特定非営利活動法人 CAPセンター・JAPAN 重松 和枝さん

特定非営利活動法人CAPセンター・JAPAN 重松和枝さん

~ネクストステージに漕ぎ出して~

CAPセンター・JAPANは、子どもの安心・自信・自由を行き渡らせることを目標として、いじめ・虐待・体罰など、さまざまな暴力から、子どもが自分の心とからだを守ることができるように、暴力防止予防教育プログラムを提供しています。

組織基盤強化を始めたきっかけは、2009年に大きな組織改編があったことです。会員数が減少する中、収入の安定など財政の不安定さの打開が必要だと考えました。そこで、パナソニックからNPOサポートファンドの助成を受け、組織診断を受けることで、なにが問題で課題がどんなものかきちんと診てもらおうということから始まりました。

理事・事務局の共通認識では、「お金がない」という表面的なことを課題と思っていました。しかし、自分たちだけでは見つけられなかった「本当の課題」が外部の方やコンサルタントのチカラを借りて自分たちで気づくことができ、組織として納得したうえで組織基盤強化に取り組むことができました。

中長期目標・計画の策定や社会発信力の強化、地域の活動拠点強化が必要と分かったので、内部、外部を含めたネクストステージ委員会を立ち上げ、目指す未来にむけて持続可能な組織の姿を探る作業を始めました。

これまでは根拠と目標をもたずに進んできた組織が、中期目標、行動方針、重点目標などを毎年の事業計画を設定することができました。

目指す組織の姿に向けて、次に何をすべきかを見出す作業がありました。私たちは何もできていないと思っていましたが、外部の方から「できていること」がたくさんあると教えていただき、認めてもらえたことで、組織基盤強化のモチベーションが高まり意欲的に取り組むことができました。改めて、自分たちの活動を振り返り、自己肯定感を持ちながら新しい一歩を踏み出すことができたことは良かったと思います。

組織基盤強化を進める上で苦労した点は、全国にいる会員と課題や目的を共有しモチベーションを維持する仕掛けづくりや、外部とつながり一緒に行動する関係づくりの構築、社会の動きからニーズ・課題を抽出して新規事業を生み出すことなどです。意外な発見は、夢を語ることがその夢を実現していく一歩になることが分かったことや、新しいことにチャレンジしてみようという意欲が高まったことです。

最終的に、寄附金の大幅アップにつなげることができました。組織基盤強化前と比べて、社会の出来事への情報発信の迅速化や常に「外からどう見えるのか」という視点を持って考え、常に実験と捉えて変化を恐れず、次への改善を行うことが習慣化できたことも団体にとって大きな資産となりました。