基礎知識・Q&A

Q&A

NPOに関するQ&A

I.NPOの基礎知識

QI-01 NPOってなに?

“NPO”は、“Nonprofit Organization”の略で、直訳すると「非営利組織」となりますが、意味を正確に伝えるためには、「民間非営利組織」と訳すのがよいでしょう。

  • 「民間」とは「政府の支配に属さないこと」
  • 「非営利」とは、利益をあげてはいけないという意味ではなく、「利益があがっても構成員に分配しないで、団体の活動目的を達成するための費用に充てること」
  • 「組織」とは、「社会に対して責任ある体制で継続的に存在する人の集まり」

と説明できます。

利益を得て配当することを目的とする組織である企業に対し、NPOは社会的な使命を達成することを目的にした組織であるといえます。

なお、日本 NPOセンターでは、その支援の対象とするNPOを「医療・福祉・環境・文化・芸術・スポーツ・まちづくり・国際協力・交流・人権・平和など、あらゆる分野の市民活動団体等の民間非営利組織で、民間の立場で活動するものであれば、法人格の有無や種類を問わない」と定めています。

QI-02 NGOとはちがうの?

基本的にはNPOと同様の意味を持つものといえますが、“NGO”は、“Non-governmental Organization”の略で、「非政府組織」となります。国連の場において、政府以外の関係組織を示すのに使っている言葉が広まったもので、国際的な活動をする団体によく用いられます。

日本では、特に国際協力や環境の分野の団体では NPOよりNGOのほうがよく用いられています。

営利を目的としないという点を重視したのがNPO、政府とは異なる市民の立場を重視したのがNGOといえるでしょう。

QI-03 NPOの社会的な役割とは?

ある社会的なサービスを提供するには、政府・自治体などが行おうとすれば広く多くの人の了解が必要です。また、企業は利益があがる見込みのないサービスを提供することは考えにくいものです。NPOとは、こうした政府・自治体や企業では扱いにくいニーズに対応する活動を自発的に行う組織です。

一方、制度の改革に取り組むなど、社会的な問題の解決に取り組んだり、新たな価値を創出するために活動する団体もあります。こうした活動も、NPOの重要な社会的な役割として欠かせないものです。

QI-04 NPOの範囲は?

特定非営利活動促進法がNPO法と略称で呼ばれているため、NPOはNPO法人格を取得した団体(特定非営利活動法人、通称NPO法人)のことと思われることが多いようです。

しかし一般にNPOという場合は、こうした狭い意味ではなく、法人格の有無や法人格の種類(NPO法人、公益社団法人・公益財団法人、社会福祉法人、協同組合など。時には実態としては非営利の活動を行う営利法人も含む)を問わず、民間の立場で、社会的なサービスを提供し、社会的な課題の解決や新たな価値の創出を目指す団体を指します。

NPOのうち、特に市民によって支えられているものを「市民活動団体」ということもあります。また、組織に関わる人のほとんどがボランティアで構成されている団体を「ボランティア団体」ということもあります。

QI-05 NPOとボランティアは同じもの?

ボランティアは個人の思いを、NPOは組織の社会的な役割を意識した言葉です。ボランティア活動は、よりよい社会づくりのために、個人が自ら進んで行う、金銭的な見返りを求めない活動ということができます。労働の対価を求めない代わりに、活動に関わる個人の自発性に重点が置かれます。個人単独で行うこともありますが、グループで行うもの、あるいはNPOや行政に関わって行うものなどがあります。

「ボランティア」が個人のスタンスを表す言葉であるのに対し、「NPO」は組織のスタンスを示す言葉であるといえます。社会的使命の達成のために活動をする組織であり、政府や企業とは異なった立場から社会的なサービスを提供し、社会的な課題の解決や新たな価値の創出を目指すものです。

QI-06 NPOとボランティアの関係は?

NPOと企業の組織構造は一見同じように見えますが、両者の最も大きな相違点は、多くのNPOにはボランティアがいることではないでしょうか。NPOとボランティアには、労働の対価によるつながりがない点で企業の運営とは全く異なります。

NPOの活動を活性化するためには、いろいろな人々がいろいろな関わり方をすることのできる環境づくりが求められますので、多様性を促進することが鍵といえるでしょう。そのためには、NPOは日頃から多様な人々が気軽に参加できる組織づくりに努める必要があります。

QI-07 NPOの数はどのくらいあるの?

NPOの数や活動の実態は、なかなか把握できないのが現状です。その理由としては、NPOという言葉の示す範囲が、人によって異なるからです。活動分野、法人種別、団体の財政規模など、NPOを示す指標はさまざまにあります。また、法人格を持たずに任意団体として活動している団体も少なくありません。公益社団法人・公益財団法人、社会福祉法人も広義にはNPO(民間非営利団体)と捉えることもできますし、どこまでをNPOというかは判断が難しいところです。

NPO法人の数は、2023年5月末で50,262法人あります(内閣府のホームページでは、各所轄庁に認証されたNPO法人数や認証申請数を公開しています。https://www.npo-homepage.go.jp)。公益社団法人・公益財団法人は2021年12月で合わせて9,640団体あります(内閣府令和3年「公益法人の概況及び公益認定等委員会の活動報告」概要)。ただし、これらの数字はあくまでもNPOの一部の数を示すもので、すべてのNPOの数を示すものではありません。

QI-08 NPOはどんな活動をしているの?

