東日本大震災現地NPO応援基金(第2期)第5回選考 助成概要と選考理由


第2期第5回助成先一覧 | 選考総評 | 助成概要と選考理由
第2期第5回選考結果のご報告(上記各ページのPDF版)

【新規助成】

テーマ 復活の森・再生キャラバン ~団体の自立・自活を目指した人材育成と収益事業の強化
団体名 特定非営利活動法人 吉里吉里国(岩手県大槌町)
主な活動地域 岩手県大槌町吉里吉里市
選考理由  吉里吉里国は、震災後に漁業者を支援するために設立された。漁業者が林業にも携わり、いくつかの副業を持つ「漁家林家」という吉里吉里地区の伝統的な就労スタイルをモデルに、林業家の育成や間伐材を活用した「復活の薪」の販売等を実施。被災者の経済的自立の推進、ひいては誇りを持って地域で生きていける人材の育成に取り組んでいる。
本助成金によって林業と兼業の事務局員を置き、1)営林組合の設立を通じて管理する山林の拡大、2)観光等による交流人口の増加、3)林業従事者の育成に取り組む。
組織の財源的自立の目標と計画も具体的に描かれており、外部支援者との連携も効果的に機能している。今回、事務局機能の強化を応援することで組織基盤の強化が期待できる。
地元住民が自ら立ち上がることで地域経済が活性化し、地域再生と生活再建のモデルが発信されることを期待したい。
テーマ 亘理いちごっこコミュニティビジネス創出のための体制強化
団体名 特定非営利活動法人 亘理いちごっこ(宮城県亘理町)
主な活動地域 宮城県亘理町
選考理由  亘理いちごっこは、震災後に被災者やボランティアの方たちへ温かなバランスのとれた食事を提供するために立ち上がった団体であり、現在は「コミュニティ・カフェレストラン」の運営、仮設を巡回訪問する「いちごっこお話し聞き隊」、児童生徒の学習支援である「寺子屋いちごっこ」を主な活動として取り組んでいる。
今後の活動ビジョンでは、被災地復興のカギである生業づくり事業に力を入れていくとともに、障害者等で社会参加が困難な者や震災によって収入源を無くした人たちを中心としてジャムやソース等の製造販売など行うことを掲げて、組織基盤強化策の目標として、1)代表のみに依存しない各事業の独立性及び融合性を培う、2)収益事業の安定確保、3)各事業のチーフ養成に取り組むとしており、本助成金は渉外・寺子屋統括担当および経理事務担当の人材確保に使用する。
地域が再生するためには、被災者の拠り所となる場が必要であることから、組織基盤の強化によってコミュニティセンターとしての役割を継続的に果たせるようになることを期待したい。
テーマ 石巻において震災支援を継続し、支援者を増加させるための組織基盤強化
団体名 一般社団法人 みらいサポート石巻(宮城県石巻市)
主な活動地域 宮城県石巻市
選考理由  みらいサポート石巻は、被災地支援に駆け付けた様々な団体の情報交換・連携の場としての連絡調整会議の事務局業務を担う団体として設立され、被災直後から、避難所の衛生改善事業や入浴支援事業、復興イベントの開催や復興ツアー、震災の語り部プログラムなどの活動を展開してきた。
今後の活動ビジョンでは、県内外で発生する災害に対応した支援活動、住民主導の復興まちづくりや地域活性化、石巻のブランド力の強化に関する情報発信、防災・減災に向けたプログラム提供などを行うことを掲げて、1)公益社団法人の取得を視野に入れた組織運営を行うための人材育成、2)財政基盤の強化のための新たな寄付システム等の導入や会員制度の見直し、3)情報発信のスキル向上とツールの開発に取り組むとしており、本助成金は総務会計担当の人材確保に使用する。
復興のまちづくりのためには、様々な人々や団体をつなぎ、その活動をサポートしていく組織の存在が不可欠であることから、組織基盤の強化を図り地域の中間支援組織としての機能を十分に果たせる組織に成長することを期待したい。
テーマ 福島原発避難者の長期支援と団体の自立を目指した人材基盤強化計画
団体名 一般社団法人 情報センターFais(福島県田村市)
主な活動地域 福島県田村市
選考理由  情報センターFaisは、震災後に設置された田村市災害ボランティアセンターから業務を引き継いた田村復興ボランティアセンターの運営の中核を担っている団体であり、避難所への物資の整理・配布、ボランティアの調整、イベントの企画実施、被災者の移動支援や安否確認の巡回などを主な活動としてきた。
今後の活動ビジョンでは、田村市都路地区の被災者支援活動を継続的に実施することを掲げて、1)介護保険事業、2)福祉有償運送事業に取り組むとしており、本助成金は介護系資格取得費、福祉施設での研修経費等に使用する。
田村市都路地区の一部は避難指示解除準備区域であり長期的な支援が不可欠なことから、組織基盤強化を図り高齢者を主体とした支援が継続的に展開できる組織に成長することを期待したい。

