けることで、なにが問題で課題がどんなものかきちんと診てもらおうということから始まりました。

理事・事務局の共通認識では、「お金がない」という表面的なことを課題と思っていました。しかし、自分たちだけでは見つけられなかった「本当の課題」が外部の方やコンサルタントのチカラを借りて自分たちで気づくことができ、組織として納得したうえで組織基盤強化に取り組むことができました。

中長期目標・計画の策定や社会発信力の強化、地域の活動拠点強化が必要と分かったので、内部、外部を含めたネクストステージ委員会を立ち上げ、目指す未来にむけて持続可能な組織の姿を探る作業を始めました。

これまでは根拠と目標をもたずに進んできた組織が、中期目標、行動方針、重点目標などを毎年の事業計画を設定することができました。

目指す組織の姿に向けて、次に何をすべきかを見出す作業がありました。私たちは何もできていないと思っていましたが、外部の方から「できていること」がたくさんあると教えていただき、認めてもらえたことで、組織基盤強化のモチベーションが高まり意欲的に取り組むことができました。改めて、自分たちの活動を振り返り、自己肯定感を持ちながら新しい一歩を踏み出すことができたことは良かったと思います。

組織基盤強化を進める上で苦労した点は、全国にいる会員と課題や目的を共有しモチベーションを維持する仕掛けづくりや、外部とつながり一緒に行動する関係づくりの構築、社会の動きからニーズ・課題を抽出して新規事業を生み出すことなどです。意外な発見は、夢を語ることがその夢を実現していく一歩になることが分かったことや、新しいことにチャレンジしてみようという意欲が高まったことです。

最終的に、寄附金の大幅アップにつなげることができました。組織基盤強化前と比べて、社会の出来事への情報発信の迅速化や常に「外からどう見えるのか」という視点を持って考え、常に実験と捉えて変化を恐れず、次への改善を行うことが習慣化できたことも団体にとって大きな資産となりました。

(ご案内)10/10-11、12/05-06 NPO支援力応援プログラム(中堅者研修2017)を実施します

地域のNPO支援に携わるスタッフを対象とした「NPO支援力応援プログラム(中堅者研修2017)」を、下記日程で開催いたします。

日本NPOセンターはパナソニック株式会社と「組織基盤強化ワークショップ」をはじめとするNPO/NGOの組織基盤強化支援に資する協働事業を展開してきております。

全国各地でワークショップを展開する中で地域のNPOは活動を持続可能としていくために、組織基盤強化へ高い関心を持っていることがわかってきました。

その一環として、NPOを支援する側の支援力向上に、「組織診断」をテーマとしたのがこの研修です。

秋の研修など大変ご多忙な時期と存じますが、全国のみなさまからのご参加をお待ちしております。

(支援者への転送歓迎)
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NPO支援力応援プログラム
(NPO支援センター中堅者研修2017)

第1回:2017/10/10-11
第2回:2017/12/05-06

申し込み:
https://pro.form-mailer.jp/fms/b1f9986c126573

ご参考:組織基盤強化ポータルサイト
https://www.jnpoc.ne.jp/cb

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■開催日・会場
【研修第1回】
日時:2017年10月10日(火)13:00~翌11日(水)16:00
場所:
<1日目>地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)
(〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-53-70 国連大学1F)
<2日目>国立オリンピック記念青少年総合センター
(〒151-0052 東京都渋谷区代々木神園町3-1)

【研修第2回】
日時:2017年12月5日(火)13:00~翌6日(水)16:00
場所:<両日>国立オリンピック記念青少年総合センター
(〒151-0052 東京都渋谷区代々木神園町3-1)

■対象・定員
NPO支援センター、支援組織のスタッフ
参加定員:40名

※参加要件を特に設けておりませんが、NPO支援経験
がおおよそ3年以上の方、または当センターで主催している「NPO支援センター初任者研修会」の参加経験者などを想定しています。

※このプログラムは宿題期間を含めた2回(のべ4日間)セットの研修となります。
基本的に2回ともお越しいただける方を優先させていただきます。

■参加費
10,000円(2回分)
※別途、宿泊費 (1日目夕食・2日目朝・昼食の3食付)として
10,000円を、1回の研修ごとにご負担いただきます。
※基本的に、シングルルームになります。

■交通費補助助成について
遠方(会場から100kmを目安)より参加する団体への交通費助成(主要都市間の往復交通費より1万円を引いた額)の助成のしくみがあります。
助成は助成総額に達し次第、受付を終了します。
ご希望の方は、お早目にお申込みください。

