「新しい公益法人制度への対応」助成財団センター会員の集い

2006年11月28日、「財団法人助成財団センター 2006年会員の集い」において
「新しい公益法人制度への対応 ?円滑な移行を目指して?」と題した講演が行われました。
2006年11月28日 13:30?17:00 学士会館にて
開会挨拶 財団法人助成財団センター理事長 松方康氏
基調講演 「公益法人制度改革の目指すもの」行革推進本部事務局次長 中藤泉氏
主題講演 「新制度への移行手続きについて」同公益法人制度改革担当 梅澤敦氏
質疑応答 財団法人住友財団専務理事 石川睦夫氏
講演内容は現在の財団法人が新制度に移行するために、具体的にどのような作業が想定されるか、という内容が中心でした。その中でも大きなポイントとして位置づけられていたのが、評議員会の設置の部分と、合併手続きだったように思います。
公益性認定については、(現段階で詳細が確定していないこともありますが)多くは説明されず、「現行の指導監督基準に近いものになるだろう」という見通しが提示されました。
なお、資料としては講演のレジュメのほか、行革推進本部事務局発行のパンフレット『公益法人制度改革の概要』、公益法人制度改革関連三法の一部抜粋版(法律はこちらを参照)が配布されました。
行革推進事務局からの説明の、主だった内容は以下の通りn・制度改革の趣旨から、これまでの所管官庁からの監督はなくなる。
・自治、すなわち組織内部の問題は内部で解決することが求められる。
組織について
『公益法人制度改革の概要』3ページ(PDF)にもとづいて)
一般財団法人においては
・評議員会、理事会、監事もしくは会計監査機関は必置。
・理事は法人を代表する。しかし、代表理事を置けば代表権は代表理事のみ。
 その際、登記も現在は理事全員の住所氏名が必要だが、代表理事のみで可となる。
・評議員は理事の監督機関として位置づけられる。社団の総会に近いイメージ。
・そのため、理事が評議員を選任することはできない。 評議員の選任は、評議員会、定款で定めた特定者や第三者機関などで行うことが想定される。
・理事会・評議員会はその趣旨から、基本的に代理出席・委任状出席は認められない。・ただし、評議員会は全員の同意の書面があれば、集まらなくても開催できる。 また、同じく全員の同意があれば、1週間以内の開催、TELでの召集なども可。・代表理事、業務執行理事は3ヶ月に1回以上、理事会に業務執行状況を報告しなければならないため、理事会は年4回は必要となる。
・責任範囲の限定された「外部理事」を置くことができる。・役員報酬の支払いは可能。ただし、総額は定款で定める必要がある。
移行について
・現在の財団法人は新制度施行後、「特例財団法人」となる。その時点で組織形態は特に変更する必要はない。
・「特例財団法人」は、現在の税制等制度がそのまま引き継がれる。現在の財団法人と同等、所管官庁からの指導・監督を受ける。・「特例財団法人」から新制度での財団法人に移行する際、評議員を選任必要がある。 現在の評議員をそのまま引き継ぐことはできず、評議員の選任方法は所管官庁の認可が必要。
 (認可された選任方法で、現在の評議員と同一の人を選任することは可能)
・最初の評議員に限って、理事・理事会で選任することができる。
合併について
特例民法法人の合併手続きは、以下の手順となる。
 1)理事による吸収合併契約の締結
 2)吸収合併契約関連書類の備置き、閲覧(評議員、社団の場合は社員)
  ( 3)の評議員会・社員総会の2週間前から、8)の登記後6ヶ月)n 3)吸収合併契約の承認(評議員会もしくは定款変更を議決する機関、社員総会)
 4)旧主務官庁への合併の申請
 5)合併後旧主務官庁による認可
 6)債権者保護手続n 7)変更の登記/解散の登記
 8)届出
新制度への移行申請は、7)が終了した時点で行うことができる。
スケジュール
2008年12月の施行を目指している。
2007年の税調で税制議論が行われるだろう。
(編集注:公益性認定に関する政令は春?夏ごろか)n
この記事は「財団法人助成財団センター 2006年会員の集い」の内容に基づき、当センター事務局が作成したものです。詳細は
行政改革推進本部事務局
財団法人助成財団センター
にお問い合わせください。
なお、助成財団センターが提供する助成財団フォーラムでは、この会合の詳細が掲載される予定です。助成財団センター会員の方はぜひ併せてご覧ください。