メールマガジンバックナンバー Vol.004
こんにちは、日本NPOセンターのメールマガジンをお届けします
vol.004 2018/5/21 Monday
『今月の目次』
1.コラム風雲 「パブリックコメント制度」
2.NPOニュースを読む「NPOに迫られる人事戦略」
3.市民活動お役立ちtips「助成金プログラムを探すには」
4.買って応援!こんなお土産いかがですか?「油菜ちゃんプロジェクト」
5.スタッフおすすめの休日「絵本作家ゆかりの絵本館へ」
6.機関誌「NPOのひろば」から「くらしと人権」
7.日本NPOセンター事業トピック
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1.コラム風雲
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■パブリックコメント制度は機能しているのか?
休眠預金等活用審議会が議論を行っている「休眠預金等交付金に
関わる資金の活用に関する基本方針(案)」については、去る
2月9日から3月10日の間にパブリックコメントを実施し、その
結果は3月27日に開催された第12回の審議会で報告されましたが、
その取り扱いについて市民サイドから批判が出ています。
このパブコメに寄せられた意見は全部で168件ありましたが、
審議会では事務局が主な意見を4つほど紹介したうえで、
「これらの論点というのは、しっかりこれまでの審議会で
御議論をいただいた結果として、皆さんに先般御了承をいただき
ました案文ができているということで、このパブリックコメントに
よって特段修正をしないということを、御報告申し上げます」と報告。
それを受けた審議会の会長は
「我々がつくりました基本方針(案)に対するパブコメは、特に
修正すべきというようなことはなかったということでございます。
何か御発言はございますでしょうか」と続け、各委員からは特に
発言はなく基本方針は了解されることになりました。
パブコメの結果は当日資料として配布されたそうですので、各委員が
その場で168件の意見すべてに目を通して発言することなど
土台無理ではあるのですが。
パブリックコメント制度は、国の行政機関が政策を実施していく
うえで、さまざまな政令や省令などを定めますが、これらを決め
ようとする際に、あらかじめその案を公表し、広く国民の意見を
募集するもので、行政手続法により法制化されています。
しかしながら、今回のようなケースを目の当たりにすると、
「本当にパブコメ制度は機能しているのだろうか」
という疑問を持たれる方も少なくないと思います。
現在のパブコメは審議会などでかなりのレベルまで練られたものが
成案の形で示されるために、簡単な文言修正などの小さな意見は
採択されるとしても、ちゃぶ台返しのような大きな意見を受け
入れることは不可能な仕組みになっていることは事実です。
では、どうしたら良いのでしょうか。
役所的には、「まだ検討中のふらふらしているような段階ではなく、
相当程度に検討がなされた最終的な段階の案でないと国民に示すのは
失礼だ」というに違いありません。
しかしながら今回のようなケースが少なくないとすれば、
法定のパブコメとは別に成案になる前の段階で意見募集を行い、
できる限り多くの意見を成案に反映するという方法があるのでは
ないかと考えます。
これを国の行政機関が直ぐに始めるというのはハードルが高いと
思いますので、どちらかの地方自治体で先進的に実施し、
それが国を動かすということにならないものでしょうか。
相互不信からは、何も得るものはないのですから。
(椎野)
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2.NPOニュースを読む
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■NPOに迫られる人事戦略 有効求人倍率 90年以降過去最高水準
厚生労働省では、公共職業安定所(ハローワーク)における
求人、求職、就職の状況をとりまとめ、求人倍率などの指標を作成し
一般職業紹介状況として毎月公表しています。
平成30年4月27日に発表された29 年度有効求人倍率の
平均は 1.54 倍となり、前年度の 1.39 倍を 0.15 ポイント上回り、
90年代以降、過去最高水準となっています。
働く人の確保は、いま、日本全国のNPOがかかえる課題です。
ハローワークやWEBに情報を掲載するこれまでのやり方から、
人事戦略の見直しをするタイミングにきています。
一般職業紹介状況(平成30年3月分及び平成29年度分)について
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000204352.html
(上田)
■北京大のセクハラ、情報公開求めた女子学生が軟禁状態に
先月、中国の名門・北京大学で過去のセクハラについて情報公開を
大学側に求めた女子学生が軟禁される事件がありました。彼女に
連帯を示すために構内に張り出された壁新聞はSNSで拡散され、
日本でも報道されました。
五四運動、天安門事件でも学生たちが大きな役割を果たした
