東日本大震災現地NPO応援基金 月例報告(2011年11月・12月)

第2期(第1次)の助成先6団体を決定、2551万円を助成しました。

11月30日現在の寄付総額139,628,191円 助成総額43,800,000円
12月31日現在の寄附総額143,904,250円 助成総額43,800,000円

日本NPOセンター 代表理事 山岡 義典

 新年あけましておめでとうございます。本年も現地NPO応援基金へのご助力、何卒よろしくお願い申し上げます。

 さて、今回は11月と12月の月例報告をまとめて行います。この2か月は救援期を対象とした第1期の助成を終え、生活再建期へと向かう第2期の助成を開始したところで、言わば、端境期にあたります。
 第1期は10月末で助成を終了としていまいしたが、10月末で助成期間が終る活動を12月末まで続けることが重要と判断した下記2件について、計1,370,000円の補足助成をしました。

にじいろクレヨン(旧称:石巻こども避難所クラブ) 330,000円
「レクリェーションを中心とした被災地の子どもたちの居場所づくり」

特定非営利活動法人杜の伝言板ゆるる 1,040,000円
「被災NPOの復興寄附サイト運営と地域の復興活動の情報発信事業」

 いずれも着実に成果をあげている団体で、重要な時期にきていると判断したためです。12月までの助成に限定したのは、1月からは第2期の助成が始まりますので、それとの重複を避け、必要なら第2期分に応募いただくという趣旨からです。この補足助成により、第1期の助成件数は27件(22団体)、助成総額は4380万円となりました。

 第1期の助成は、プログラム・オフィサーが各種情報や人脈を辿って被災地各地を訪問し、助成がふさわしいと判断した団体と対話を重ねながら企画書を提出していただき、日本NPOセンター代表理事で市民社会創造ファンド運営委員長を務める山岡と、日本NPOセンター常務理事兼事務局長の田尻佳史、それに市民社会創造ファンド事務局長兼プログラム・オフィサーの坂本憲治の3人で意見交換しながら検討審査し、臨機に、迅速に、柔軟に、助成先を決定してきました。また助成期間も6か月以内としてきました。状況が流動的な救援期には、それが相応しい方法と考えたからです。

 しかし被災者は避難所から仮設住宅へと移住を完了し、被災地の状況も定常状態に近づいたところで、11月をもって新たな方式に切り替え、第2期の助成を開始することにしました。第2期では、今後数年を展望したときに現地NPOに何が求められるかを議論し、単独のプロジェクトへの助成ではなく、組織基盤の整備・強化を目指した助成とすることにしました。しかし被災地の状況はまだ流動的で、現地NPOも過渡期あるいは試行錯誤期にあると判断し、常時公募して年4回助成する形をとりました。助成期間は助成開始後1年以内、助成金上限額は500万円に設定。助成総額は、現在寄せられている寄附を1年間で使用すると想定し、年1億円としています。今後寄せられる寄附は、第3期分とし、第2期で助成したNPOの継続助成に活用したいと考えております。 さらに募金活動にも取り組んでいく決意ですので、皆さんの強いご協力をお願いします。

 こうして11月から公募を開始したところ、11月末までに31件、1億3731万円の応募をいただきました。そのすべてを新たに設置した選考委員会(椎野修平委員長、他4委員)の皆さんにお送りし、事前評価を行っていただいた上で12月15日に選考委員会を開催しました。そこで選出された7件を対象に、プログラム・オフィサー等がインタビューによって現場の状況を確認し、26日の選考委員長決済によって、第1回分として6件、2551万円の助成を決定しました。助成開始は1月から(1件は2月から)となりますので、応募者には年内に採否の通知をお送りしたところです。

 助成先一覧はホームページ( http://www.jnpoc.ne.jp/?p=2193 )で公開の通りです。選考経過や選考講評、個々の助成先の推薦理由等については、近日中に整理して公表の予定です。

 なお、今後は2月末までに受け付けた応募企画を対象に、3月末までに4月からの助成対象(第2回)を決定する予定です。今回惜しくも助成対象となれなかったNPOも、体制を整えて再チャレンジして応募いただければと思っています。

 11月、12月に寄せられたご寄附は、それぞれ35万円、427万円、月末累計では1億3962万円、1億4390万円となります。第1期助成が4380万円、今回の第2期第1次助成が2551万円ですから、後者助成後の基金残高は7459万円となります。今後も一層の募金活動を推し進め、第2期終了後の第3期の展開に備えたいと願っています。

 なお、今後の月例報告は、3か月毎の行うこととしますので、次回は3月末までの動きについて4月初旬に報告することになります。引き続きお読みいただき、ご理解を深めていただければ幸いです。