東日本大震災現地NPO応援基金[特定助成] 「『しんきんの絆』復興応援プロジェクト」 第4回助成選考結果について

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東日本大震災現地NPO応援基金[特定助成] 「『しんきんの絆』復興応援プロジェクト」第4回助成の選考を行い、下記の通り決定いたしました。

■一般公募枠

【日常生活の再建事業】

プロジェクト名/団体名 所在地 助成額
(単位:万円)
障害者就労施設の高台移転・就労環境整備
一般社団法人 かたつむり
岩手県
大船渡市
400
地元を元気にするスタートアップ加工場Oui
特定非営利活動法人 ウィメンズアイ
宮城県
登米市
452
女川町の新しい商品つくり
一般社団法人 コミュニティスペースうみねこ
宮城県
女川町
500
石巻圏域の子育て環境改善のためのプログラム開催事業
特定非営利活動法人 石巻復興支援ネットワーク
宮城県
石巻市
388
震災で心に傷を負った子供と保護者への心のケア
一般社団法人 こころスマイルプロジェクト
宮城県
石巻市
328
「たらちね検診センター」開設プロジェクト
特定非営利活動法人 いわき放射能市民測定室たらちね
福島県
いわき市
400

【地域コミュニティ・文化の再生事業】

プロジェクト名/団体名 所在地 助成額
(単位:万円)
小中高生と大人が学びあう地域の絆プロジェクト
特定非営利活動法人 未来図書館
岩手県
盛岡市
290
生態系適応型コミュニティ開発と交流人口の拡大
一般社団法人 前浜おらほのとっておき
宮城県
気仙沼市
285
ペンギンズギャラリー(地域の人たちと障がいのある人たちの芸術作品の交流できる空間づくり)
NPO石巻広域クリエイティブアートの会 ペンギンズアート工房
宮城県
石巻市
166
石巻大川地区住民による「ふるさとの記憶」再生事業
一般社団法人 長面浦海人
宮城県
石巻市
350

 

■信用金庫推薦枠

【日常生活の再建事業】

プロジェクト名/団体名 所在地 助成額
(単位:万円)
心の居場所「あそびーばー」
気仙沼あそびーばーの会
宮城県
気仙沼市
350
『地域共生の子育て』の基盤創りと『障害児の適切な療育環境整備と居場所創り』とその家族支援
特定非営利活動法人 夢みの里 青い鳥児童館
宮城県
石巻市
490
二本松市東和地域の桑畑復活プロジェクト~震災後の六次化推進の再構築~
特定非営利活動法人 ゆうきの里東和ふるさとづくり協議会
福島県
二本松市
290
被災障がい者による協働の仕事つくり事業
特定非営利活動法人 しんせい
福島県
郡山市
490
【地域コミュニティ・文化の再生事業】
プロジェクト名/団体名 所在地 助成額
(単位:万円)
住民共助による地域支え合い活動推進事業
特定非営利活動法人 いわてNPOフォーラム21
岩手県
盛岡市
270
黒森神楽文化価値再生発信事業
黒森神楽保存会
岩手県
宮古市
179
被災地のコミュニティ再生となりわいづくり事業
特定非営利活動法人 遠野まごころネット
岩手県
遠野市
500
第30回気仙沼天旗まつり記念事業プロジェクト
一般社団法人 気仙沼観光コンベンション協会
宮城県
気仙沼市
291
石巻復幸踊りエンヤドットプロジェクト
石巻復幸踊りエンヤドットプロジェクト実行委員会
宮城県石巻市 74
ふれあいの居場所設備充実事業
特定非営利活動法人 ささえ愛ふらっと
福島県
桑折町
298
第5回いわき「光のさくらまつり」
公益社団法人 いわき青年会議所
福島県
いわき市
385