※助成についての申請先は「特定非営利活動法人 市民社会創造ファンド」さまになります。

※申し込みからお渡しまで
1)支援力応援プログラム 申し込みフォームにて、交通費助成希望欄にチェック
2)申請者から、市民社会創造ファンドさまへ問合せ(受付開始、8/7より)
3) 規定の申込書(上記問合せ時にお渡しします)で申し込み
4)市民社会創造ファンドさまの審査・ご連絡

*実際の交通費は立替をお願いいたします
*研修当日に市民社会創造ファンドさまから助成金額をお渡しします

■研修内容(予定)
【研修第1回】
1)講義 「NPO支援センター機能の再確認と組織診断の必要性」
2)講義 「組織診断の方法と方策」
講師:河合 将生さん(office musubime)

3)説明 「パナソニックの組織基盤強化支援事業の紹介」
ご登壇:東郷 琴子さん(株式会社 パナソニック)
4)ワーク 「NPO支援者の組織基盤支援力強化とは」
5)ミニレクチャー・ワーク 「NPO支援センターの現状の自主事業とは」
ミニレクチャー:新田 英理子
(日本NPOセンター/SDGs市民社会ネットワーク)

【宿題期間】
1)実際に「組織診断ツール」を活用して団体の組織診断を行う。
2)組織課題の把握、組織基盤強化計画案を考えてレポートにまとめる。

【研修第2回】
1)ワーク 「組織課題の共有と組織基盤強化計画(支援メニュー)案の共有」
2)ワーク「改善された計画案の発表と、具体的着手のための策定」
3)ワーク「組織基盤強化のための自主事業の開発」

■参加者の声(2016年度)
・センター自身の支援力の向上についてはたくさんのヒントをいただき、たくさんの
気付きもあった。支援は人だ。気概を持って取り組みたい。
・既存事業へのヒントをたくさん得られた。
・間違いなく、対象者への対応や考え方に幅が持てるようになった。
様々なケースを学ぶことができた。
・これまでにも、組織診断的な業務には携わってきたが、今回あらためて組織診断
シートという体系的なツールを使ってフィールドワーク、OJTで学ぶことができた。
また一方で、ツールの限界も感じている。
ツールを使用すれば誰でも、均一的なクオリティで組織診断ができるというものでもない。やはり、スタッフ個々の経験値に左右される。
しかし、団体への最初の取っ掛かりとしては有効だと思う。

■お申込み
下記、【9月30日(金)までに】フォームよりご入力ください。
https://pro.form-mailer.jp/fms/b1f9986c126573

※参加費・宿泊費のお支払は「事前振込み」をお願いしております。詳細は、お申し込みをいただいた方宛におってお知らせします。

■お問合せ先
日本NPOセンター 三本まで
電話:03-3510-0855
MAIL:ymitsumoto@jnpoc.ne.jp

(京都)4/27 NPO / NGO の組織基盤強化のためのワークショップ in 京都

●日時

2017年4月27日(木)14:00~18:30

●場所
ひと・まち交流館 京都 第 4 会議室
http://www.hitomachi-kyoto.jp/access.html

●都道府県
京都府

●主催団体
特定非営利活動法人 きょうとNPOセンター

●組織基盤の下記の内どれを強化する事業
(A)ミッション、ビジョン、バリュー
(B)事業計画・振り返り
(C)人材マネジメント
(D)組織運営とガバナンス
(E)組織の財源・資金管理

●研修内容
事業運営に追われ、事業を支える人材・資金・広報といった組織基盤に関する課題が疎かになり、自転車操業的な経営に陥いる傾向にありませんか?

本ワークショップは組織基盤強化の実践に向けた第一歩として、NPO / NGO のリーダーやスタッフが組織を見直すことができるよう、理論、事例紹介、組織課題を深掘りしていくワークを組み込んだプログラムです。 ワークショップの最後には、組織基盤強化の実践を応援する「Panasonic NPO サポート ファンド」の2017 年募集について紹介します。NPO / NGO の皆様のご参加をお待ちしております。

14:00  趣旨説明
14:10  基調講演
「NPO の組織基盤強化とは」(講師 日本 NPO センター 早瀬 昇)
14:50  組織基盤の強化により発展につながった事例報告
15:20  ワークの説明 / 休憩
15:35  組織課題について考えるワークショップ(個人ワーク、グループワーク、共有)
17:05  Panasonic NPO サポート ファンド紹介
17:30  交流会(自由参加)
18:30  終了予定

●参加費
1,000円

●申し込み方法
http://kyoto-npo.org/archives/1350

●申し込み締め切り
当日も可能

●研修についてのウェブサイト
http://kyoto-npo.org/archives/1350

認定特定非営利活動法人 エンパワメントかながわ

エンパワメントかながわは暴力の無い社会の実現を目指している団体。暴力をなくすために、「CAP(Child Assalt Prevention:子どもへの暴力防止)」というプログラムを主に小学生を対象に提供している。