地域の高齢者のために食事をつくって届ける、里山を守り育てその活用を図る、町並みを保存する、在留外国人の支援や多文化共生に取り組む、子どもの虐待を防ぐなど、NPOの活動はさまざまにあります。活動の範囲は、特定の地域に限定したものから、全国、海外に及ぶものなど、団体によってさまざまです。

NPO法人に限っていえば、特定非営利活動が20分野に限定されていて[QII-06]、その種類を定款に記すことになっているため、全国的な統計がとれるようになりました。日本のNPOの活動実態を知るうえで、指標の一つとなっています。ただし、NPOの活動には、特定非営利活動だけでは表現しきれない多様な活動があります。

QI-09 NPO法人格はとったほうがいいの?

必ずしもすべての団体に法人格が必要とは限りません。ただし、団体が法人となれば、法的・社会的な位置づけが明確になり、代表者個人でなく団体として契約ができ、委託の主体となることもできて、対外的な信用はつくりやすくなります。その反面、規則に従った届け出や報告の手間と法人としての税務が生じます。

規模の小さい団体は、事務量の増加を考慮しながら、団体の目的達成手段としてのメリット・デメリットを整理して検討したほうがよいと思われます。

QI-10 法人になるメリットは?

法人になるメリットがあるかどうかは、その団体の性格によります。[QII-03] 団体が活動を続けていく中で、事務所を借りる、不動産を所有する、電話を引くなど、契約が必要になることがあります。任意団体ではその代表者などの個人が契約することになりますが、団体が法人格を持っていれば法人として契約できます。

たとえば、任意団体の場合、代表者が亡くなったら、団体のために個人名で開設した銀行口座の預金が個人の所有とみなされ、相続税を課せられるようなこともあります。その他にも、団体が契約主体になれないことによって、代表者個人にさまざまな責任がかかることがあります。

また、行政や企業などから委託事業を受ける場合に、法人であることが条件となることもあります。法人となることによって、組織体としての社会的な信用が得られるといえるでしょう。

過去には、非営利の法人格を持たずに海外で活動をしている団体が、国際会議に正式なメンバーとして参加できなかったり、営利法人の形をとっている芸術団体が公演を行う場合に、非営利法人が借りるときよりも高い会場使用料を支払わなければならない、などといった不都合がありました。

NPO法ができたことによって、これらの問題は解決できるようになったといえます。 NPO法人が活動実績をあげ、情報公開をきちんと行うことなどによって、社会的な評価が上がることが期待されます。

しかし、法人格の取得に伴う義務や各種の手続きが負担となる団体は、任意団体のまま自由に活動を続けていくほうがよいこともあります。また、金融機関から事業資金の融資を受けるには、株式会社や有限会社などの営利法人のほうが受けやすいということもあります。

まず、法人格が必要か否か、必要な場合にはどの法人格を取得することが適切かについて、団体内で十分に話し合うことが大切です。 NPO法人格の取得は、その選択肢の一つに過ぎないのです。[QII-03

II.NPO法とNPO税制に関する基礎知識

QII-01 NPO法ってどんな法律?

正式な名称を特定非営利活動促進法といい、1998年3月に成立し、同年12月に施行されました。特定非営利活動を行うことを主たる目的とした団体に、所轄庁の認証によってNPO法人(正式には特定非営利活動法人)という法人格を付与するのが、その主な内容です。2012年4月に改正され、特定非営利活動の分野が17から20に増えるとともに、税制優遇を与える認定NPO法人制度が大幅に改正されました。また、NPO法人会計基準が取り入れられました。その後も継続的に制度改正が行われています。

QII-02 NPO法はなぜできたの?

NPO法ができるまで、営利を目的としない団体が法人格を持つ場合には、当時の民法34条に定められた社団法人や財団法人などの公益法人になるのが一般的でした。しかし公益法人になるには、その活動内容が主務官庁の縦割りによって制限され、また財産などの設立要件が厳しいため、多くの市民活動団体が利用するには相応しくありませんでした。そのため、多くの団体は法人格のない任意団体のままであったり、特に営利を目的としないにもかかわらず株式会社や有限会社になったりしてきました。そこで、営利を目的としないことをはっきりさせ、しかも官庁による制約をできるだけ排除した自由度の高い非営利法人制度の必要性が、1990年頃から市民団体の間で訴えられるようになってきました。このような背景のもと、1995年の阪神・淡路大震災の後、国会議員や市民団体が協力して立法活動が具体化し、最終的には全会一致でNPO法が実現したのです。

NPO法のもともとの名称は市民活動促進法といい、実際にこの名称で一度は衆議院を通過したのですが、参議院での議論の中で現在の特定非営利活動促進法という名称に変わりました。しかし法自体は、市民活動団体が活用することを想定した内容になっています。

QII-03 どんな団体にも法人格が必要なの?

法人格は、団体が組織として不動産などの資産を保有したり、行政や企業などの法人と契約をするときに必要になるものです。法人格のない任意団体のままでも、資産を保有し契約を結ぶことは可能ですが、その場合は代表者個人の名で行うことになりますから、代表者に大きな負担がかかったり、代表者が交代するときに不便が生じたりします。ですから、そのような団体は法人格を持つほうがよいでしょう。しかし、現在も将来もそのようなことを必要としない団体には、法人格は必要ありません。法人格のメリットやデメリットについてよく聞かれますが、それは個々の団体の性格によって異なります。常勤者のいない小さな団体では、法人化に伴う事務が大きな負担になってデメリットと考えられることも、多額の金銭を扱う大きな団体の場合は、そのような事務を行うことによって事務処理能力や経営能力が身につき、社会的な信用も得られるというメリットにつながります。

なお法人化する場合も、NPO法人だけに限らず、いろいろな法人格の選択肢が考えられます。非営利ということにこだわらなければ株式会社のような形もあります。一般社団法人・一般財団法人、社会福祉法人、学校法人、医療法人、協同組合なども含めて、それぞれの団体の特徴を考えながら、その団体にとって最もふさわしい法人格を検討するとよいでしょう。

QII-04 NPO法人を設立するにはどうすればいいの?