・助成件数:21件   (一般公募枠:10件、信用金庫推薦枠:11件)
・助成総額:7,176万円(一般公募枠:3,559万円、信用金庫推薦枠:3,617万円)
*第4回助成は、下記の応募について7~9月に選考し助成が決定したもの。
・一般公募枠   :2016年6月27日から2016年7月6日まで
・信用金庫推薦枠:2016年6月15日から2016年6月30日まで
*助成期間は2016年10月1日から2017年9月30日までの1年間。

選考総評

選考委員長 萩原なつ子

[「しんきんの絆」復興応援プロジェクトの概要]
「『しんきんの絆』復興応援プロジェクト」は、認定特定非営利活動法人日本NPOセンターが2011年3月から行っている「東日本大震災現地NPO応援基金」に対して、信用金庫業界からの寄付を信金中央金庫を通じて受け、「特定助成」として実施する資金助成事業である。テーマは「日常生活の再建」と「地域コミュニティ・文化の再生」の2つから選択する。なお、このプロジェクトは、一般公募枠と信用金庫推薦枠の2つの枠があり、その下にA・BならびにC・Dの4コースから構成されている。信用金庫推薦枠は、東北被災3県(岩手県・宮城県・福島県)の信用金庫からの推薦が必要となる。

[応募状況と選考プロセス]
第4回助成(助成期間2016年10月1日~2017年9月30日)は、一般公募枠については2016年6月より告知を開始し、同年6月27日~7月6日の応募受付期間に62件の応募があった。
応募テーマ別では「日常生活の再建」の21件に対し、「地域コミュニティ・文化の再生」は41件、コース別ではAコースが27件、Bコースは35件であった。応募事業の活動地域別内訳では岩手県、宮城県がほぼ同数、福島県からの申請は両県よりやや少ない数であった。また、設立時期については、3/4近いの団体が震災後(2011年3月11日以降)に設立された団体である。法人格別に見ると、特定非営利活動法人が全体の半数を占め、一般社団法人、任意団体が続いた。

一般公募枠の選考プロセスは、まず事務局にて応募案件の予備審査を行い、選考委員会において選考すべき31件を選出した。その後選考委員がこの31件について書面評価を行い、その結果を基に全員参加の選考委員会の場で審議を行い、助成候補となる13団体を選出した。その後、事務局スタッフが助成候補団体を訪問・電話インタビューし、活動状況や選考委員会から説明を求められた疑問点等について詳細な聞き取りを行った。このインタビュー結果を選考委員長に報告し、委員長が最終的に決裁を行い、助成事業11件を決定した。その後1団体より助成辞退があり、最終的には10団体への助成となった。助成額合計は3,559万円であった。

また、信用金庫推薦枠については、2016年5月より告知を開始し、同年6月15日~6月30日の応募受付期間に推薦枠を持つ東北3県(岩手県、宮城県、福島県)の10信用金庫から21件の応募があった。信用金庫推薦枠については、全案件について応募要件・選考基準等に基づいて事務局ならびに信金中央金庫にて慎重に検討を行った。その結果を選考委員長との協議により決裁を得て、助成事業11件を決定し、選考委員会に報告した。助成額合計は3,617万円であった。
一般公募枠と信用金庫推薦枠をあわせての助成は、21件で助成金額は7,176万円となった。

[選考における議論のポイント]
選考においては、「しんきんの絆」復興応援プロジェクトの選考基準*1をベースにして評価ならびに審議が行われた。

*1≪「しんきんの絆」復興応援プロジェクト選考基準≫

◎日常生活の再建
・参加性 : 地域住民の継続的な参加や協力が期待できるか
・連携性 : 地域の他の団体、地縁組織や企業・自治体等と連携しているか
・当事者性 :課題を抱える住民の視点から、事業が構成されているか
・実現性 : 事業が実行可能な体制・予算・実施スケジュール等になっているか
・継続性 : 地域への長期的貢献を視野にいれ、活動が行えるか

