認定NPO法人制度改正運動 佳境を迎えています!


日本NPOセンターでは「NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会」(NPO/NGO連絡会)の世話団体の1つとして参加し、同連絡会を通して継続して認定NPO法人制度の改正運動に取り組んでいます。
同連絡会では改正の要望書を作成し、6月から8月にかけて、各地で地域学習会を開催するとともに、9月には全国のNPO支援センターを対象とした署名活動を行い、与野党議員や関係省庁に提出しました。

■今年度のNPO/NGO連絡会の運動
「NPO法人制度の税制改正に関する要望書」
・これまでの運動

こうしたNPO/NGO連絡会などのNPOからの要望活動や政府・与党内での議論などを受けて、認定NPO法人制度改正の機運が高まってきています。
10月12日には民主党政策調査会のプロジェクトチームである「内閣部門会議」が、11月9日には同じく「新しい公共調査会」が役員会を開き「関連団体ヒアリング」として複数のNPOとの意見交換を行いました。
当センターも、「内閣部門会議」にはNPO/NGO連絡会として、「新しい公共調査会」役員会には当センター独自の立場で出席しておりますので、今回は認定NPO法人制度に絞って、現在の主な論点についてご報告します。
(税制改正の議論は日々状況が変化しています。本稿執筆後、論点が変わることもあります。)

■検討の流れ(見込)
市民公益税制検討の流れ

■認定NPO法人制度改正に関する現在の主な論点
(11月9日「新しい公共調査会」関連団体ヒアリングより)
「・」が主な論点 「→」がNPO側の出席者からの回答

1.認定事務を国税庁から都道府県に移管する件について
・作業量、スピード感を考えると、2011年4月からの移管は困難ではないか。
その場合、国税庁が引き続き行うのか、それでも都道府県に移すべきか。
→移行期間を考えても1年以内に国税庁から都道府県に移行すべき。その際、経過措置を取らずに国税庁から都道府県にダイレクトに移管すべき。
→移管に際しては都道府県の自治事務とするべき。

※(1)認定の窓口が増えることと、(2)認定NPO法人の相談が税務相談でなくなるため、地域のNPO支援センターが相談に対応できることを実現する改正です。

2.新しい認定基準として、「3000円以上の寄付者が100人以上」などの絶対値での基準の導入について
・都会であればハードルは低いかもしれないが、地方部では高いハードルとなるのではないか。
→家計調査による世帯当たりの年間寄付額をもとに算出した値。
→公益を担うNPO法人としての努力目標という意味も含めて、この程度のハードルは設定すべき。
→市民公益税制PTの中間報告では、都道府県ならびに市区町村が独自の条例で税制優遇を受けられる法人を指定する、という仕組みも提案されている。それとセットで検討すべき。この基準が高すぎると考える自治体は、条例によってハードルを下げることが可能。
→認定NPO法人の数×100人の支援者が新たに開拓される可能性を持った制度。新しい公共の趣旨に合致している。

※事業型NPO法人など寄付の比率の低いNPO法人であっても認定が受けられることを実現する改正です。

3.仮認定制度の導入について
→罰則について検討されているが、「新しい公共」円卓会議でも検討されていた通り、「3年間再申請ができない」などの内容とすべき。
→事後チェックを強化するために、インターネットを活用すべき。またそのためにNPO法人に新たな負担をかけないような仕組みを検討すべき。

※設立間もない団体であっても、寄付金を集めやすくし、立ち上げ期の組織基盤強化を進めることを狙った改正です。認定要件を低くする代わりに、一定期間で必要な要件に満たなかった場合のペナルティが検討されています。

4.制度改正の時期について
→2011(H23)年4月から実施すべき
→仮認定、認定主体の都道府県への移管は遅くても2012(H24)年4月からとすべき

5.認定NPO法人制度の根拠について、租税特別措置法からNPO法に移す件について
→認定NPO法人制度については、租税特別措置法ではなく、NPO法本文に書き込むべきである
→ただし、認定NPO法人制度の改正が実現することが第一。法律改正のために時間が必要なのであれば、今年度に関しては租税特別措置法のままであってもやむなし。

※(1)定常的な法律に位置付けることで制度が安定すること、(2)認定NPO法人の相談が税務相談でなくなるため、地域のNPO支援センターが相談に対応できることを実現する改正です。

6.税額控除の対象について
・認定NPO法人以外、どこまで税額控除の対象とすべきか。
・5と関連して、他の非営利法人も含めた税制優遇のための新法を作ってはどうか。
→本来、非営利・公益法人の税制優遇は平等であるべき。
→ただし、現在は法人ごとに根拠法が違い、それぞれ税制優遇が設定されている。その上にさらに税制優遇のための法律を重ねることは制度を複雑にする。現段階では新しい制度設計は認定NPO法人に絞るべき。

7.その他
→認定NPO法人の特例の本則化について
(受入寄付金等総額/総収入>1/5や小規模法人用PSTなどの特例を本則化すること)
→年末調整での申告について
(寄付者が確定申告ではなく、年末調整で申告できるようにすること)
→認定NPO法人の改正については早期に実現すること


(写真提供:シーズ・市民活動を支える制度をつくる会

※2010/11/11 一部加筆修正しました。