【開催報告】NPO/NGOの組織基盤強化のためのワークショップ2023 in 大阪(2023年6月9日)

会場には大阪、兵庫の関西地域の団体から東北からの参加も

2023年6月9日(金)、市民活動スクエアCANVAS谷町(大阪府大阪市)で『NPO/NGOの組織基盤強化のためのワークショップ2023』が開催されました。本事業は認定特定非営利活動法人日本NPOセンターとパナソニック ホールディングス株式会社、社会福祉法人大阪ボランティア協会が共催し、会場には組織の基盤を考える30人とオンラインでもセミナーパートに106人が参加しました。

第一部のセミナーパートでは、パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社の東郷琴子さんから開会挨拶があり、日本NPOセンター事務局長の吉田建治が『組織基盤強化』に関する基本的な考え方を紹介しました。吉田は組織基盤を船に例え「目的地によって必要な船(組織基盤)は変わり、それぞれの組織に必要な基盤とその強化について考える機会にしてほしい」と説明。4つのポイントとして『ひと・ガバナンス・資金・ビジョン/ミッション』があり、『資金』と『ビジョン/ミッション』の解説をしました。

(左)フードバンク北九州ライフアゲイン原田さんの事例紹介
(右)Panasonic NPO/NGOサポートファンド for SDGsの紹介

続いて、認定特定非営利活動法人フードバンク北九州ライフアゲイン理事長の原田昌樹さんから組織基盤強化の事例を紹介いただきました。自身がリーダーとなって活動を始めた原田さんは、組織診断を通して直面した様々な組織課題の解決にはしっかりと事務局をつくることが大切だと気付き、Panasonic NPO/NGOサポートファンド for SDGsを活用して組織的な運営への転換を図りました。事務局体制の整備を行い、認定法人の取得やホームページのリニューアル、参加の輪が広がっていたボランティアや支援者に対し、組織で大切にしていることは何かを共有するための動画も作成しました。組織基盤強化後の変化として「代表の『私』がではなく、『みんな』がみんなで考え動く意識が組織でつくれた」と原田さんは語ってくださいました。

また、事例の紹介後、Panasonic NPO/NGOサポートファンド for SDGsについて紹介いただきました。お話いただいたパナソニック オペレーショナルエクセレンスの細村綾子さんは、助成の特徴として組織課題を分析する『組織診断』の実施や基盤強化を行う際に必ずNPO支援を行う第三者が関わる仕組みについても解説いただきました。

◆Panasonic NPO/NGOサポートファンドfor SDGs 2023年募集要項https://holdings.panasonic/jp/corporate/sustainability/citizenship/pnsf/npo_summary/2023_recruit.html

(左)ウィメンズネット・こうべ茂木さん
(右上)ワークの様子 (右下)ワークで挙がった質問

第二部のワークショップでは、組織基盤強化ストーリーとして認定特定非営利活動法人女性と子ども支援センターウィメンズネット・こうべ理事の茂木美知子さんに登壇いただきました。生きづらさを抱えた女性・シングルマザーと子どもたちの居場所WACCAの運営にかかわりながら組織基盤強化を担当し、世代交代を意識した取り組みをご紹介いただきました。高齢化や活動の継続について共通の危機感を持ち、伴走支援に入った第三者の存在があったことで、それぞれの立場や思いを尊重し合いながらベテラン・中堅・若手の世代ごとの役割を明確にして体制づくりを進められたことをお話してくださいました。Panasonic NPO/NGO サポートファンド for SDGsを活用した2年間での変化として「組織のメンバー同士でお互いの話を聴くこと、意見を交わす対話の機会を持てた」と最後に語ってくださいました。

参加者は、原田さんと茂木さんのお話を受け、グループで組織基盤強化において重要だと思ったポイントを共有しながら今後自組織で取り組みたいことについて考えました。「組織基盤強化に取り組む共通の問題意識を持つこと」「第三者が入って客観的に組織の課題を洗い出し分析すること」「組織をともにする仲間を改めて大切にすること」など活発な意見交換とともに、全体セッションでは登壇いただいた2人も交えて質疑応答を行いました。

<全体セッションで挙がった質問>

・(組織基盤強化に関する)アンケート調査の結果分析はどう行った?
・若い人が入ったことで組織はどう変わっていったのか?変えていったのか?
・どのように、すぐに合意形成を取れましたか?(組織基盤強化、第三者、世代交代)
・若いスタッフが入ることに抵抗はなかったか
・会議、コミュニケーションのとり方、どう変えた?(具体的に)
・コミュニケーションがうまくいくようになった分岐点は?
・ベテラン・中堅・若手の割合は?
・(茂木さんの組織で取り入れた)オープンダイアログについて
・組織診断を担当いただいたコンサルタント以外の専門家に依頼・相談したことは?IT支援など
・新たに助成金やクラウドファンディングをするときのスタッフ体制は?
・伴走者を「信頼できる」と思ったポイントは?
・団体の中にある風土はどのようなものがあり、どう変化したのか?

参加者からは

『事例として2例、組織のタイプやゲストの組織内でのお立場も異なったので、より理解が深まりました。ワークショップでさらにさまざまな視点から学びを共有でき、自団体ではどうしたらよいだろう?を具体的に考えることができました』
『分かりやすくお話しいただき参考になりました。事業運営を頑張ってきたけれど、積み荷が重い状態です。組織基盤に取り組む必要性を痛感しているタイミングでお聞きできてよかったです。助成金にも応募してみたいと思います。良い機会をありがとうございました』

などのご感想をいただきました。

(左)茂木さん、原田さんからのコメントの様子
(右)共催の大坂ボランティア協会永井さんの挨拶

ご参加いただいたみなさま、お忙しい中ありがとうございました。様々なNPO/NGOが組織基盤強化に取り組まれ、さらなる社会課題の解決や新たな価値創出につながるよう日本NPOセンターも取り組みを進めてまいります。