事実を正確に把握し社会に訴えかけるために
ともしび・NPOスクール【調査の基本編】
活動を行う際、地域や社会の実態把握は必要不可欠です。実態を正確に把握することは、周囲の理解を広げ深める側面や課題を解決するための指標づくり、提案・提言、あるいは価値を創出する成果の指標など、あらゆる基礎的な部分と言っても過言ではありません。
そこで、あらためて社会調査の基礎知識や質的調査・量的調査の方法について学ぶ講座を開講します。
日 時
2025年12月 全3回
第1回:2025年12月4日(木)13:30~15:30
第2回:2025年12月11日(木)13:30~15:30
第3回:2025年12月18日(木)13:30~15:30
内 容
※予定。開会後から閉会前までの時間は目安です。
第1回 講義:2025年12月4日(木)13:30~15:30
「調査を設計する」
Yinという著名な社会学者は、「調査を始める前に時間とお金の80%を使え」という名言を残しています。調査は設計がすべてであり、設計が不十分であると、どのように熱心な回答が寄せられても、また、どのような分析をしても、深まりのある成果は得られません。
調査設計は職人芸でもあり、これでいいということは決してなく、当然のことながらこの数時間の講座でお伝えできることではありません。ここでは入門編として、講師が学生やNPO・ボランティアの活動家の皆さんとのお付き合いを通じて、ここがポイントだと考える事柄に絞ってお話しします。
受講生の皆さんに調査設計をしていただき、受講生が回答者となってデータセットを作成する、参加型のスタイルで進行します。
- 目的変数(=従属変数)とは何か
- 目的変数(=従属変数)を定めた調査設計
- 得られたデータを「データセット」としてファイルにおさめる
13:30 開会、事務局から趣旨説明
13:40 目的変数(従属変数)とは何か
14:10 他の受講生にききたいことは? アンケート調査を設計する
15:10 質疑応答
15:25 事務連絡
15:30 閉会
第2回 講義:2025年12月11日(木)13:30~15:30
「集めたデータを分析する」
初回の講義で実施した受講生アンケートをサンプルとしてデータの分析を行います。特にデータ分析の基本となる「きれいな単純集計」「きれいなクロス表」を作ることに主眼を置きます。本来、「きれいな単純集計を作る」だけで数か月を要し、「きれいなクロス表」を作成するためには目的変数の設定が重要で、この過程をマスターするために大学院生は1~2年の時間をかけるといいます。今回の講座ではその基礎について実践を通して学びます。
なお本来、データ分析には専門のソフトが使われることが多いのですが、非常に高額であるため、この講座ではExcelでできる限りの分析を試みます。(統計ソフトRを使用することがあります)
- 「きれいな」単純集計を作る
- 「きれいな」クロス表を作る
- 検定とは何か
13:30 開会・事務局から趣旨説明
13:40 須田先生より導入
13:50 集計の基礎についての実践(基本的にExcelを使用し単純集計、クロス表の作成)
*作成した表を共有していただきます。
14:30 検定とは何か:正しい検定方法の選択と解釈
15:05 質疑応答
15:25 事務連絡
15:30 閉会
第3回 講義:2025年12月18日(木)13:30~15:30
「自由記述を読み解く」
アンケート調査の多くに自由回答欄がありますが、それを存分に活用できているケースは稀です。それぞれの調査設計者の工夫と力量がここに現れ、こうすればよいという正解もありません。
この講義では、これまでに学んだデータ分析の結果をもとに自由回答を分類し、立体的な解釈を試みます。なお、このような自由回答の活用をするためには、どの統計分析との組み合わせで自由回答を分類するかについて、調査設計の段階で予め仕込んでおく必要があります。まことに、「調査設計がすべて」です。
- ポイントとなるクロス表を見極める
- クロス表をもとに自由回答を分類する
- 分類をもとに自由回答を「立体的に」解釈する
13:30 開会・事務局から趣旨説明
13:40 ポイントとなるクロス表を見極めて、自由回答を分類する
14:10 小グループに分かれて結果の解釈を行う
