東日本大震災現地NPO応援基金(第2期)第1回選考総評


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第2期第1回選考結果のご報告(PDF版)

ネットワーク組織やNPO支援組織の基盤強化が個々の現場型NPOの強化につながることを期待

選考委員長  椎野 修平

 東日本大震災現地NPO応援基金は3月18日に日本NPOセンターに設置され、9月末までを第1期として企画提案を受け付け、救援活動に取り組む現地NPOを対象に、11月末までに27件(22団体)・4,380万円の助成を行ってきた。「臨機に、迅速に、柔軟に」を助成方針とし、プログラム・オフィサーが人脈を活かして現地NPOを訪問、対話を通して企画提案を提出していただき、日本NPOセンターと市民社会創造ファンドの代表、センターの常務理事兼事務局長、ファンドの事務局長兼プログラム・オフィサーの3名がその都度審査し、助成先を決定してきた。

 現地では、3月から9月までの約半年間は被災者の救援活動が中心であったが、10月以降は避難所から仮設住宅への移行がほぼ完了し、被災者の生活再建の支援に重点が置かれるようになった。今後益々、現地NPOの定着と活躍が期待され、組織基盤の強化が課題となる。現地NPOがビジョンを掲げ、組織基盤を強化することで、被災者の生活再建を持続的にきめ細かく支援し、長期的に大きな役割が果たせるよう期待される。

 そこで本基金は10月からを第2期とし、「被災者の生活再建を支援する現地NPOの組織基盤強化」をテーマに公募を開始した。助成期間は1年間・助成総額は1億円を予定し、2012年8月末まで随時応募を受け付け、年4回に分けて助成を行うこととしたが、選考も新たな体制を整えて行うこととなり、私は第2期から選考委員長として、4名の選考委員とともに選考に取り組んだ。

 第1回の選考は11月末までに届いた31件の応募(岩手8、宮城18、福島5)が対象であった。選考は、第1段階として各選考委員が応募書類を読み込み、「支援活動に対する評価」「組織基盤強化に取り組む団体の適格性」「組織基盤強化に取り組む問題意識の明確さ」「組織基盤強化方法の適切さ」「計画内容の具体性」「組織基盤強化による支援活動への波及性」などから分析し、すべての案件にABCの評価を付けた。第2段階では、この評価結果をもとに選考委員会で議論を重ねて助成対象候補として7件に絞り込んだ。第3段階では、事務局が助成対象候補に対して現地インタビューを行ったが、選考委員長はその報告を受け、12月末に岩手3件、宮城2件、福島1件の計6件・2,551万円の助成を決定した。

 私は、これまで様々な助成金の選考に関わってきたが、今回ほど厳しいと感じたことはなかった。通常は応募書類を読んでいる時は比較的楽しく、助成対象を決めて発表する段階になって苦しくなるのだが、今回ばかりは応募書類を読み込む段階から最終選考に至るまで気の重い日々が続いた。それは、今回応募のあった案件はどれも必要なものだという認識の中で、助成対象を絞り込まざるを得ない作業だったからである。今回の応募案件はどれも素晴らしい活動ではあるが、その中から「被災者の生活再建に大きく寄与するもの」及び「現地NPOの組織基盤の強化に資するもの」という視点からより評価の高かったものを最終的に選考することとした。

 多くの団体が応募を通じて、団体のビジョンと組織基盤強化の方策について、組織内で熱心に議論されたと思う。このプロセスこそが組織基盤の強化につながることと期待したい。次回に再チャレンジいただきたいと切に願うものも多い。今回の助成では、ネットワーク組織やNPO支援組織の基盤強化を多く応援することになったが、これらの団体は震災以降の活動を通じて、さまざまな社会資源と連携して取り組んでおり、各地域での相対的なポジショニングや今後の役割が見い出しやすい利点があろう。これらの団体が地域の今後の状況を見据え、組織と人材の支援力を高め、一つひとつの現地(現場型)NPOの組織基盤を強化することにより、被災者の生活再建に長期的に大きな役割を果たされることを期待したい。

 本基金は無事に第2期・第1回の選考を終えた。選考委員一同、今後とも、市民の皆さんやNPO、企業、財団、海外の方々等の志をもとに、長期的に現地NPOならびに現地の発展に貢献したいとの決意を新たにした。

東日本大震災現地NPO応援基金(第2期)選考委員

委員長椎野 修平特定非営利活動法人藤沢市市民活動推進連絡会理事
委員栗田 暢之特定非営利活動法人レスキューストックヤード代表理事
委員黒田 かをり一般財団法人CSOネットワーク事務局長・理事
委員谷本 有美子公益社団法人神奈川県地方自治研究センター研究員
委員田尻 佳史認定特定非営利活動法人日本NPOセンター常務理事・事務局長

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