東日本大震災現地NPO応援基金[特定助成] 「東日本大震災復興支援 JT NPO応援プロジェクト」第4回助成概要と選考理由


第4回助成先一覧 | 選考総評 | 助成概要と選考理由
第4回選考結果のご報告(上記各ページのPDF版)

事業名 岩手に根ざした「和グルミ」を全国発信し地域の産業創出
団体名 一般社団法人SAVE IWATE  
主な活動地域 岩手県盛岡市、野田村
選考理由 SAVE IWATEは、岩手県内に自生する「和グルミ」を地元の産業再生に活用しようと2011年から活動している団体である。産業として定着するまでの道のりは原材料の安定的な確保から殻むき等の作業方法、食材そのものに馴染みのない関東以西へのPRや継続的な消費につながるようなレシピの普及等、数多くの取り組むべき課題がある。助成事業は、以上の課題を一つずつ解決していくための作業の効率化や商品開発、販売経路開拓のための営業を実施する「和グルミ」普及のための活動である。産業としての定着や将来性に未知の部分はあるが、しっかりとしたビジネスモデルと関係資源とのネットワークを構築しなければならない重要な時期であろう。助成を通じて岩手県のみならず全国的なつながりを築き、事業の基盤を強化し、地元産業の再生することを期待したい。
事業名 ボランティア・ツアーの継続促進と、発信地との相互交流(観光と物流)拡大支援事業
団体名 一般社団法人 南三陸福興まちづくり機構
主な活動地域 宮城県南三陸町
選考理由 南三陸福興まちづくり機構は、南三陸町の復興と新しいまちづくりをサポートする中間支援組織として、震災以前からの取り組みである防災と特産物直売の「ぼうさい朝市」全国ネットワークを活用し、震災直後に「福興市」を立ち上げ、南三陸の産業活性化に取り組んできた団体である。
助成事業では、「福興市」へのボランティア・ツアーを実施する。現在参加者は減少傾向にあるとのことだが、過去連携先である5地域からのツアーに加えて新たな2地域からのツアー招致を目指し、専門家を派遣した立ち上げ・継続のための勉強会の開催や、連携地域における報告会、防災セミナーの実施、被災地特産物販売会の等の開催を通じ、継続拡大を図っていく。
助成を通じて、震災で生まれた支援と交流の新しい形であるボランティア・ツアーの実施基盤が確立され、継続発展することにより、被災地域と連携先地域の双方が活性化していくことを期待したい。
事業名 被災地のものづくりコミュニティの継続的な運営と発展のための組合的販促支援強化事業
団体名 特定非営利活動法人 応援のしっぽ
主な活動地域 岩手県、宮城県、福島県
選考理由 応援のしっぽは、被災地で次々と誕生している「ものづくり」に焦点を当て、コミュニティ団体の運営や企業とのマッチング等に対する相談事業、ものづくり交流会の開催、商品カタログの発刊や当事者団体との委託販売等を通じて、被災者支援活動を継続している団体である。震災から3年が経過し、ますます震災の風化が顕著に表れていて、被災地の商品も販売量が激減し、各団体は相当苦戦している状況がある。助成事業は、企業・生協等との連携・協力体制を構築し、新たな販売経路の開拓および販売促進を目指す。このために営業活動やツールの開発等を行い、より多くの商品が売れる仕組みづくりに挑戦する。先進事例や関係する企業・NPO等からも積極的にアドバイスを受け、果敢にチャレンジして成果を生み出していくことを期待したい。
事業名 いいたてミュージアム-までいの未来へ記憶と物語プロジェクト-
団体名 いいたてまでいの会
主な活動地域 福島県飯舘村、福島市
選考理由 いいたてまでいの会は、東日本大震災以降、離村を余儀なくされた福島県飯館村の村民が、相互の絆を維持し、将来の帰村を目指すための活動を推進することを目的に設立された団体である。“までい”とはこの地の方言で、手間暇おしまず、ていねいに、こころをこめて、大切にするといった気持ちを意味するという。世代間交流、ふるさと伝統の食文化や芸能を伝承する活動等、内外への情報発信を行ってきた。助成事業は、飯館村の生活と文化をモノに託して語り継ぐための取り組みである。飯舘村での生活や日常の記憶を呼びもどし、村民としての誇りをもち続けることができるよう、村のくらしの記憶にかかわるモノを村民から収集し、それにまつわる物語をききとる活動を行い、モノと物語の展覧会(ミュージアム)や勉強会を開催する。全村避難が4年目に入るなかで、助成事業が、人々の故郷の記憶を呼び覚まし、分断された人々のつながりや村民としてのアイデンティティを回復・維持し続けるとともに、息の長い関心や支援の輪を広げていくことを期待したい。
事業名 福島県の子どもたちに過疎地域を活かした安心保育環境を提供する事業
団体名 特定非営利活動法人 移動保育プロジェクト
主な活動地域 福島県郡山市
選考理由 移動保育プロジェクトは、震災以降、放射能に対する健康不安から、外遊びが制限されている郡山市の子どもたち(未就学児)に対して、低線量地域へ移動して保育する移動保育を延べ150回以上実施してきた団体である。助成事業では、現在、募集定員を大幅に超える応募がある移動保育の実施回数を増やすとともに、郡山近郊の農村地である湖南町で自然体験学習保育を実施する。湖南町では、近年、農村地域の老齢人口比率が高まり、過疎化が進行しているが、今回、地域の高齢者層に対して農業体験や昔遊びを通じた子どもたちとの交流、保護者向けの相談会等への参加を促し、地域活性化を図っていく。助成を通じて、子どもたちが安心して元気いっぱいに外を駆け回ることができる環境が拡充されること、子どもたちや子育て世代との交流が高齢者層の活力となり、地域が活性化していくことを期待したい。
事業名 福島県いわき市におけるコミュニティづくり応援事業
団体名 特定非営利活動法人シャプラニール=市民による海外協力の会
主な活動地域 福島県いわき市
選考理由 シャプラニールは、地震および津波によって被災した市民約8千人に加え、東京電力福島第一原発事故による相双地区からの約2万人の避難者を受け入れている福島県いわき市を拠点に、借り上げ住宅入居者をはじめとする避難者のための交流スペースの運営、孤立しがちな高齢者世帯等への個別訪問、月16000部の情報紙の発行等の支援活動を継続している。助成事業は、いわき市内の支援団体で構成するネットワーク組織「みんぷく」と共に、被災者のより近くに出向いて交流サロン等を開催する「まざり~な」の設置・運営や、相次いで建設される市内16箇所の災害公営住宅および9箇所の復興公営住宅入居者へのケアに取り組むものである。元々の住民と相双地区からの避難者との軋轢や、なかなか出口の見えない原発事故からの復興という厳しい現実に直面しながらも、一人ひとりの被災者に寄り添う活動として期待したい。