◎地域コミュニティ・文化の再生
・新規性 : 被災地の新たな地域課題に対応しているか
・参加性 : 地域住民の継続的な参加や協力が期待できるか
・共助性 : 住民同士が助け合う関係性を築くための取り組みであるか
・独自性 : 現状のコミュニティや文化の維持にとどまらない取り組みであるか
・実現性 : 事業が実行可能な体制・予算・実施スケジュール等になっているか

審査において評価を得た事業の特徴や、選考過程における議論のポイントは以下の通りである。
「日常生活の再建事業」においては、自立した運営をするための「ひと押し」になる事業や、地域内での連携や、人や資源の循環が期待できる事業についての評価が高かった。一方で、必要性はあっても取り組みの変化に乏しい事業や、震災前からの地域課題に戻っている事業、日常の課題と震災由来の課題の整理ができていない事業については、評価が得にくい面があった。
「地域コミュニティ・文化の再生事業」においては、当事者が主体的に関わりながら地域の関係者、支援者を巻き込む事業への評価が高かった。そのような事業においては、自分たちのできる範囲を少しずつ広げるための取り組みが見られるため、実施計画や予算についても無理のない体制であった。
どちらのテーマにおいても、震災から5年半が経過する中で、新たな課題にどのように取り組むか、今後出てくるであろう課題をどのようにとらえているかが議論のポイントとなった。事業の継続の必要性だけを求めた事業の評価はあまり得られなかった。
また、本プロジェクトも4回目の助成をむかえ、助成実績を持つ団体からの申請も多く寄せられた。本助成では継続助成の仕組みはないため、全申請事業が同様の審査を経ることになる。課題に対する工夫やブラッシュアップがある事業は一定の評価を受けたが、申請内容の変化に乏しく、助成の成果が反映されたように感じにくいもの、新たな取り組みとしてあげられた事業の必要性が理解しづらいものについては評価が分かれた。
外部支援はどうしても先細りとなっていく。本プロジェクトも次回の第5回助成が最終となる。限りある支援ではあるが、本プロジェクトが未来を見据えたチャレンジやクリエイティブな取り組みのために有効に活用されることを願っている。

【選考委員】
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助成概要と選考理由

事業名 障害者就労施設の高台移転・就労環境整備
団体名 一般社団法人 かたつむり
助成額 400万円
選考理由 本団体は、大船渡市、陸前高田市、住田町、気仙沼市在住の知的障碍者、精神障碍者、身体障碍者のための就労支援を行っている。具体的には指定就労継続支援B型事業を行って来た。また、陸前高田市のブランド米「たかたのゆめ」を広める商品の企画・製造など、農業と福祉を連携させた事業などの実績もある。
東日本大震災で被災したため仮設プレハブでの事業を行っていたが、災害復興計画により高台移転が指示された。全額自己資金での移転のため、移転費用の捻出が課題であったが、社会的ニーズと意義が大きいことから移転施設の設備と就労に関わる設備・備品を助成することとした。
高台移転後の事業所は障碍者の就労・生活の拠点のみならず、地域の障碍者や高齢者の福祉避難所として活用できる見込みであり、福祉農園は地域の方々との交流の場としても利用できる。このことから本事業を通して震災復興、福祉の充実、社会の活性化などの面で大きな成果が出ることを期待する。

 

事業名 地元を元気にするスタートアップ加工場Oui
団体名 特定非営利活動法人 ウィメンズアイ
助成額 452万円
選考理由 本団体は、女性が活躍できる社会、あらゆる人たちの命、生活・尊厳が守られる社会の創造をめざして設立された。主な活動は、小さな生業を行う女性たち向けの各種相談、スキルアップ、販売支援などを行う「食のしごと勉強会」や「パン職人養成研修」、パンの生産、販売を行う「ひころマルシェ」の運営などである。
今回の助成事業は、パン・菓子製造加工場の立ち上げと運営、維持管理、さらにはその活用と展開であり、参加する女性たちの能力開発も行うものである。本事業は地域の女性たちが単に現金収入を得るだけでなく、地域社会と接点を持ちながら地域資源を最大限活用し、自らの力を活かし活躍する場を創造するものである。コミュニティの再生、活性化にもつながることからその社会的意義は大きく、助成事業とした。
本事業が本格的に稼働し、年間の売り上げが200万円規模となって継続的に地域に根差した働きになることを期待する。

