第1期助成レポート:遠野被災地支援ボランティア「遠野まごころネット」

●複数の団体で構成される被災地支援ボランティア団体「遠野まごころネット」。副代表の菊池新一さんは主要構成団体「遠野 山・里・暮らしネットワーク」のマネージャーでもある。震災以降のお話を伺った。【助成金額200万円】

団体と助成の概要 | 活動レポート

聞き手:遠野市の支援活動はとても素早かったと聞いていますが。

副代表 菊池新一さん
副代表 菊池新一さん
菊池:被災地に1時間で行ける遠野市は、3年前から後方支援基地として自衛隊や警察と大規模な訓練を積んできました。そういった経験から我々は、震災直後、行政より先に物資の輸送をやろうと決めたんです。まず物資支援する町を陸前高田と大槌に絞りこみました。その後、仮設に物資を運びながら支援の継続が必要かどうか全戸調査も行いました。1日14人で1か月半かけて被災者のニーズを調査した訳です。

聞き手:どんなニーズがありましたか?

菊池:要支援世帯が1300あることが判明しました。その調査の際に強く感じたのは、物資をただ配るだけでなく「会話」をすることの大切さです。それも「地元の言葉」で会話する。というのも、被災者は知らない土地から訪れる「ニーズ調査」の余りの多さに辟易しているんですよ。今後は、この貴重なデータをもとに、物資やケアサービスを行政と組んで行っていきたいと考えています。

聞き手:物資管理でのご苦労はありましたか?

コーディネーター 田村隆雅さん
コーディネーター 田村隆雅さん
菊池:行政に送られてくる物資は品目こそ少ないですが大量です。逆に団体に送られてくる物資は多品目ですが少量です。それをバランスよく組み合わせました。これが出来たのも連携関係を培ってきた遠野だからだと思います。物資管理と配送には地元の元宅配業者を採用して雇用にもつなげました。その他、被災者の仕事づくりとして商品価格840円のハートブローチ作りで50人に仕事を創出しています。価格の半分400円が作った人の収入になるんです。お母さん方に月6万円くらいは稼いでもらうことができています。

聞き手:今後の活動はどうなっていきますか?

菊池:行政は被災者が仮設に移れば一気に支援をゼロにしますが、我々はゆっくりフェードアウトしていき、最終的に物資支援をゼロにするようにしたいと考えています。収入のある人はまだいいですが、失業した人や年金暮らしの人への支援は継続しなければなりません。ただ後方支援というのは、例えれば「手袋を5枚くらいして痒いところをかく」ようなもの。もっと強い支援も必要です。それは被災者と一緒に起業をしていくこと。そうしないと長続きしないでしょうから。恐らく今後5年くらいはかけて、後方支援の形を徐々に変えていくことになるので、細く長くもらえる助成はとても有難いです。

2011年9月27日(@岩手県遠野市)
取材者:福田春樹