NPO法人を設立するためには、一定の書類を揃えて所轄庁に申請する必要があります。所轄庁は、その団体の活動分野や活動地域とは関係なく、団体の事務所の所在地によって決まります。事務所が1つの都道府県もしくは指定都市にあればその都道府県の知事もしくは指定都市の長が、2つ以上の都道府県もしくは指定都市にあれば主たる事務所のある都道府県の知事もしくは指定都市の長が所轄庁になります。NPO法人を設立する場合には、まず各都道府県や指定都市のNPO法人認証担当窓口に問い合わせ、法人設立のためのガイドブックや手引書を入手しましょう。所轄庁では事前相談も受け付けていますので、それを活用するのもよいでしょう。なお、民間からもさまざまなハンドブックや解説書が出ていますので、それらを参考にすることもお勧めします。

NPO法人の設立手順が理解でき、実際に設立することになったら、設立総会を開催します。この総会で、具体的な法人の内容を決定し、設立時の役員を決め、定款などの設立申請に必要な書類の承認を得ます。

申請に必要な書類を揃えて所轄庁に提出すると、所轄庁は提出された書類を受理した日から2週間一般の縦覧に供します。その後認証要件を満たしているかどうか審査し、縦覧が終わった後2ヶ月以内に認証または不認証の決定をし、文書で申請者に知らせます。

なお、設立にあたっては、資本金や基本財産などの当初資金は必要としません。

QII-05 NPO法人になるための条件は?

NPO法人になれる団体は、[QII-06]の特定非営利活動を行うことを主たる目的とし、次の要件を満たすことが必要です。

  1. 営利を目的としないこと(利益があがってもそれを構成員で分配せず、また解散時にはその財産を国等に寄付する)
  2. 社員(総会で議決権を持つ正会員のこと)の資格の得喪(入会したり退会すること)に関して、不当な条件を付さないこと
  3. 10人以上の社員がいること
  4. 役員として3人以上の理事と1人以上の監事がいること
  5. 役員のうち報酬を受ける者の数が、役員総数の3分の1以下であること
  6. 宗教活動や政治活動を主たる目的にしないこと
  7. 特定の公職者(候補者を含む)又は政党を推薦、支持、反対することを目的としないこと
  8. 暴力団でないこと、暴力団又は暴力団員の統制の下にある団体でないこと
QII-06 特定非営利活動ってなに?

特定非営利活動とは、次の20分野の活動で不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とするものをいいます。

  1. 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
  2. 社会教育の推進を図る活動
  3. まちづくりの推進を図る活動
  4. 観光の振興を図る活動
  5. 農村漁村又は中山間地域の振興を図る活動
  6. 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
  7. 環境の保全を図る活動
  8. 災害救援活動
  9. 地域安全活動
  10. 人権の擁護又は平和の推進を図る活動
  11. 国際協力の活動
  12. 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
  13. 子どもの健全育成を図る活動
  14. 情報化社会の発展を図る活動
  15. 科学技術の振興を図る活動
  16. 経済活動の活性化を図る活動
  17. 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
  18. 消費者の保護を図る活動
  19. 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
  20. 前各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動
QII-07 NPO法人は特定非営利活動以外はやってはいけないの?

NPO法人は、特定非営利活動を行うことを主たる目的としなければいけませんが、定款の定めによって「その他の事業」を行うこともできます。その場合には、会計を特定非営利活動の事業と区分しなければなりません。「その他の事業」には、収益を目的とした事業を含むこともできます。しかし「その他の事業」は、その団体のミッション(社会的使命)の実現にとって必要不可欠なものに限って行うのがよいと思います。

QII-08 NPO法人の設立後にしなければならないことは?

所轄庁から認証がおりれば、2週間以内に主たる事務所の所在地で登記をしなければなりません。従たる事務所がある場合には、その所在地についても、主たる事務所の所在地で登記する必要があります。登記事項や登記に必要な書類等については、管轄の法務局にお問い合わせください。

従業員を雇う場合には、一般企業と同様、就業関係の手続きを行うとともに、労災保険は労働基準監督署で、雇用保険は公共職業安定所で、健康保険や厚生年金保険は社会保険事務所で、それぞれの届出をする必要があります。

税法上の収益事業を行う場合には、管轄の税務署にその届けをし、その所得に対して、法人税を納めなければなりません。また収益事業の有無にかかわらず、都道府県や市町村には法人住民税(均等割り)を納めることになっています。しかし多くの自治体には、収益事業を行わないなどの一定の条件のもとにこれを免除する規定がありますので、よく確認してください。

NPO法人は、設立後毎年、事業報告書や活動計算書などを所轄庁に提出して情報公開をしなければなりません。

QII-09 NPO法人の情報公開は必要なの?