 

事業名 女川町の新しい商品つくり
団体名 一般社団法人 コミュニティスペースうみねこ
助成額 500万円
選考理由 本団体は、震災後全世帯が復興住宅に入居している宮城県女川町白浜において、地域コミュニティ強化のため、高齢者の仕事つくりや若者の雇用創出、また就労訓練に取り組み、誰もが生き生きと活動できる場を提供する活動を行っている。
今回の事業では、すでに収穫に成功しているいちじくの販路拡充や新たな商品化を専門家の力を借りて促進し、自分たちで行っている農産物の管理や収穫から販売までの一連の事業が循環するような仕組みづくりを行うことを目的としている。商品化を加速させ、販路を広げることにより、地域の高齢者や若者たちがその土地で働き、他地域との連携や大学にも協力を依頼しながら、将来助成金に依存せずに自らのコミュニティ維持が可能になるように活動を継続させていくことを目指している。漁業が中心の女川町にあって、農業を軸とした多世代が主体的となる取り組みを評価し、助成事業とした。
難しい課題ではあるが、専門家の力を活用した取り組みが結実することを期待する。

 

事業名 いしのまき圏域の子育て環境改善のためのプログラム開催事業
団体名 特定非営利活動法人 石巻復興支援ネットワーク
助成額 388万円
選考理由 宮城県石巻市には震災以降子育てを行っている団体はいくつかあり、行政も力を入れている分野であるが、震災から5年がたち、子育て支援に関するニーズはますます増加しているのが現状である。特に震災復興関連事業の関係で他県から転勤してきた子育て世帯が増加しており、地域コミュニティに入っていくことができず孤立しがちな母親が増えている。
本団体は子育て支援事業のみでなく仮設住宅や復興公営住宅でのコミュニティ形成支援事業も行っているが、本助成ではカナダ発祥の子育て学習プログラム「ノーバディズパーフェクトプログラム(NP)の開催を通じた子育て支援事業を支援している。事業を通して子育て環境の改善への有用性が実感できること、さらに母親向けにのみ行っていたプログラムを父親向けに開催していくこと、これまでの参加者へのアンケートなどを行い、より多くの方に有用性が説明できるような検証に取り組むことが石巻圏域の子育て環境改善につながることから今回の助成事業とした。
行政との連携がすすむことや他の子育て団体にも裨益が及ぶことを期待する。

 

事業名 震災で心に傷を負った子供と保護者への心のケア
団体名 一般社団法人 こころスマイルプロジェクト
助成額 328万円
選考理由 本団体は震災で心に傷を負った子どもたちとその保護者へ心に寄り添った支援を行い、レジリエンスを養い、震災の経験・悲しみを生きる力に変え、心身ともに健全な子どもの育成を目指している。
東日本大震災から5年半以上経過した時期になって心の傷が顕在化するケースもあり、この先も息の長いサポートを必要としている分野ではあるが、支援対象者が少数であることから公的支援が得にくい分野でもあり、民間ベースでの心のケアセンターとしての存在意義が大きいことから助成事業とした。
未だ把握できていない対象者の発見も含めて、丁寧なサポートがなされること、また、新たな支援者を拡大し、安定した事業継続ができる基盤づくりにも取り組むことを期待する。

 