【継続助成】

テーマ 被災者支援継続に向けたネットワークと協働のまちづくり基盤構築のためのNPO中間支援組織の人材と財政基盤の強化
団体名 特定非営利活動法人 夢ネット大船渡(岩手県大船渡市)
主な活動地域 岩手県大船渡市・陸前高田市・住田町
選考理由  夢ネット大船渡は、地域づくりとNPO支援を目的とした中間支援組織であり、現在は復興ニュースの発行、仮設住宅での手芸内職者の支援および手芸品の販売支援、被災高齢者宅での傾聴活動、県内外の支援団体のコーディネートを主な活動としてきた。
今後のビジョンに、NPO中間支援組織としての任務が果たせる組織に発展、NPOのネットワーク化と連携・協力体制の実現、住民・行政・事業者の協働によるまちづくり検討会の立ち上げを掲げて、1)認定NPO法人を目指した会員・寄付者の拡大、2)専従職員の配置、3)独立した事務所の維持継続のための資金確保、4)地元NPOのネットワーク結成に取り組む。
情報発信に止まらず、被災者の雇用創出、高齢者支援、コミュニティ再生事業など多岐に亘り、また、情報をつなぐ組織として、誠実な法人運営を志しており、第1回選考から継続して応援することとなった。個人会員の増強と育成を推進し、団体の賛同者を募り、中間支援組織の独立性・自立性がより一層高められることを期待したい。
テーマ 南三陸コミュニティの経済復興に取り組む地元組織の継続支援と登米コミュニティの再生を目指したNPOのスタッフ・会員・ボランティア・自己資金力の強化
団体名 特定非営利活動法人 故郷まちづくりナイン・タウン(宮城県登米市)
主な活動地域 宮城県南三陸町歌津
選考理由  故郷まちづくりナイン・タウンは、登米市で地域づくり、まちづくり事業を展開するために設立された団体で、震災後は、南三陸町歌津地区でNGOと共に救援活動に取り組み、地域情報誌「桜通信」の発行、農産品加工施設「石泉ふれあい味噌工房」と地場産品直売施設「みなさん館」の設立・運営支援に主に取り組んできた。
今後の活動ビジョンに、コミュニティ再構築支援(南三陸町歌津地区)、過疎地域のまちづくりのための基礎力アップ支援(南三陸町、登米市)、自主防災組織のまちづくり計画支援(登米市)、石森まちなかMANGA館事業の企画・運営(登米市)を掲げて、1)味噌工房と直売所の運営母体である「夢未来南三陸」の人材育成および販売促進力の強化(年間売上目標5,000万円)、および、2)出品者100名の収入源確保、3)「故郷まちづくりナイン・タウン」の事務局職員の人材育成と新規採用2名、および、4)会員・ボランティアの100名登録と育成を目標に取り組む。
第2回選考からの継続した応援となるが、組織基盤強化に取り組むことで、南三陸町歌津地区の経済活動の推進とコミュニティ再構築の母体となる「夢未来南三陸」の活性化と、「故郷まちづくりナイン・タウン」のコミュニティ支援力の強化につながり、中長期の視点に立った地域コミュニティの自立的な復興・再興が実現することを期待したい。
テーマ なみえ希望のまちづくりプロジェクト ~分散する町外のコミュニティをネットワーク化して一つの浪江町としてのアイデンティティを構築するためのスタッフ・会員・NPOの強化
団体名 特定非営利活動法人 まちづくりNPO新町なみえ(福島県二本松市)
主な活動地域 福島県浪江町および浪江町民が避難する全国各地
選考理由  まちづくりNPO新町なみえは、東日本大震災による原子力発電所事故により全町避難区域となった浪江町の絆の回復を目的に活動を開始し、復興まちづくりワークショップ、避難者交流会の運営支援、復興十日市祭りの運営支援に取り組む。
今後のビジョンに、分散した町外コミュニティをネットワーク化して一つの浪江町としてのアイデンティティの構築を掲げて、1)絆の回復を目的としたまちづくり交流会の企画・運営スキルの強化、2)認定NPO法人の取得を目指したサポート会員・寄付者の獲得および財政基盤の強化、3)総務・会計・事務局のスキルアップに取り組む。
第2回選考からの継続した応援となるが、まちづくりNPO新町なみえの活動は、分散した浪江町民の交流という行政が担うべき重要な課題に取り組んでおり、行政・企業との協働や財政支援をより多く引き出すことが求められる。また、浪江町にちなむ商品開発などの自主事業化や、寄付者・賛同者の獲得に力を入れ、経営力の向上に取り組み、継続的に活動が展開できる組織に成長することを期待したい。