北京大学は、反骨の伝統で知られます。現代の学生が紙に毛筆の
「壁新聞」で意見を表明するのは、前世代が積上げてきた遺産の
継承という意味もあるのでしょう。
言論空間に制限がある中国では、逆説的ですが市民性とは何か
ということに、人々はいつも向き合わざるを得ません。大きな力の
意に沿わない意見表明は、生半可なポーズではなく、文字通り身を
賭してたたかう覚悟を帯びたものになります。
中国では今、当局との間合いを計りながらも、環境、マイノリティ
支援、ジェンダー格差の是正など、ユニークで気骨のある活動が
たくさん繰り広げられています。聞こえにくい隣国の友人たちの
足音に耳を澄ますこと、そしてこちらの足音を伝える努力をする
ことは、私たちが「市民性って何だろう?」と考えながら進んで
いくとき、とても大切なことであるように思います。
・北京大のセクハラ、情報公開求めた女子学生が軟禁状態に
https://goo.gl/UJrpU4
(清水)
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3.市民活動お役立ちtips
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●助成金プログラムを探すには
助成金の申請書を一生懸命書いているのに、なかなか通らない。
そんなときは、自分たちの事業と助成金プログラムのコンセプトが
本当に合っているのかを見直してみませんか?
それぞれの助成金プログラムには、組み立てた側の哲学が
詰まっています。申請する前に、そこをじっくり見極めることが、
遠いようで近道かもしれません。
ただ、数ある助成金の中から、自分たちの事業にぴったりの
プログラムを探すのは、けっこう骨の折れること。
助成財団センターの検索機能はご存じですか?
事業分野や期間も選択できる優れもの。
悩める皆さんにお勧めします。
http://www.jfc.or.jp/grant-search/c_search.php5
(清水)
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4.買って応援!こんなお土産いかがですか?
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「油菜ちゃんプロジェクト」
特定非営利活動法人チェルノブイリ救援・中部
福島県南相馬市で、菜種油をつかった農業再生の取り組みを
ご紹介します。
南相馬市は福島第一原発事故により大きな被害を受けました。
原発事故による放射能により農地が汚染され、農作物が作れない、
農作物が放射能基準値以下であっても買ってもらえないという
現実がありました。
そのような中で、放射能に汚染されないナタネ油の特性を利用した
「チェルノブイリ救援・中部」のウクライナでの取り組みを
南相馬でもできるのではないかと、相馬農業高校の生徒さんと
地元の農家で収穫されたナタネ油の商品開発に取り組みました。
放射能に汚染されないことはもちろん、
大量流通しているキャノーラ油などのように遺伝子組み換えや
薬品、添加物などの心配がありません。
薬品抽出でなく圧搾による生産工程のため、オリーブオイル
のように生で食べても胃もたれせず酸化にも強いのが特徴です。
揚げ物のつぎ足しなどにも使え、長持ちする「へこたれない」油です。
マヨネーズは上質な卵「相馬ミルキーエッグ」使用、
ドレッシングは和風しょうゆ味です。
「なのはなバーム」は油菜ちゃんを使ったスキンクリーム。
なたね油のほか、ミツロウ、ヨモギエキス、ラベンダー油の
天然素材で作られており、とてもやわらかく肌になじみます。
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なたねオイル・油菜ちゃん
105g(540円)
270g(1,080円)
810g(2,700円)
マヨネーズ
170g(780円)
ドレッシング(和風しょうゆ味)
200ml(500円)
なのはなバーム(ラベンダーの香り)
10ml(1,000円)
※商品価格は税込み/送料別途
★おまけ★
南相馬の菜種油を使った石鹸は、ラッシュジャパンでも購入できます。
https://jn.lush.com/products/soaps/drop-hope
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5.スタッフおすすめの休日
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~絵本作家ゆかりの絵本館へ~
かこさとしさんが亡くなられました。
若いころ、化学メーカーで会社員をしながらセツルメント活動に
加わり、子どもたちのために紙芝居や演劇を制作して子ども会など
で公演したことをきっかけに児童文学家への道を進んだそうです。
「企業ボランティア」という言葉は当時なかったでしょう。しかし
当時も現在も市民活動がボランティアの思いに支えられていることは変わりません。
戦争、科学、運動という経験を経た、かこさんは時流に流されず
物事を正しく判断できる子どもの成長を願いました。登場人物の
個性豊かな物語は大人になって初めて読んでも痛快でおもしろい
