まずは以下のQ&Aを読んで、Microsoft Dynamics CRMへの基本的なギモンを解消しましょう。ただMicrosoft Dynamics CRMに興味をもったとしても、その次に何をすればよいのか迷ってしまうかもしれません。そこで、Dynamics CRMの導入モデルフローとリソース一覧を用意しました。導入の流れの全体を把握していただけます。困ったとき、立ち止まってしまったとき、どういったサポートがあるのか、それらをどう活用できるのかをご覧いただけます。導入時の参考情報としてご利用ください。

 

Microsoft Dynamics CRM 基本Q&A集

 

Q:Dynamics CRMのCRMって何?

A:CRMとはCustomer Relationship Managementの略で、顧客関係管理のことです。ITを用いた顧客管理ツールとして企業などが使っています。非営利セクターではConstituent Relationship Managementとも呼ばれています。その手法はNPOでも会員拡大、ファンドレイズなどに活用できるものとして期待されています。たとえば、会員からの問合せ、イベント参加者の管理、物品の売買などのやり取りを一元管理することで、会員や支援者の情報を組織全体で共有・活用しやすくする基盤となり得ます。

 

Q:Dynamics CRMってどんなことができるの?

A:Dynamics CRMは会員や寄付者などの管理・分析を行えます。またこれから会員になる可能性がある潜在的顧客(会員)の情報を管理できます。名簿としての管理だけではなく、イベント参加者の管理や書籍・物販といった業務の中に組み込んで使用することで、誰といつどのような形でつながりができたのかといった一元管理された情報が自然とストックされます。こうしてたまった情報を集計・分析することで、属人化しがちな団体内の情報(=「知」)を「見える化」し、支援者拡大のために何をすべきか、といった戦略作りや振り返りの基礎情報として活用することが可能です。

 

Q:Dynamics CRMってどんな団体に適してるの?

A:例えば団体が以下のような状況になっている場合、Dynamics CRMを有効に活用できるかもしれません。

  • ・団体のイベント参加者のExcel名簿が増えてきて、どの人がどのイベントに参加したのかわからなくってしまっている。
  • ・過去のイベント参加者名簿が、他のイベント広報に活用されていない。
  • ・団体の活動に関心をもってくれた人たちにアプローチしきれていない。
  • ・あるスタッフがもっている情報が他のスタッフに共有または引き継がれていない。
  • ・会員情報やイベント参加者情報、物販情報がバラバラに存在してしまっている。

 

Microsoft Excelと比較するとDynamics CRMの特徴がよくわかると思います。

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目的の点から言っても、Microsoft Excelが個人単位での使用を前提とした計算であるのに対して、Dynamics CRMは組織での使用を前提とした関係する人・団体やその関係性(つながり・関わり)に関する大量データの蓄積や活用を目的としているといった違いがあります。そのため、

  • ・形式も目的もバラバラな情報を統合して蓄積できる
  • ・同時に複数のユーザーによる利用が可能
  • ・性能も高く何万件にもおよぶデータを高速に検索・抽出できる
  • ・業務上のニーズに即した機能が提供されている

といった特徴があります。

 

Q:他製品にはどういったものがあるの?

A:代表的なものでは、Salesforce.comがあります。主な違いは、 Dynamics CRM とExcelやOutlookとの連携がスムーズであること、画面のカスタマイズが容易であることなどが挙げられます。 Microsoft Dynamics CRMとの違いについては、比較セミナーが開催されていますので、こちらをご参考にしてみて下さい。

 

Q:製品にはどういった種類があるの?

A:オンライン版(クラウド型)とオンプレミス版(自社設置型)の2種類があります。前者は団体でサーバーを持つ必要がなく、どこからでもすぐに利用できるのが特徴です。MicrosoftからNPO 向け支援価格で購入することが可能です。後者はNPO向けソフトウェア寄贈プログラム「テックスープ」に登録後、わずかな手数料で入手でき、安価なイニシャルコストで導入できるのが特徴です。ただし、導入にはWindows ServerやSQL Serverなどが必要となります。

オンライン版
(クラウド型)
オンプレミス型
(自社設置型)
取得方法 Microsoft NPO向け支援価格(2013年7月1日時点 1 ユーザー: 月額 820 円)で購入可能 TechSoupJapanで寄贈可能
月額利用料 必要 不要
サーバ設置 不要 必要
特徴
  • ・導入時におけるサーバの準備や設定が不要。
  • ・拠点が離れていてもアクセスが可能
  • ・導入時におけるサーバの準備や設定が必要。
  • ・ユーザーが増えても対応しやすい

 

Q:導入にはどのくらいコストがかかるの?

A:導入には、Dynamics CRMのイニシャルコストとランニングコストがかかりますが、イニシャルコストに関しては自分たちだけで導入を考えるのか、一部または全部を外部に発注するかによって価格が変わってきますので、一概には言えません。そうした導入方法に応じてどの程度コストが変わるのかについては、最後にあります「導入パターン別リソース利用例」を参考下さい。

 

Q:製品に関する質問がある場合はどうしたらいい?

A:Microsoft Dynamicsの製品に関する質問や、製品説明依頼、資料請求などはこちらからお問い合わせ可能です。

 

Q:試してみることはできる?

A:30日間の無料トライアルをご利用いただくことが可能です。

 

Q:実際にどんなNPOが使っているの?

A:NPOの先進事例については、こちらをご覧ください。さらに詳しい事例紹介はこちら(日本NPOセンター、「育て上げ」ネットの事例集のリンク)をご覧ください。

 

Q:日本マイクロソフト社のサポートを受けられるの?

A:サポートは、①セミナー、ワークショップなどを開催していきます。②Onlineをご利用の場合はウェブフォームから技術サポートリクエストをあげることが可能です。1問1答形式で、技術的な質問に対して回答を受けることができます、③このほかオンラインフォーラムとよばれるコミュニティもあります。

 

Microsoft Dynamics CRMの導入検討についてはまず導入モデルフローを用意しましたので、そこで大まかな流れとポイントを把握してください。その後、導入時の段階に応じた各種サポートのリソースに関してまとめた、「導入フェーズ別リソース一覧」をご覧ください。

→「Microsoft Dynamics CRM」導入時のモデルフロー

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