事業名 「たらちね検診センター」開設プロジェクト
団体名 特定非営利活動法人 いわき放射能市民測定室たらちね
助成額 400万円
選考理由 本団体は原発事故等の被ばく者に対して被ばくの影響を調べ、また放射線被ばくをより低く抑えるために食品等の放射能汚染を測定する機器を市民が配備、測定する事業を行ってきた。
本事業は2013年から行って来た、甲状腺への影響を調べる「たらちね甲状腺検診プロジェクト」を発展させ、「たらちね検診センター」を開設するものである。震災から5年が過ぎ、県外避難者の帰還が始まっている中、福島県内では甲状腺ガンだけでなく、子どもの膠原病や不整脈などの健康不調が出ている。母親の多くは被ばくと健康について心配しており、その心配を受け止める医療機関が不足している。特に、単に検診を受けるだけでなく、母親と子どもの精神的ケアのできる医療機関が必要とされており、本事業が地域の人々の社会的ニーズに応えることになることから助成事業とした。
地域で子育てをする保護者が安心して子育てを行える医療環境が整うことを期待する。

 

事業名 小中高生と大人が学びあう地域の絆プロジェクト
団体名 特定非営利活動法人 未来図書館
助成額 290万円
選考理由 本団体は中高大学生を対象に“仕事”に着目した事業を行い、個々が自立した社会の実現を目指して設立された。本事業は、岩手県内の小中高の授業の中で、児童生徒が大人と学び合うプロジェクトである。社会人が設置したブースへグループに分かれた児童生徒が訪れ、地域を支える大人の生き方や働き方を知り、地域への想いや人生観に触れることで自らの将来像を描くきっかけとする。また、大学生や大人が中高生と設定したテーマについてグループで学び合い、地域や復興について考える機会ともしている。
小中高生や大学生が地域の人と出会い、自分の将来や生き方を考えるきっかけとなる本事業は教育的効果が大きいだけでなく、将来の地域を担う人材育成という意義もあることから助成事業とした。
今回助成では人口流出が激しい沿岸部の学校での活動を支援する。地元に残る若者が少なくなり、地域の活性化がより一層の課題となる中、大人が学校において子どもたちに経験や想いを伝える場を提供し、子どもたちと交流することで地域活性の一助となることを期待する。

 

事業名 生態系適応型コミュニティ開発と交流人口の拡大
団体名 一般社団法人 前浜おらほのとっておき
助成額 285万円
選考理由 宮城県気仙沼市本吉町前浜地区は従来より住民活動が活発であった。本団体も、地域振興に関わる住民が中心になり、避難所運営、流出した自治公民館を住民主導で再建するなどの動きの中から設立された。
今回の助成事業は、津波の被害にあった杉林の跡地に、地域で親しまれ、かつては椿油も採取してきた椿を植樹する「椿の森プロジェクト」である。
本プロジェクトの実施にあたっては、地域住民だけではなく、多くの支援者とともに活動に取り組む。椿の苗の一部は、大学のボランティアセンターを通して、高齢化が進んでいる東京都の団地住民により育成される。労働を通した交流により、気仙沼と東京の双方でのコミュニティづくりが促進されるなど、独自性の高い取り組みを評価し、助成事業とした。
地元の伝統文化を大切にしながら自然環境に順応した地域再生がすすみ、関わる人が互いにエンパワメントされる交流が進むことを期待する。

 

事業名 ペンギンズギャラリー(地域の人たちと障がいのある人たちの芸術作品の交流でいる空間づくり
団体名 NPO石巻広域クリエイティブアートの会 ペンギンズアート工房
助成額 166万円
選考理由 本団体は2012年、障がいのある子どもたちの芸術活動を支援するために設立された。障がいのある子どもたちが作品を通して喜びや生きがいを持てること、地域住民が作品の芸術性に気づくことで、子どもたちの芸術性を生かした社会参画の場が広がることを目指してきた。
今回の事業は、石巻駅前商店街の一角に開設したギャラリーの設備拡充とイベント支援である。古くからある地元の商店街に障がい者アートを通したさまざまな交流が生まれ、まちの活性化等の好循環が期待されることから助成事業とした。
ギャラリー設備の充実により、多彩な手法での作品紹介ができること、地域住民を巻き込んだ活動や連携先の開拓が進むこと、事業を通して障がい者アートへの理解がすすむことを期待する。