NPO法は、法人制度で初めて情報公開を規定した点でも画期的でした。NPO法ができるまでの法人制度では、役所が事業計画・事業報告や予算・決算を監督するという建前から、情報公開については規定していませんでした。しかしNPO法人については、情報公開によって市民の信頼を得て、市民によって育てられるべきであるとの考え方から、広範な情報公開制度を採用しています。

情報公開としては、2つの方法が義務づけられています。1つは、毎年年度終了後3ヶ月以内に、[QII-10]に示す書類を所轄庁に提出し、所轄庁はこれを一般の閲覧に供するというものです。2つ目の情報公開の方法は、所轄庁に提出した書類の写しを各 NPO法人の事務所に備えおき、利害関係者から請求があれば閲覧に供するというものです。

法律的にはこのような情報公開が義務づけられていますが、一般にはなかなか利用しにくいのが現状です。そのため、より多くの人がより簡便に利用できる情報公開の方法が必要と考え、日本 NPOセンターは NPO法人データベースサイト「NPOヒロバ」を運営しています。サイトに寄せられるNPO法人の情報公開は、必ずしもいまだ十分なものとはいえませんが、今後さらに多くのNPO法人が詳しい情報を提供することによって、より充実した情報公開が進展することと思います。

QII-10 情報公開しなければならない書類は?

QII-09]で説明した情報公開が義務づけられている書類は、次の通りです。

情報公開すべき書類

  1. 事業報告書等(事業報告書、財産目録、貸借対照表及び活動計算書、年間役員名簿、社員名簿)
  2. 役員名簿(最新のもの)
  3. 定款等(定款、認証書及び登記に関する書類の写し)
QII-11 NPO法人も税金を納めるの?

法人になると、一定の納税の義務が課せられます。ここでは一部のみ簡単に説明しますので、詳細は専門家にご相談ください。

国税である法人税については、原則非課税となっていますが、法人税法に規定された収益事業を行う場合には、その収益事業からの所得に対して、企業と同じ税率で法人税を納めなければなりません。

地方税については、この収益事業からの所得に対して課税される他、収益事業の有無や所得の有無にかかわらず住民税の均等割りが課せられます。しかし多くの自治体では、法人税法上の収益事業を行わないなどの一定の条件のもとに、これを免除する規定を定めています。

税制上の手続きは、国税なら税務署に、地方税なら都道府県税事務所に必要書類を提出して行います。

QII-12 法人税法上の収益事業ってなに?

法人税法施行令第5条に定められた下記の34業種の事業で、継続して事業場を設けて営まれるものをいいます。

物品販売業、不動産販売業、金銭貸付業、物品貸付業、不動産貸付業、製造業、通信業、運送業、倉庫業、請負業、印刷業、出版業、写真業、席貸業、旅館業、料理店業その他の飲食店業、周旋業、代理業、仲立業、問屋業、鉱業、土石採取業、浴場業、理容業、美容業、興行業、遊技所業、遊覧所業、医療保健業、技芸教授業、駐車場業、信用保証業、無体財産権の提供業、労働者派遣業

これらの事業をNPO法人が行う場合には、たとえそれがNPO法における本来事業であっても、法人税の課税対象になります。自治体からの委託事業は請負業に、介護保険事業は医療保健業に該当します。NPO法人が対価を得て行う事業は、ほとんど上記業種に含まれるようですが、一時的に行う事業は該当しません。

なお、税務署の裁量で判断が異なるケースがありますので、どのような場合が収益事業になるのかについて理解しておくことが必要です。

QII-13 NPO法人に寄付をすると税が優遇されるの?

個人や企業がNPO法人に寄付をしても、税制上の優遇措置はありません。しかし認定NPO法人(認定特定非営利活動法人)となった団体に寄付をすると、次のような税優遇があります([QII-14]参照。詳しい算定式などについては、内閣府のNPOホームページを参照)。

  1. 個人が寄付した場合は、一定限度内で寄付金額に応じた所得控除もしくは税額控除が得られる。
  2. 企業が寄付した場合は、一定限度内で寄付金額に応じた損金算入 (経費処理)が認められる。
  3. 個人が相続財産を寄付した場合は、その寄付分が課税対象外になる。
  4. 当該認定NPO法人がその収益事業所得を非収益事業に充てた場合(みなし寄付金という)は、一定限度内でその金額に応じた損金算入が認められる。
  5. 個人が現物資産(土地、建物、株式など)を寄付した場合、一定の要件を満たすとみなし譲渡所得税が非課税となる。
QII-14 認定NPO法人になるための条件は?

「認定NPO法人」になるには、以下の要件を満たすことが必要です。

<認定NPO法人の要件>

  1. パブリック・サポートテストをクリアすること
  2. 共益的な活動が50%未満であること
  3. 運営組織及び経理が適正であること
  4. 事業活動が適正であること
  5. 事業報告書等が公開されていること
  6. 毎年の所轄庁への書類提出がなされていること
  7. 法令違反、公益に反する事実等がないこと
  8. 所轄庁から法令に違反していない旨の証明書を交付されること
  9. 設立日以降1年を超え、2事業年度の実績があること

パブリック・サポートテストは3種類あります。

A.相対値基準
実績判定期間内における総収入に占める寄付の割合が5分の1以上であること

B.絶対値基準
実績判定期間内の各事業年度中の寄付金の総額が3,000円以上である寄付者の数の合計数が年平均100人以上であること

C.条例個別指定基準
都道府県または市区町村が、個人住民税の寄付金税額控除の対象として条例により個別に指定した特定非営利活動法人であること

※実績判定期間は、初回の認定申請の際は2年、2回目以降の申請の場合は5年。

設立5年以内のNPO法人は、「特例認定制度」も活用できます。この制度はパブリック・サポートテストをクリアしていなくても、他の要件を満たしていれば特例認定を与えられるというものです。1回に限り適用されます。有効期間は特例認定の日から3年となります。

QII-15 NPO法人・認定NPO法人と公益法人などとの税制上のちがいは?