14:40 プレゼン
15:10 まとめ
15:25 事務連絡
15:30 閉会
講 師

須田 木綿子(すだ ゆうこ)さん
東洋大学 特任教授
東京大学大学院医学系研究科保健学博士課程2年次修了。博士(保健学)。専門は、非営利組織論、社会政策論、福祉社会学。2023年度は、同大学社会学科3~4年生を対象とする「社会調査および実習」という必修科目を担当し、日本NPOセンターが実施した「2022年度NPO支援センター実態調査」のデータを分析。著書に『組織理論入門―5つのパースペクティヴ―』「 社会的孤独・孤立の課題における市民活動支援組織の役割 エピソデイック・ボランティアの視点から」(ボランタリズム研究 第5号)など。
形 式
オンライン(zoom)
【講座のアーカイブ配信・資料について】
ともしび・NPOスクールは、録画された講座を好きな時間や場所で繰り返し視聴できるオンデマンド学習に対応しています。講座終了後、録画視聴および資料をインターネットでご覧いただけます。スクールの参加者限定で、共有期間は2025年度内です。
当日リアルタイムでの参加をおすすめしますが、復習や欠席の際にご活用ください。ただし、講義や話題提供の内容、分科会、対面形式の際など一部の共有ができない場合もあります。
対 象
地域や社会に向き合い、今後の団体や活動について考えたい人ならびに団体
- 活動分野や地域を超えて切磋琢磨する仲間が欲しい人
- 活動優先で、じっくり考える機会が十分になかった人
- 取り組みたいと思ってもどのようにすれば良いか分からない人
- スタッフやメンバーの研修機会を定期的に得たいNPOや市民活動団体
※特定非営利活動法人に限らず、法人格の有無や種類は問いません。
定 員
50名程度
※原則として先着順で受付し、定員となり次第で締め切ります。
※より研修成果を高めるため、団体内で複数人の参加をおすすめします。
参加形態と参加費
【テーマ別参加】
12,000円(税込み)(1テーマ各3回)
本テーマのみ参加いただく形態です。
【年間スクール参加】
22,000円(税込み)全テーマ参加可能(6テーマ各3回、全18回)
6テーマ全18回の「学びの場」をテーマ別参加費+10,000円で無制限に受講いただけます。過去の「学びの場」もアーカイブ視聴いただけます。2テーマ以上受講する方はこちらをお選びください。継続した学びとつながりを通して、次の一歩を踏み出しませんか? 1回あたりの参加費用は1,200円ほどとなります。ぜひ年間参加をご検討ください。
【団体スクール参加】
66,000円(税込み)全テーマ参加可能(6テーマ各3回、全18回)・各回3名まで
6テーマ全18回の「学びの場」を、各回3名まで受講いただけます。回ごとに団体内の違うメンバーの参加も可能で、「学びの場」のアーカイブ配信・資料は団体内で共有いただけます。リアルタイムでの参加は各回3人までご参加いただけ、スタッフやメンバーの研修機会を定期的に得たい場合は団体参加がおすすめです。
※団体スクール参加は、日本NPOセンター団体会員限定です。

申込み
専用ページからの申込み、事前支払い(クレジット・銀行振り込み)
※キャンセルに係る手数料はご負担いただく場合があります。
※お申込みの際にいただく個人情報は、当センター個人情報保護方針(https://www.jnpoc.ne.jp/?page_id=105)に基づいて適正に管理し、以下の用途で保管・使用します。日本NPOセンターは本セミナーの登壇者に、本研修を実施する目的の範囲で必要な申込者の個人情報を共有します。
- 本セミナー実施のために日本NPOセンター、その他本セミナーの実施に従事する関係者に共有する名簿の作成(記載項目:団体名・申込者名)
- 日本NPOセンターからの本セミナーに関するご案内
- 今後、日本NPOセンターが行う同種のセミナー等に関する各種ご案内等、日本NPOセンターからのお知らせ
主 催
認定特定非営利活動法人日本NPOセンター
お問い合わせ
特定非営利活動法人日本NPOセンター ともしび事務局
TEL: 03-3510-0855
問い合わせフォーム:https://www.jnpoc.ne.jp/tomocivi2025/contact/