 

事業名 石巻市大川地区住民による「故郷の記憶」再生事業
団体名 一般社団法人 長面浦海人
助成額 350万円
選考理由 本団体は震災翌年の12月に石巻市長面浦とその周辺集落の地域再生のために地元漁師により設立された。大きな津波被害を受けた大川地区は、約20Km離れた内陸部に集団移転する集落も多く、被害を受けた小学校を震災の遺構として残すのかといった議論も話題になった地域である。
本事業は、震災前の地域の様子を後世に「心のふるさと」として残すために、地域の1/500模型を神戸大学の協力のもとに作成し、可動式の「記憶の場」をセルフビルドする事業である。震災遺構を残すか残さないかで対立している双方の住民が、同じテーブルでの議論を進めながら、地域内外の交流を通じ震災の記憶の継承ができること、風化していく記憶や記録に対して、今やらなければというタイミングが大切であることから助成事業とした。
本事業が地域住民のコミュニティの再生だけではなく、移転地での新たなまちづくりの力になることを期待する。

 

事業名 心の居場所「あそびーばー」
団体名 気仙沼あそびーばーの会
助成額 350万円
選考理由 本団体は、震災による地域コミュニティが崩壊した中気仙沼大谷地区において、遊びを通じた子どもの心のケアを目的として震災後に設立された。
宮城県の気仙沼大谷地区では、震災以降、子どもの遊ぶ場が減少していることから、子どもが遊びを通じて創造性、協調性、自主性および体力を養うことのできる環境の整備が課題となっている。また、仮設住宅における住民同士の交流の希薄化に加え、災害公営住宅への移転に伴い、新たな地域コミュニティの形成も必要とされている。
本助成事業は、常設の遊び場「気仙沼あそびーばー」の開催等を通じて、被災により心に傷を負った子どもたちが遊びを通じて、心身ともに回復し、豊かな経験を積むとともに、子どもたちだけではなく、地域住民が集うコミュニティを形成することを目指すものであることから助成事業とした。
本助成が地域住民にとっての「遊び場・居場所・交流の場」の創出に寄与することを期待する。

 

事業名 『地域共生の子育て』の基盤創りと『障害児の適切な療育環境整備と居場所創り』とその家族支援
団体名 特定非営利活動法人 夢みの里 青い鳥児童館
助成額 490万円
選考理由 本団体は、障害の有無に関わらず、全ての人が共に暮らせる環境づくりと高齢者を織り交ぜた子育て支援対策を通じて、深く地域社会に寄与することを目的として震災前に設立された。
宮城県石巻市では、家族が分断され養育者を欠いた家庭環境の増加、二重ローン等の経済的理由から、未就学児の療育支援および地域住民の共生が必要不可欠な状況にある。
本助成事業は、「青い鳥児童館」の運営にあたって、保育士の新規採用やプールの設置等により、人的・物的環境を整備するとともに、各種イベントの実施を通じ、地域住民の交流を促すことで、当地域における障がい児の居場所の拡充を図るものであることから助成事業とした。
本助成が地域一体となった療育支援体制の確立に寄与することを期待する。

 

事業名 二本松市東和地域の桑畑復活プロジェクト~震災後の六次化推進の再構築~
団体名 特定非営利活動法人 ゆうきの里東和ふるさとづくり協議会
助成額 290万円
選考理由 本団体は、地元の民間団体が地域農業や地域保全を主体的に行っていくことを目的として震災前に設立された。
福島県二本松市東和地域において、桑は、震災前より集中生産と六次産業化を行ってきた地域のアイデンティティといえる農作物であるが、原発事故の風評により販路が失われ、業況は依然として厳しい状況にある。また、今後、桑生産農家の経営を安定させるためには、原材料卸との取引回復だけではなく、小売用商品の強化を図っていく必要がある。
本助成事業は、外部団体と連携し、桑の葉を使用した新商品を開発・販売することにより、桑畑の復活および原発事故による風評の払拭を目指すものであることから助成事業とした。
本助成が地域のアイデンティティおよび活力の向上に繋がることを期待する。