作品がたくさんあります。図鑑のような科学絵本も読みごたえがあります。
そんなかこさんの絵本を読み放題の場所が、福井県にある
「かこさとし ふるさと絵本館「石石」(らく)」です。ほとんどの
作品を収蔵する他、4000冊余りの絵本や紙芝居を読める絵本の部屋、
2階には原画が展示されています。
こうした作家由来の記念館や、特定の作家に由来していない
「絵本美術館」も全国各地にあります。個人的には、安藤忠雄さん
設計の絵本美術館「まどのそとのそのまたむこう」(福島県)の
壁一面の本棚は、本好きなら一度はあこがれる光景で、ぜひ行ってみたいです。
機会があれば、お近くの絵本館を探して、ゆっくり過ごす休日もおすすめです。
(山脇)
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6.機関誌「NPOのひろば」から
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「NPOのひろば」74号では、
「くらしと人権」をテーマに特集を組みました
以下、本文から。
—
人権問題としては必ずしも認識されてはいないが、
私たちのくらしの傍に確かにある社会課題を人権の視点から
取り上げてみたい。それは、今号のサブテーマである
「社会を照らす鏡」とあるように、人権という「鏡」に
映し出された姿から、今私たちがどんな社会状況の中に暮らし
ているのかを浮かび上がらせようという試みである。
—
つづきはこちらから読めます。※記事PDFのリンク。
https://bit.ly/2Iy8YiU
★機関紙「NPOのひろば」は、いま気になるテーマや課題
提起など、もっと深くNPOのことを知りたい方におすすめです。
日本NPOセンターにご入会いただいた方に年4回お届けします。
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7.日本NPOセンター事業トピック
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日本NPOセンター事業の一部から最新トピックをご紹介します。
<震災関連事業>
10月開始の助成事業の募集が始まります。
・「大和証券フェニックスジャパン・プログラム2018」
被災地の人材育成に特化した助成プログラムです。
https://www.jnpoc.ne.jp/?p=15062
・タケダ・いのちとくらし再生プログラム
※応募要項は近日公開
被災地で「いのち」と「くらし」の再生に関わる事業の中で、
連携・協働/住民のエンパワメントに取り組む事業を応援します。
http://www.inochi-kurashi.jp/program/
・東日本大震災現地NPO応援基金(一般助成:第3期)
※応募要項は対象団体のみ公開
現地NPOが中長期にわたる活動を行うための組織基盤強化の
取り組みを助成します。
https://www.jnpoc.ne.jp/?tag=311jisin-fund-ippan
<交流研修事業>
NPO/NGOの組織基盤強化のためのワークショップ
パナソニックとの協働プロジェクトで、
全国7か所で開催しています。
5/27広島、6/3福岡、6/8宮城、6/16大阪、6/29埼玉
サポートファンドの「貧困の解消」をテーマにした
新しいプログラムについても紹介します。
https://www.jnpoc.ne.jp/?p=15027
<交流研修事業>
7/13金「NPOと行政の対話フォーラム’18」を、
かながわ県民活動サポートセンターで開催します。
フォーラムは、NPOと行政の協働の未来に向けて、次の一手を
考える機会にしたいと思います。ぜひご参加ください。
https://www.jnpoc.ne.jp/?p=15190
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日本NPOセンターへの入会・寄付
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〇ご入会のお願い
日本NPOセンターでは、日本の市民社会作りを民間の立場から
推進するセンターとして自立性、独立性を守るために、会員制度を
重視しています。これは資金面でも運営面でも、多様な方々から
支えられていることの証明でもあると考えています。
ぜひ当センターの事業推進に会員としてご協力ください。
〇活動全般へのご寄付
日本NPOセンターの事業を幅広くご支援ください。
「社会をつくる原動力」というスローガンのもと市民社会づくりを
進めるためにも、皆さまからのご寄付をお待ちしています。
いただきましたご寄付は活動や組織全般に使わせていただきます。
日本NPOセンターへのご寄付は、税制優遇の対象となります。
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★ご感想やご意見、なんでもお気軽に
news@jnpoc.ne.jp まで
メールをお送りください。
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