NPO法人や認定NPO法人の税制上の措置を、一般法人・公益法人、あるいはその他の非営利の法人と比較すると、下図のようになります。NPO法人は任意団体や非営利型一般法人と同じ収益事業課税の扱いとなり、認定NPO法人は寄付金控除が得られるということで新しい公益法人や従来の特定公益増進法人(社会福祉法人・学校法人も含む)と同じ扱いになりますが、軽減税率や利子等非課税が適用されない点で、優遇の度合いが低くなっています。

課税措置法人の種類収益事業課税の適用*1軽減税率の適用*2みなし寄付金の適用*3利子等非課税の適用*4寄付金控除の適用*5
公益法人
非営利型一般法人*6
その他の一般法人
NPO法人
認定NPO法人
社会福祉法人・学校法人
普通法人(企業)
NPO法人や公益法人などの課税措置の比較

*1 収益事業課税:法人税法上の34業種の収益事業のみに課税(寄付金や助成金には課税しない)。適用なしは全所得課税(原則課税)=すべての所得に課税(寄付金や助成金にも課税)
*2 軽減税率:所得の22%を課税
適用なしは普通税率=所得の30%(ただし800万円以下の部分は22%)
*3 みなし寄付金:収益事業所得から公益目的事業に支出した額を寄付=損金とみなして課税所得から控除する仕組み。
*4 利子等非課税:利子等に係わる源泉所得税(利子等の20%)を非課税
*5 寄付金控除:適用法人に寄付を行った場合、個人では所得金額の50%までを課税所得控除、認定NPO法人、要件を満たした公益法人・社会福祉法人・学校法人では最大50%までを税額控除できる。企業等の法人では一般寄付枠とは別に特別損金算入限度額までを経費扱いで損金算入できる。
*6 非営利型一般法人:一般法人のうち、①余剰金の分配を行わない旨が定款において定められている、 ②会員に共通する利益を図る活動を行うことを主たる目的としている、等の要件に該当するものに対する税制上の通称。

III.NPOを運営していくために

QIII-01 まず何から始めればいいの?

これから始めようとする活動や事業の周辺情報を、できるだけ多く集めることが必要です。そして、これから行おうとする活動について協力してくれる人たちとよく話し合いましょう。

その過程で「団体の目的」「目的達成のために行うべき活動」「活動を推進するために必要な人材、資金、場所、設備の検討」などを明確にしていきましょう。それらをメンバーで共有することも重要です。また、規約や定款、会則などが必要になることもあるでしょう。

活動を始めて一定期間が過ぎたら、活動内容を関係者に報告したり、それまでに行ってきた活動を見直すなど、活動の成果や課題を確認することも大切です。

QIII-02 NPOの運営に携わる人はどんな人?

まず、運営責任を持つ役員がいます。NPO(NPO法人も含む)では、役員(理事や監事など)が無給であることが一般的であり、NPO法では役員で報酬を受けることができるのは役員総数の3分の1以下とされています。企業のように、すべての役員が報酬を受けることはありません。

日常的な運営は事務所に従事しているスタッフが行います。スタッフは一般に有給ですが、無給のボランティアのこともあります。それぞれ常勤、非常勤のケースが考えられます。その他、イベントの企画立案や実施に際し、スタッフとともに活動を推進するボランティアや、一時的に事務局業務に携わるボランティアもいます。

関わっている人の多くが無償である団体をボランティア団体ということもあります。また、役員以外にはボランティアの全くいない団体もあります。活動の種類や規模によって、運営を担う人は異なります。

また、組織の活動趣旨に賛同して、金銭や物品を寄付してくれる人、活動の場所を提供してくれる協力者、専門的な知識をもってアドバイスをする人も、NPOにとっては大切な存在です。

QIII-03 NPOには有給スタッフがいるの?

NPOの非営利性とは、組織として得た利益を関係者に分配しないということで、人件費を支払ってはいけないということではありません。継続的に活動を行ったり、組織を維持するためには、むしろスタッフに給料を払うなどして、人材を確保することが重要となるでしょう。

QIII-04 組織の意思決定はだれが行うの?

NPO法人の場合、基本的には社員(総会で議決権を持つ会員、いわゆる正会員)で構成される社員総会が最高の意思決定機関となります。

通常は、総会で選出された理事によって構成される理事会で主要な事項を決定します。別に運営委員会や活動部門ごとに委員会を置いて事業を展開し、理事会や総会に報告して、承認を得るといった方法もあります。

組織の規模や活動内容に応じて、ふさわしい運営方法はどういうものかを、きちんと話し合って決めることが大切です。

QIII-05 社員(正会員)の役割ってなに?

NPO法人の場合、社員には、社員総会で議決する役割があります。その社員のことを一般的に正会員といいます。会社に勤務する人(会社員)やNPOの有給スタッフという意味ではありません。

その他の役割としては、「会費を納める」「法人に対して支援・賛同をする」「活動に積極的に参加する」「サービスの提供もしくはサービスを受ける」など、団体によってその役割や性格はさまざまです。

QIII-06 正会員の他にどんな会員があるの?