 

事業名 被災障がい者による協働の仕事つくり事業
団体名 特定非営利活動法人しんせい
助成額 490万円
選考理由 本団体は、震災により多大な被害を被った障がい者等が、福島の地で平和で安心した生活が送れるよう、長期間にわたって支援活動を行い、明るく平和な福島を創造していくことを目的として震災後に設立された。
福島県郡山市において、原発事故の影響で双葉郡から避難している障がい者は、避難生活の中で生まれた格差や孤立により、社会との協調が難しくなっている。また、障がい者を支える双葉郡等の福祉事業所による自助努力だけでは、障がい者の日常生活再建は難しい状況にある。
本助成事業は、障がい者が希望を持って日常生活を送れるよう、企業等から支援を得ながら地域の絆を活かした仕事をつくり、その仕事を軌道に乗せていくことを目指すものであることから助成事業とした。
本助成が障がい者の日常生活再建に寄与することを期待する。

 

事業名 住民共助による地域支え合い活動推進事業
団体名 特定非営利活動法人 いわてNPOフォーラム21
助成額 270万円
選考理由 本団体は、岩手県内におけるNPO活動の多面的な支援とともに、NPO相互のネットワーク化の促進により、一人ひとりが生きる喜びを実感できる豊かな社会の実現に寄与することを目的として震災前に設立された。
岩手県の宮古市および大船渡市では、震災から5年半が経過した今、地域住民の仮設住宅から災害公営住宅への移転が加速しており、震災による心の傷や人間関係を構築することへの徒労感を癒すため、新たなコミュニティの構築が必要となっている。
本助成事業は、住民向けワークショップや健康づくり教室を開催することにより、災害公営住宅居住者と既存コミュニティ住民との交流を図るものであることから助成事業とした。
本助成により、心の復興に資する持続可能なコミュニティが構築されることを期待する。

 

事業名 黒森神楽文化価値再生発信事業
団体名 黒森神楽保存会
助成額 179万円
選考理由 本団体は、岩手県の陸中沿岸地方における歴史・民俗文化を継承・発展させるため、長年にわたり伝承されてきた黒森神楽を伝承し、その活用を図ることを目的として震災前に設立された。
黒森神楽の廻村巡行範囲である岩手県沿岸部は、東日本大震災による被害や近年の高齢化・人口減少により、地域コミュニティが危機的状況にある。そのような中、黒森神楽の巡行公演は、地域の人々が集い、神楽を楽しみ交流する機会となっている。
本助成事業は、黒森神楽において使用する神楽面、獅子頭(権現様)を本来の伝統的な技法である胡粉塗り、漆塗りで製作することで、神楽における文化的価値を再生し、神楽の魅力を体現するものであることから助成事業とした。
本助成が当地域における貴重な文化の再生に寄与することで、地域全体の震災復興への機運が高まることを期待する。

 

事業名 被災地のコミュニティ再生となりわいづくり事業
団体名 特定非営利活動法人遠野まごころネット
助成額 500万円
選考理由 本団体は、被災者の生活再建、被災地の経済復興さらには自然災害に備えたネットワークの構築およびマニュアルの策定に寄与することを目的として震災直後に設立された。
岩手県大槌町では、約7割の被災者が仮設住宅で避難生活を送っており、特に高齢者や障がい者等の社会的弱者は、住宅再建の目途が立たない人が多く、復旧・復興から取り残されかねない状況にあることから、地域コミュニティや地域文化の形成が喫緊の課題となっている。
本助成事業は、被災地内外における社会的弱者やそれ以外の人々が各種イベントの実施を通して交流することで、広域によるコミュニティの形成とともに、住民一人ひとりのなりわいづくりを目指すものであることから助成事業とした。
本助成が町の復興、ひいては「心の復興」に寄与することを期待する。

 

