東日本大震災現地NPO応援基金(第2期)第4回選考 助成概要と選考理由


第2期第4回助成先一覧 | 選考総評 | 助成概要と選考理由
第2期第4回選考結果のご報告(上記各ページのPDF版)

テーマ 大槌・釜石での内職プロジェクトを通じた被災者の雇用創出と居場所づくりの実現を目指した復興支援NPOの基盤強化
団体名 サンガ岩手(岩手県盛岡市)
主な活動地域 岩手県大槌町、釜石市
選考理由  サンガ岩手は、震災後に設立された団体で、避難所や仮設住宅等で、傾聴ボランティア、支援物資の提供、編み物教室などを行ってきた。現在は、主に大槌町や釜石市の仮設住宅の住民を対象に、内職プロジェクトや居場所づくりに取り組んでいる。7月1日に大槌町に「サンガ岩手手づくり工房カフェ」を開設し、手芸品の製作と販売、ふれあいサロンを運営している。
 今後の活動ビジョンでは、被災地域の住民主体による運営、オリジナルブランドの確立と全国販売、企業からの受注・生産体制の構築、安定した資金の確保、岩手県内での手芸工房の拡大(5年後までに5箇所)などを掲げて、組織基盤強化の目標として、1)組織運営スタッフの資質の向上、2)組織運営の場の確保、3)内職プロジェクトにおける手芸技術研修の充実 としており、本助成金は組織運営スタッフの確保ならびに育成、手芸研修会の開催、手芸工芸備品の整備、工房管理人の確保などに使用する。
 被災者の雇用創出に貢献するコミュニティビジネスの確立も重要であるが、地域再生や生活再建の基盤となるコミュニティづくりや居場所づくりは必要不可欠な取り組みである。地域住民が主体となって組織を運営し、地域の人づくり・場づくりの核として成長することを期待したい。
テーマ 被災した農家の新(進)展開支援に取り組み、地元住民の主体的な運営を目指した現地NPOの基盤強化
団体名 特定非営利活動法人がんばッと!!玉浦(宮城県岩沼市)
主な活動地域 宮城県岩沼市
選考理由  がんばっと!!玉浦の活動は、避難所生活の中で「地元を何とかしなければならない」という強い思いを持った有志がメッセージステッカーを作成・配布したことからスタートした。震災後は、支援物資の配布や避難者を癒す温泉ツアー、夏休み親子合宿などを企画・実施してきたが、地元経済の再生に向けては農地の復旧と就農者の支援、地域ブランドの開発などを継続的に展開することが必要なことからNPO法人を設立し、大津波被災地玉浦の未来を考える意見交換会や集団移転地のまちづくりを考えるワークショップ、農業者と消費者の交流を図るイベントなどを精力的に開催してきた。
 今後の活動ビジョンでは、農地復旧に合わせたソフト面での就農者支援、民間企業との連携による販路の拡大及び来訪者の誘致、地域循環型のシステムづくり、地元資源を活用した六次産業化と地域ブランドの開発などを掲げて、組織基盤強化策の目標として、1)速やかで正確な情報発信、2)地域内における賛同者の拡大、3)運営費の継続と安定した維持に取り組む としており、本助成金は運営の中核を担う人材の確保、会報発行、六次産業化による商品開発やバイオマスによる循環型地域づくり検討会などに使用する。
 農業をベースにした地域の再生には、農地の普及と就農者の支援に加えて、経済性のある作物の栽培と付加価値の高い商品開発などが求められることから、地域住民主体で設立された本団体の果たす役割は大きいものと判断し、組織基盤の強化を応援することとなった。地域づくりNPOとして、継続的に事業が推進できる組織に成長することを期待したい。
テーマ 原発事故避難者(みなし仮設住宅居者)の相互支援ネットワーク構築を目指した現地NPOの基盤強化
団体名 特定非営利活動法人陽だまりハウス(福島県福島市)
主な活動地域 福島県福島市
選考理由  陽だまりハウスは、福島市において20年間にわたり任意団体として主に高齢者や障害者の生活支援と就労支援を行ってきたが、4年前にNPO法人として組織体制を整備した。東日本大震災以降は、それまでの経験を生かして炊き出しや仮設住宅入居者に対する支援、独居者の見守りや介助などの活動を行ってきた。現在は、浪江町および浪江町社会福祉協議会からの協力要請を受けて、放射能汚染地域から福島市内に避難し民間借り上げ住宅(みなし仮設)に入居している高齢者を対象に見回り事業を実施している。