賛助会員・購読会員・利用会員・ファミリー会員・維持会員など、正会員の他に、さまざまな種類の会員を置いても構いません。

NPO法人の場合、定款で定めなければならないのは、総会で議決権を有する社員、いわゆる「正会員」だけです。それ以外の会員をすべて定款に定めても構いませんが、柔軟性を持たせるには、別の会員規則に委ねるのがよいでしょう。

QIII-07 活動資金はどうやって集めるの?

NPOの主たる収入としては、①会費収入や(継続的)寄付金収入、②自主事業収入、③補助金・助成金収入や(一時的)寄付金収入、④受託事業収入、が挙げられます。このように、企業と比べて収入源が多様なことがNPOの特徴の一つであり、お金をいかに効率よく活用するかがNPOの知恵の見せどころといえます。したがって、団体が活動していくために、どのくらいの資金が必要か、どのような調達方法が団体に適しているかを検討することが大切です。

そのためには、財源の特徴を知ることが重要です。たとえば、①や②は自前で調達する「内部性の財源」、③や④は外部から調達する「外部性の財源」といえます。また、①と③の財源は支援性の要素が強く自由度の高い資金であり、②と④の財源は対価を伴って行う対価性の資金といえます。これらがバランスよく獲得できれば、財政的には理想的ですが、現実には、NPO側の資金ニーズと資金提供側の仕組みや考え方などが容易に合致せず、結果として、どれかの財源に偏った構造となってしまいがちです。

まずは、内部性の財源を充実し、財政基盤をある程度確立したうえで、さらなる成長を目指して外部性の財源に挑戦するなど、資金調達のあり方を戦略的に考えていくことが大事でしょう。詳しくは、『知っておきたいNPOのこと2<資金編・新版>』をご覧ください。

QIII-08 活動を多くの人に知ってもらうには?

多くの人の協力を得るには、広報活動は欠かせません。どんなに素晴らしい活動を行っていても、その情報が多くの人に届かなければ意味がありません。広報の方法によっては、会員やイベントの参加者を増やすことができたり、活動への協力者や寄付者を増やすことができるかもしれません。広報の方法には、パンフレットの作成、機関誌やミニコミ誌の発行、ポスターやチラシの作成などがあります。また、ホームページやSNSによる情報提供や情報発信などは数多く行われていますが、プレスリリースによりマスメディアを通じた情報発信を行うことも有効な手段といえるでしょう。

メンバーの特性や能力、組織の予算などに応じて、効果的な広報のしかたを検討しましょう。

QIII-09 NPOが安定した活動を続けるためにはどうしたらいいの?

NPOが公益性のある活動を継続的に行うためには、一定の社会的な責任が伴うことを理解しておくことが重要です。

まずは、組織や運営に関する基本的なルールが記載された定款や規約を定めておくことが必須となります。次に、毎年度の事業計画と予算を作成し、それに沿って事業に計画的に取り組み、年度の終了時には事業報告と決算を作成し、それを次の年度の活動に活かしていくことを考えましょう。なお、活動の中で発生する財産の取得や管理については、メンバー個人と組織のものとを明確に区分しておく必要があります。

また、活動の安定性や継続性、組織力の向上を図るためには、社会規範やモラル、法令遵守(コンプライアンス)が強く求められます。そのためには、事故や不祥事が起きない健全な運営の仕組み(ガバナンス)を構築しておくことが重要です。このような取り組みを通し社会的な信用を得て、さらなる活動の発展を目指すことが大切です。

QIII-10 NPOの運営は企業の経営とちがうの?

NPOの運営は、企業の経営と共通する点も多いようです。ニーズの把握、マーケティング調査、商品開発、販売促進、資金調達や回収、スタッフの管理など、会社経営の考え方から得られるヒントはたくさんあります。ただし、企業の経営と異なるのは、収益をあげることを目的としていないこと、ボランティアや寄付者など、組織の外からの協力者が求められること、お金を集める手段が多様なこと(サービスの提供による対価だけでなく、会費・寄付金などがある)などが挙げられます。

QIII-11 助成金に関する情報を得るには?

NPOを対象とした助成金や補助金については、行政や助成財団、企業などがさまざまなメニューを提供しています。これらの助成金や補助金については、助成財団センターや各地のNPO支援センターが情報提供を行っていますので、まずは自分たちの活動内容や企画に合ったメニューを探すことから始めてみましょう。そして、適切な助成プログラムが見つかれば応募をしてみましょう。

QIII-12 NPO支援センターとは?

NPO支援センターは、設置形態(公設や民設、公営や民営)や名称が異なりますが、全国約500ヶ所に設置されていて、各種講座の開催や他セクターとの連携推進、NPO支援施策への働きかけなど、地域のニーズに合わせたNPO支援を行っています。

日本NPOセンターでは、①(個人ではなく)NPOの組織支援を主としている、②常設の拠点がある、③NPOの組織相談に対応できるスタッフが常勤している、④分野を限定せずに支援をしている、という条件に当てはまる団体・拠点で掲載を希望されているNPO支援センターについて、ホームページ(NPO支援センター一覧)で紹介しています。

IV.他セクターとの協働のために

QIV-01 協働ってなに?