事業名 第30回気仙沼天旗まつり記念事業プロジェクト
団体名 一般社団法人気仙沼観光コンベンション協会
助成額 291万円
選考理由 本団体は、宮城県気仙沼市において、交流人口の増大により地域の活性化を図るとともに、観光業の振興を図ることを目的として震災前に設立された。
宮城県気仙沼市では、基幹産業である観光業が震災により大きな打撃を受け、「観光の担い手」が不足している。また、復興事業の遅れにより、子どもたちが遊ぶ屋外運動場の確保ができない状況にあり、親子が一緒になって遊べるイベントが必要となっている。
本助成事業は、来年で30回の節目を迎える気仙沼天旗まつりを開催するとともに、天旗まつりをアーカイブ化することにより、地域コミュニティの形成および伝統ある地域文化の次世代への継承を図るものであることから助成事業とした。
本助成が当地域における交流人口の増大および地域コミュニティの形成に繋がることを期待する。

 

事業名 石巻復幸踊りエンヤドットプロジェクト
団体名 石巻復幸踊りエンヤドットプロジェクト実行委員会
助成額 74万円
選考理由 本団体は、躍動感溢れる踊りの創作・披露を通じて、住民の心を一つにし、石巻を「誇れるまち・魅力あるまち・住みよいまち」にすることを目的として震災後に設立された。
宮城県石巻市では、新興住宅地において、住民同士が繋がるきっかけに乏しく、コミュニティが形成されないケースが多発しており、住民が孤立を深めていくことが懸念されている。また、日常生活に不自由を抱えている子どもたちが多く、その子どもたちが夢中になって取り組み、エネルギーを発散する場の創出が必要とされている。
本助成事業は、地域の子どもたちとともに、石巻を表現する踊りと楽曲を創作し、地元最大の祭り「石巻川開き祭り」等で披露することにより、子どもたちの居場所の創出および新たなコミュニティの形成を図るものであることから助成事業とした。
本助成が多くの被災者の心の復興に寄与することを期待する。

 

事業名 ふれあいの居場所設備充実事業
団体名 特定非営利活動法人ささえ愛ふらっと
助成額 298万円
選考理由 本団体は、福島県桑折町において、最後まで住み慣れた地域で過ごすため、一人ひとりが持てる力を出し合ってお互いがお互いを支えあう地域づくりの推進を図ることを目的として震災前に設立された。
福島県桑折町では、原発事故の影響で避難し、狭い仮設住宅や地縁血縁のない災害公営住宅で孤立して暮らす高齢者が数多くおり、生活不活発病等により、介護状態になるリスクが高まっている。
本助成事業は、当団体が運営する「ふれあいの居場所」において、トイレの設置や倉庫の修繕等を実施することで利用者の利便性を図るものであることから助成事業とした。
本助成により「ふれあいの居場所」が地域住民にとっての心の拠り所となり、「お互い様の地域社会づくり」に繋がることを期待する。

 

事業名 第5回いわき「光のさくらまつり」
団体名 公益社団法人いわき青年会議所
助成額 385万円
選考理由 本団体は、会員相互の信頼のもとに会員の資質向上と人間力の啓発に努め、世界の平和と繁栄に寄与し、地域社会と国家の健全な発展を図ることを目的として震災前に設立された。
福島県いわき市では、原発事故のあった双葉郡から多くの避難者を受入れたことにより、医療等の様々なインフラが逼迫している状況にあり、今後、復興を成し遂げるためには、広域的かつ将来的な観点に基づいて、いわき市民と双葉郡からの避難者における相互理解が必要となる。
本助成事業は、いわき駅前大通りにイルミネーションを設置することで、震災とそれに伴う原発事故の風化を防ぐとともに、いわき市民と双葉郡からの避難者が共に復興に取り組んでいくという意識の醸成を目指すものであることから助成事業とした。
本助成により、いわき市と双葉郡における復興と共生のシンボルが形成され、復興への機運が高まることを期待する。