本来は小学生向けだが今、中・高生向けにも実施している。それは2015年に川崎の中学校で起こった生徒同士によるかなしい事件がきっかけだ。その中学生が在籍していた学校へ21名のスタッフで朝から晩までかけてCAPプログラムを行った。社会運動として、暴力を無くそうということを世の中に伝えていきたいという想いは変わらない。これは、これからお話する組織基盤強化を行う中で醸成された結果と言える。

当団体がCAPプログラムをはじめとするワークショップの開催回数の推移を見てほしい。2004年9月の団体設立からのデータだが2006年の837件をピークに2012年には277件と大きく減少している。朝昼晩とスタッフ総出で1日数回ペースの開催を行っていた2006年時も大変だったが年を経るごとに減少する開催回数の減少は大きな危機と捉えていました。
この減少の要因のひとつに行政からの委託事業が増えてきたことが挙げられる。行政委託は一見安定してまとまった収入として入るが、次年度もその事業が継続される保証はない。それに加え年々学校のPTA予算が確保いただけなくなったことも開催数の減少に拍車をかけた。
組織を運営する財源種類はいろいろあるが、これまでほとんどを自主事業収入でやってきたのがこの団体の特徴だった。しかし、他の財源を確保する中で事業執行とのバランスが崩れてしまった。ついには、5年間財源として定着していた県の補助財源も翌年はなくなるという事態に。ここで自主事業機会の減少と、定着してきた財源の消滅という二つの危機が同時に起きてしまった。
この二つの危機をうけ設立10年の節目に組織を見直す必要があるとし、パナソニックNPOサポートファンド助成に申請するきっかけとなった。

組織基盤は船の船体にたとえられることがあるが、自分たちの船は泥船ではないか、その船はどこにむかっているのか、積み荷はどうか、だれが操縦しているのかなど、真剣に考える時間はなかった。日々のプログラム提供にやりがいを感じるスタッフの中には、事業が楽しくて、達成感さえあればいいんだよという意見もあり、組織の足元を見つめる必要性は組織内でも浸透しにくかった。
しかし、資金の見通しなど事務局体制をチェックする必要性に気づくメンバーもおり、両者の間に溝ができる時期もあった。ここで、ほんとうなら喧嘩別れもあったのかもしれない。しかし、一度互いに向き合い、「自分は何のためにこのNPOにいるのか?」「そもそもこの団体は何のために存在しているか?」を振り返る機会を重ねた。組織とは何か?についてもポストイットに書きだして皆で共有した。一人一人の想いを共有できた。その想いを実現する為にやはり団体の運営はしっかりとしなければいけない。これらの議論を通じて、事務局の役割、組織基盤と事業のバランスなどが明確となりスタッフにも浸透するようになってきた。
事務局の役割が認知されると、これまで割合がほぼ皆無に近かった人件費の割合も認められるようになり事務局として組織を支えやすい体制を整えることができるようになった。またパソコンに詳しい方を中心にマーケティング用(顧客管理)のソフトを導入し、活用を始めたが、これらの関係者分析を行うことで寄付が循環する仕組みが生まれ、寄付額も組織基盤強化以前は10万円程度だったが、現在は150万円近い寄付額となっている。この寄付の向上は2014年の認定NPO法人取得にもつながっている。

さらに、CAPプログラムの消滅だけはしたくなかったので、寄付者様から頂いたお金と、スタッフのボランティアによってプログラム提供しようという方針にした。まずは寄付者様が1万人に達するまで(現在約2500人)この方針でいくことにした。これを新たな事業収入につなぎたいと考えている。

他にも、組織基盤強化による組織改善はすすんでいる。固定化していた理事を任期制にして入れ替わるようにし、NPOに精通している方にも理事に関わってもらうようになった。また、事務局長として事務局内の雇用者もおける仕組みを整えることができた。

これら組織の活動を支えてくれる寄付者様へは「ドネーションパーティ」という場を設けてお招きし団体の取り組みを共有している。そこには懇親会もかならずつけており、顔の見える関係性の大切さも忘れていない。

CAPプログラムを通じて、いじめられていた子がいじめられないきっかけを生むケースはそのためにやってきた活動であるし想定していた。しかし、意外にもこれまでいじめをやってきた子がいじめをやめたいというきっかけになっているケースが増えてきている。あらためてこの活動を続けてきて良かったと感じることがある。そのためにも、組織の基盤強化は事業同様、組織運営に必要なものであると実感している。みなさんにも、団体の基盤強化をぜひお勧めしたい。(おわり)