【開催報告】東日本大震災現地NPO応援基金「大和証券フェニックスジャパン・プログラム2016」:中間報告をかねた第2回合同研修会を開催しました!

東日本大震災現地NPO応援基金[特定助成]大和証券フェニックスジャパン・プログラムでは、資金支援のほか、新規助成対象団体を主な対象に事務局主催の合同研修会を助成期間中に2回実施しています。

2016年助成(2016年10月~2017年9月)の中間時点にあたる5月9日に、第2回目の合同研修を実施しました。助成対象の6団体、選考委員、そしてドナーである大和証券グループ担当者等、17名が参加しました。

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 本プログラムは、大和証券株式会社からの寄付により、東日本大震災の被災地の現地NPOの組織基盤を強化するためにNPOが実施する「人材育成」の取り組みを応援するものです。 
今回の合同研修会は、人材育成事業の半期が過ぎたところで前半の取り組みを振り返り、後半の目標を再確認することを目的に実施しました。

1.参加6団体による育成事業の中間報告

 はじめに、下記の各団体より中間報告発表が行われました。1団体につき30分程度。まずは育成対象スタッフより半年間の活動内容についての発表があり、それについてスタッフの育成責任者・スーパーバイザーからコメントをいただきました。その後、育成対象スタッフが考えている・感じている活動の課題や悩みのポイントについて参加者全員で意見交換をしました。
 課題や悩みポイントについては、「商品やサービスの魅力を伝えるにはどうしたらよいか」、「失敗を恐れて次に進めないときどうすればよいか」「スタッフが増えた時の人間関係をスムーズにするには」「リスクマネジメントをどう考えるか」など、分野を問わず誰もが共感できる質問が出されたこともあり、活発な意見交換に繋がりました。

(助成対象団体)
 <新規助成> 3団体
 ●一般社団法人 SAVE IWATE (岩手県 盛岡市) 
  計画名:和グルミからの経済復興を担う中核人材の育成
 ●特定非営利活動法人 故郷まちづくりナイン・タウン (宮城県 登米市)
  計画名:中核スタッフの総合力強化による事業充実と組織強化プロジェクト
 ●認定特定非営利活動法人 いわき自立生活センター (福島県 いわき市)
  計画名:被災地の障がい者・難病者支援力強化

 <継続助成> 3団体
 ●一般社団法人 おらが大槌夢広場 (岩手県 大槌町) 
  計画名:共育プログラムの発展と継続のための基盤づくりとその担い手となる若手スタッフの育成(2)
 ●特定非営利活動法人 ポラリス (宮城県 山元町)
  計画名:被災地で暮らす障害者の素敵な生きかた・はたらき方を支援する人材育成(2)
 ●特定非営利活動法人 みんなのひろば (福島県 伊達市)
  計画名:線量が高い地域における発達障がい児サポートの支援力向上のためのスタッフ育成(2)

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2.まとめ/助成期間後半の目標や優先順位を再確認

 続いて、これまでの意見交換を踏まえて団体ごとに持ち帰れる内容を整理していただきました。その後、育成事業後半の達成目標について優先順位をつけて改めて目標設定をしました。最後にその内容を発表いただきました。「事務局作業の効率化が利用者のサポートにつながるので意識していきたい。」「商品やサービスの販売にはNPOのミッションや思いが根底にあるのでストーリーを意識して取り組みたい」など具体的な次の一歩となる目標が出されました。

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3.さいごに

 この助成プログラムでは、東日本大震災の被災地の現地NPOの組織基盤強化のために、組織の中核となるスタッフの育成事業を応援しています。
 今回の研修では、中間報告の時間をじっくり設けて、育成スタッフの課題や悩みについて皆で一緒にという形式にしました。
 課題や悩みについては、個人的な素質に関することや不足するノウハウに関することも出されましたが、“事業のリーダーとして”、“団体のスタッフとして”の悩みも多く出されました。また、育成対象スタッフからの意見で、団体のミッションや、自分が担当するプロジェクトがなぜ始まったのか、という根底を見つめることで意識が変わった、という声がありました。スーパーバイザーからは、育成対象スタッフによって自分も育った、というコメントがありました。これは、組織の中核となる人材を育てたい、という本プログラムの思いからすると嬉しいことです。
 本プログラムでは、育成対象スタッフとスーパーバイザーという枠組みを設けている以上、どうしても育てられる人、育てる人という区分が発生します。ただ、今回の研修会の様子から、育成事業に取り組む中で、同じ目標に向かって「互いに育つ人」になっているように感じました。人材育成においては、資格取得や外部研修によるノウハウの蓄積も目に見える成果として大事な要素ですが、NPOの人材育成として考えると、ミッションや組織の在り方を見つめなおすといった意識の変化が、最も大事なことのように思いました。
 助成プログラムとして、それをどうフォローできるのか、事務局が出来ることは限られていますが、このような合同研修の機会も含めて、今後も団体の皆さんが人材育成に向き合えるような場をしっかり作っていきたいと思います。 (記録作成:市民社会創造ファンド 山田)