協働とは、「異種・異質の組織」が、「共通の社会的な目的」を果たすために、「それぞれのリソース(資源や特性)」を持ち寄り、「対等の立場」で「協力して共に働く」こと、と日本NPOセンターでは定義しています。

NPOの協働の相手としては、行政や企業などがありますが、これらとの協働は、それぞれの立場や違いを理解し、尊重し合うことから始まります。その時に気をつけなければならないことは、NPOは行政や企業の補完的な役割としてではなく、自律性や自立性を保ちながら対等な立場で関わることです。加えて、協働の目的は何かが明確にされ、お互いにその目的を共有していることも重要なポイントです。

協働は、それぞれが単独で行うよりも、協力して取り組んだほうがよりうまくいくと考えたときになされるもので、その方法は一つではなく、互いの持ち味を活かせる、さまざまな協働のあり方を模索することが望まれます。

すべてのNPOが行政や企業と協働する必要はなく、NPOが独自に実施したほうが望ましいこともあります。

QIV-02 協働は組織同士でないとできないの?

協働は、[QIV-01]でも示したように、異なる組織が共通の社会目的を果たすために協力して働くことであり、その担い手は、組織同士であることが基本です。これに対し、個人として市民の立場で行政の施策や企業の活動などに関わり、市民の意見を反映させながら施策や事業をつくり上げていくものは、「参加」といったらよいでしょう。

協働をする場合、必ずしも法人格が必要とは限りませんが、行政や企業から委託事業を受ける場合には、法人であることが条件となることもあります。その理由の一つとして、団体がそのまま契約主体となり得るため、代表者個人が契約主体とならざるを得ない任意団体よりも、団体としての責任の所在が明確になるということが挙げられます。

しかし、法人格の有無にかかわらず、お互いが組織としての責任を自覚して、対等な信頼関係のうえに目的を達成していこうという姿勢がまず重要です。

QIV-03 どんな分野で協働が行われているの?

行政との協働では、介護・移送・配食サービスなどの保健・医療・福祉分野、公共施設や公園などの管理運営をするまちづくり分野、NPO支援の分野などで行われています。企業との協働では、環境分野や芸術分野があります。行政、企業、NPOそれぞれの特長を活かした協働が盛んに行われ始めている他、さまざまな新しい取り組みも、各地で試みられています。

QIV-04 協働するための情報はどこから手に入れたらいいの?

多くの自治体ではNPOとの協働を重要な行政施策と位置づけていますが、こうした自治体では協働を推進する担当部署を設置するとともに、ホームページなどで協働に関する情報を提供しています。

企業との協働の情報については、地域の経済団体などで紹介されていることもありますが、大手の企業などではホームページで活動を紹介しています(WEBサイト「NPOヒロバ」の『企業CSR・社会貢献活動』でも紹介しています)。

QIV-05 行政との協働にはどんなものがあるの?

行政との協働には、広くとらえると、大きく3つのケースが考えられます。1つは「共催」や「共同運営」です。イベントや講座の開催など、NPOと行政が対等な関係で、共同で事業を行うもので、NPOがそのネットワークを活かしてアイディアやボランティアを、行政が資金や場所を提供するといった関係です。

次に「補助」や「助成」などです。ある特定の活動をNPOの主体性によって行う場合に、その費用の一部を公的な資金で支援するもので、一般財源で行う他、条例による基金、公益信託の設定によるものなどがあります。

「委託」も協働の範囲として入れる場合があります。これは行政が基本的な予算や枠組みを決めてNPOに事業や調査を委託するものですが、最近では、企画の段階からNPOの意見を取り入れるケースも出てきました。たとえば、NPOの強化に関する講座の実施、市民活動団体に関する調査研究、リサイクル事業の推進、市民が利用する施設の運営などが挙げられます。また、指定管理制度を協働として位置づけている自治体も少なくありません。

いずれも、連携が癒着の関係にならないように、情報公開の仕組みを取り入れたり、事業ごとにきちんと成果を確認したり、一定の期間で関係を見直すことが必要です。

QIV-06 協働するために行政側でやるべきことは?

従来の行政施策の中で試行錯誤しながら協働することも可能ですが、よりよい協働のためには、一定の理念を明らかにし、誰にでもわかる形でルールを定めておくことが重要です。

そのため、多くの自治体では行政内部の文書として「協働の指針」や「協働の推進方針」などを策定しています。しかし協働を恒久的な政策として重視するなら、議会の議論を通じて「協働推進条例」のようなものを制定することが適切です。これらの指針や条例の作成にあたっては、市民参加によって、市民あるいは市民活動団体と行政側との十分な意思疎通と共通理解を深めることが求められます。そのためのフォーラムやワークショップなどの場をNPOと行政の協働によって実施することも、その後のためには効果的でしょう。

QIV-07 企業との協働にはどんなものがあるの?

企業の社会貢献活動は、当初はNPOへの寄付や製品提供などが多く見られましたが、CSR(Corporate Social Responsibility=企業の社会的責任)やSDGsという考え方が広がるにつれて、企業からNPOへの一方通行の関わりから企業活動にNPOのノウハウを活かすような双方向に関わりを持った事例が数多く生まれています。

イベントの開催や従業員向けのボランティア啓発パンフレットの作成、環境に配慮した商品の開発や企業の社会・環境報告書の作成、NPOに対する金融商品の開発など、NPOが企画の段階から関わり、成果を出してきているものもあります。

一方、NPOが企業に対して提言したり、第三者的な立場で評価したり、批判的なコメントをしていくことも、社会的には重要な意味があります。

QIV-08 企業とNPOの協働と従業員のボランティア活動の関係は?