 今後の活動ビジョンでは、支援を求める避難者の急増に対応するため被災者支援の充実と新たなコミュニティの形成を掲げ、1)事務局体制の整備とボランティアスタッフの拡充、2)被災者相互のつながりを生むための情報誌発行と情報共有、3)会計処理機能の強化と資金獲得に取り組むとしており、本助成金は事務局スタッフの確保、見回り事業の充実、情報誌の発行、ホームページの整備などに使用される。
 みなし仮設への入居者は高齢者が多く、きめの細かな支援が求められるが、他の自治体からの避難者であることから行政による制度的な支援から取り残されることが懸念されており、本団体の果たす役割が期待される。みなし仮設に入居する高齢者に対して継続的な支援ができる組織として、基盤強化が図られることを期待したい。
テーマ 被災者のエンパワメントと支援団体ネットワークの拠点「イコール・カフェ」づくりを目指した現地NPOの基盤強化
団体名 特定非営利活動法人市民メディア・イコール(福島県郡山市)
主な活動地域 福島県
選考理由  市民メディア・イコールは、福島県郡山市を中心に10年以上にわたり、男女共同参画・ジェンダー平等社会の実現を目指し、ジェンダー・人権・少数者の視点に立って、情報紙「イコール・プレス」の発行、「ジェンダー・カルタ」の制作、学習会などの活動を展開してきた。震災後は、被災者支援を行う女性団体へのサポートや、女性専用の避難所設置に関する要望などのアドボカシー活動を行ってきた。
 今後の活動ビジョンでは、震災の影響で弱体化した活動基盤の再生と強化を掲げ、組織基盤強化策として、1)事務所の移転ならびにスタッフの配置による事務局基盤の確立、2)情報紙「イコール・プレス」の定期発行、ホームページの充実、情報紙バックナンバーの電子化など、情報発信力の強化、3)福島県内の女性団体とのネットワークの強化に取り組むとしており、本助成金は運営スタッフの確保、事務所の移転、整備、管理などに使用する。
 震災直後はもとより復興の段階においても、女性やマイノリティの人々への視点は抜け落ちやすく、組織をいち早く再生し、女性団体のネットワーク拠点としての役割を担い、震災記録集の作成などジェンダーの視点での復興支援に取り組み、被災者をエンパワメントすることを期待したい。
テーマ いわき地区NPOの継続的な人的コミュニティ構築と戦略的事務局力の強化を目指した中間支援NPOとしての基盤強化
団体名 特定非営利活動法人いわきNPOセンター(福島県いわき市)
主な活動地域 福島県いわき市
選考理由  いわきNPOセンターは、地域の中間支援組織として、主にいわき市を中心に福島県で活動するNPO法人、ボランティア団体、市民活動団体の活動を支援し、地域や分野を超えたNPOの活動基盤の強化と連携を図り、行政や企業との協働関係の構築に取り組んできた。震災後は、救援物資の調達・配送基地の設置運営、いわき地域絆づくり支援センターの運用、地域コミュニティ震災実態調査、親子で遊ぶ室内広場の運営などに取り組んできた。
 今後の活動ビジョンでは、常勤スタッフの力量形成などの事務局体制の強化、いわき地区NPOネットワークの強化、いわき市内で活動するNPOの情報基盤の支援、非常勤スタッフの参加促進および会員拡大を掲げ、組織基盤強策として、1)いわき地区NPOの継続的な人的コミュニティの構築、2)いわき地区NPOの戦略的な事業運営を可能にする事務局パッケージの開発、3)事務局パッケージの導入 としており、本助成金は人的ネットワークの構築、事務局パッケージの開発、プロジェクトリーダーの確保に使用される。
 いわき市は被災地でありながら、周辺の自治体および住民が避難・同居する特殊な環境下にある。中間支援組織の事務局スタッフの力量形成を図り、NPO支援力が強化され、いわき地区のNPOの成長と発展を促進し、山積する地域課題の解決に貢献することを期待したい。