シリーズ5冊目『知っておきたいNPOのこと事業評価編』ついに完成しました。
■評価をNPOの力にするために
事業評価って、なぜするのでしょう?
「そういう時代だから」という人もいます。いやいや、評価に限らず、こころから納得する意味が見いだせないと、そこに時間と労力をかけるのはむずかしいもの。日々次から次へと現れる業務の山と向き合っているNPOが、貴重な時間を使って事業評価をする意味は、本当にあるのでしょうか?
『知っておきたいNPOのこと 事業評価編』の目的は、評価をNPOの力にするための第一歩をどう踏み出すか、皆さんと一緒に考えること。まずは「事業評価って、なに?」という基本的な問いに向き合い、なぜ評価をするのか、どういう考えが評価の底流に流れているのか、評価の基本の枠組みはどういうものなのかを解説します。もちろん、ここに書かれていることが、すべて正解とは限りません。このブックレットは、NPOや学究の現場にいる執筆者ひとりひとりが「事業評価って、なに?」を真剣に考えたうえでお見せするひとつの評価の姿です。
皆さんはどう考えるでしょうか? ぜひ仲間や支援者、事業パートナーたちと議論する際の材料にしてみてください。事業評価に限らず、まずは知り、実践し、考える過程で、それが持つ力と限界が見えてくるはず。皆さんが評価を考えるスタート地点に、このブックレットを置いてみてください。
こんな人に読んでほしい6つのポイント
2.「評価と呼ばれるものがたくさんあって、なんだか混乱する。いったいいくつあるの?」
3.「事業評価と言っても、何から手をつけたらいいの?不安や疑問も次々湧いてくる」
4.「実際のところ、ほかのNPO/NGOは事業評価のことどう思ってるんだろう。やってるのかな?」
5.「事業評価、やってみようかな。でも実践するのにもうちょっと詳しく知りたいのだけれど」
6.「なんで最近、事業評価への関心が高まっているの?」
幅広いジャンルの執筆陣
(認定特定非営利活動法人日本ファンドレイジング協会 事務局長/社会的インパクトセンター長)
木内真理子さん
(特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン 事務局長)
小林 立明さん
(学習院大学国際研究教育機構 准教授)
田口 由紀絵さん
(公益財団法人パブリックリソース財団 事務局長))
田中 弥生さん
(独立行政法人大学改革支援・学位授与機構 教授/「エクセレントNPO」をめざそう市民会議
中谷 美南子さん
(元公益財団法人セーブ・ザ・チルドレンジャパン 東日本大震災復興支援事業部 事業モニタリング・評価 マネージャー)
藤田 滋さん
(公益財団法人日本財団 経営企画部 ソーシャルイノベーション推進チーム)
源 由理子さん
(明治大学公共政策大学院ガバナンス研究科 教授)
山田 泰久さん
(一般財団法人 非営利組織評価センター 業務執行理事)
横田 能洋さん
(認定特定非営利活動法人茨城NPOセンター・コモンズ 代表理事)
このブックレットには、日本NPOセンターが実施した事業評価をめぐるNPOの意識調査の結果も掲載しています。「事業評価をやってみたら、とても役に立った」という意見や、「事業を改善するためにぜひやってみたい」と考えているNPOは多い一方で、「本当に役に立つの?」「時間が取れない」「何から始めれば?」という心配も見えてきました。日々現場で奮闘しているNPOの皆さんに向けてのブックレットだからこそ、その期待や不安をきちんと見据え、現場のリアルを反映しなくては、と議論を重ねてつくった一冊です。
「やらされる評価」ではなく、評価をNPOの力にしていくためには、どんな評価が望ましい姿なのでしょうか。ぜひこれらかも、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
ご参考:「NPOと評価」日本NPOセンター今田克司
<目次>
はじめに
このブックレットの目的と活用方法
第1部 NPOが強くなるために
1.NPOが社会に応援されるために
2.目的地はどこにある?どう進む?
3.評価は事業に何をもたらすのか
4.評価は「コワい」「使えない」「めんどくさい」?
事業評価をめぐるNPOの意識調査
コラム「:事業評価:国際協力で定着したのはなぜ?」
第2部 これだけは押さえておきたい評価のイロハ
1.事業を評価する?組織を評価する?
2.誰が評価する?
3.参加型評価
4.評価の潮流
コラム「:評価と組織基盤強化」
第3部 事業評価の基本的な考え方と流れ
1.事業を効果的に実施していくための道具:ロジックモデル
2.事業の計画段階から始まる評価:事業評価の5つの階層
3.どのように評価をするのか:評価の設計
4.データの収集と分析・解釈
5.評価結果の報告・共有
コラム「:次世代育成と事業継承に効く事業評価」
第4部 FAQ よくある質問
FAQ1〜846
コラム「:社会的インパクト評価とは?」
第5部 評価の実例
1.事業運営の羅針盤としての評価
2.評価は、コミュニケーション
3.緊急・復興支援では「中間評価」が効く!
コラム「:評価の前に行うべきこと」
評価に関する倫理
もっと知りたい!評価のお役立ち情報
事業評価の基本用語
執筆者一覧
※本書は、公益財団法人トヨタ財団のイニシアティブプログラム助成により作成されました。