企業との協働の場合は、協働する企業の従業員自らが企業の休暇・休職制度によってNPOの事業にボランタリーな立場で参加するケースがあります(従業員が全く個人の立場で参加する場合は企業との協働とは呼ばないほうがよいでしょう)。また、企業が従業員の参加の機会をつくるためにNPOとの協働を積極的に進めるなど、さまざまなプログラムが行われています。

QIV-09 助成財団との協働ってどんなもの?

助成財団とNPOの関係は一般的に、NPOの応募に対して財団が選考し助成するという形をとりますが、単にNPOの事業に対する資金的支援をするといった関係だけではありません。財団自体もテーマを掲げ、それと合致した事業に対して資金的助成をする一方で、財団独自のテーマ(実験的テーマ)に取り組むためにNPOとともに事業を企画して実施することもあります。その場合には、NPOとの協働といってよいでしょう。具体的には財団とNPOの協働により、新たなNPOの人材育成を実施したり、同じテーマで取り組む複数のNPOに対して、財団が仲介して新たなネットワークを誕生させて新規の事業を立ち上げ、それに対して助成するなど、さまざまな方法が考えられます。

QIV-10 地縁型住民組織との協働ってどんなもの?

地縁型住民組織というのは、町内会、自治会、あるいはそれをベースにしたさまざまな組織で、行政上の区域や範囲内で住民の相互扶助や自治的な活動を行う組織を指します。コミュニティ組織と呼ぶこともあります。

一方、NPOは、規模の大小はあるものの、行政上の区域に限定されない組織で、参加は基本的に個人の自由であり、また活動内容や地域も自由に決めることができます。

したがって、この2つの違った特性を持つ組織同士は、時に緊張関係や競合関係を生むことがありますが、同一エリアで同じような活動を行う場合、たとえば、地域の高齢者の見守りや子育て活動、地域環境の整備や災害救援活動などに取り組む場合には、よい協働の関係が必要となってきます。そのためには、それぞれの組織が持つ特長を認識し合い、それぞれの得意とする活動やテーマについて知り、それぞれの特性が活きる仕組みを整備することが大切です。

V.公益法人制度について

QV-01 公益法人制度ってどんな制度?

1896年制定の民法に基づく旧公益法人制度では、法人設立の主務官庁制・許可主義のもとで、法人の設立と公益性の判断が一体となっていました。また、行政の恣意的な判断による設立に加えて、既得権益化、癒着、不適切な補助金や天下りなどといった問題点も指摘されていました。そのために、1990年代の半ばから行政改革の議論とも接続しつつ、公益法人制度改革が徐々に進められてきました。

新しい公益法人制度では「民による公益の増進」を目的として、主務官庁制・許可主義を廃止し、法人の設立と公益性の判断を分離する公益法人制度改革関連三法が2008年12月に施行されました。それにより 「一般法人」が創設されましたが、一般法人には社団と財団の法人類型があります。一般法人は行政庁における認定機関による公益認定を受けることにより、公益法人となり、税制上の優遇措置等が受けられるといった制度に大きく変わりました。

QV-02 一般社団法人・一般財団法人を設立するにはどうすればいいの?

公益法人制度改革により創設された一般社団法人・一般財団法人は、余剰金の分配を目的としない社団または財団について、その行う事業の公益性の有無にかかわらず、準則主義により簡便に法人格を取得できる一般的な法人制度です。

法人の自律的なガバナンスを前提に、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律において、法人の組織や運営に関する事項が定められています。すなわち、一般社団法人・一般財団法人のそれぞれの要件を満たす定款を定め、公証人の認証を受けて必要事項を登記すれば設立することができます。

その場合、定款の内容によって「非営利型一般法人」になるか「その他の一般法人」になるかが決まりますが、税制上の措置やその後の公益法人化に向けて制約を受けることにもなりますので、よく気をつける必要があります。

QV-03 公益社団法人・公益財団法人になるための条件は?

公益社団法人または公益財団法人になるためには、まず一般社団法人または一般財団法人を設立し、そのうえで行政庁(内閣府または都道府県)に公益認定の申請を行い、公益認定を受ける必要があります。公益認定を受けるためには、事務所が複数の都道府県にある場合や公益目的事業を複数の都道府県で行う場合などは内閣総理大臣、それ以外は事務所の所在する都道府県知事に申請を行います。

行政庁は公益認定の申請があった場合、公益認定委員会などの民間有識者からなる第三者機関に諮問して公益性の認定を行います。旧公益法人制度では行政の縦割りだった公益性の判断機関が一元化され、その判断に民間が関わるようになったことは画期的なことだといえるでしょう。また、行政庁から公益認定を受けることで、公益社団法人・公益財団法人として税制上の優遇措置を受けることができます。

QV-04 一般法人・公益法人の税制は?

「一般法人」については原則としてすべての所得に課税されますが、①余剰金の分配を行わない旨が定款において定められている、②会員に共通する利益を図る活動を行うことを主たる目的としている、などの要件に該当する場合は「非営利型一般法人」として収益事業の所得のみに課税されます(寄付金や補助金・助成金は非課税)。

「公益法人」は収益事業の所得のみに課税されますが、みなし寄付金(収益事業所得から公益目的事業に支出した額を寄付=損金とみなして、一定の範囲で課税所得から控除する仕組み)や利子等非課税の適用、寄付金控除(寄付をした個人の寄付金控除や企業等の損金算入枠の拡大を行うもの)などの優遇措置があります。