市民活動団体(NPO)育成・強化プロジェクト 組織力向上サポート助成現地レポート:特定非営利活動法人にじいろクレヨン

市民活動団体(NPO)育成・強化プロジェクトにて、「組織力向上サポート助成」を2013年10月~2014年6月の期間で行っています。
本助成によって実施されている事業の様子を、現地からのレポートを交えながらご紹介します。

 

○実施団体:特定非営利活動法人にじいろクレヨン(宮城県石巻市)
 実施責任者:柴田滋紀さん

○事業名:石巻プレイパークプロジェクト

 

 「なぜ、今プレーパークなの?」
 現在の石巻で子どもたちが安心、安全に遊ぶことができる場所は非常に限られています。その原因としては2つの理由が考えられます。

①遊び場(空間的なもの)の不足 - 震災後、多くの公園の敷地スペースに仮設住宅が建設され、多くの子どもにとって近所の手ごろな遊び場がなくなってしまいました。そのため子どもたちは、道路や仮設住宅の敷地内で、車や仮設住宅に気を遣いながら遊ばざるを得なくなりました。

②見守りの不足 - 子どもたちが健全に育つためには、成長を見守る大人の存在が不可欠だと考えています。保護者はもちろんのこと、地域住民も子どもを見守り、育むネットワークがあるコミュニティが構築されることが望ましと考えます。しかし、石巻の現状では、被災の影響から子どもたちを見守る余裕がない大人が多くなりました。また、仮設住宅は、様々な地域に住んでいた人同士が近所暮らしを余儀なくされているため、新たなコミュニティが構築されるまでには時間がかかります。

 このような状況の中で市内の6か所(中瀬、開成、石巻専修大学、小金浜、北上、亀が森)で開催されているプレーパークは、子どもも保護者も安心して遊ぶことができる非常に貴重な空間です。これまで多くのメンバーが築き上げてきた石巻市内のプレーパークの価値を維持していくことは、社会的に大きな意味があると考えています。
こうした背景のもと、にじいろクレヨンは、石巻におけるプレーパーク事業を組織的、継続的に運営できるような仕組みをつくるために、本助成を通じて ①ネットワークの強化、②人材育成、③財政強化、に取り組んでいます。(実施計画書より一部抜粋)

 

「若手スタッフの成長著しく、チームとしての意識も向上」
 具体的な取組としては、昨年10月からプレイリーダー育成のための研修会やインターン実習、プレーパークの視察、現場実習や勉強会を重ねてきています。

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にじいろクレヨン事務所内で実施した研修会の様子                                                                                                             

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研修会を終え、スタッフと講師を囲んで
前方左から、アドバーザーの根本さん、現場スタッフのなっつ、講師の天野さん、現場スタッフのなるみん、ブーちゃん、後方左から事務局スタッフのまみさん、おんちゃんししょうこと柴田さん

 

「地域住民から理解を得ることや巻き込みはまだまだこれから」
 これまで現場実習を重ねてきた中瀬でのプレーパークは、この4月から第2・第4日曜日に開催されることになり、にじいろクレヨンは、第4日曜日を担当することになりました。石巻子どものための市民会議と石巻2.0、日本冒険あそび場づくり協会と役割分担しながら、ともに子どもたちの遊び場を維持していきます。

写真3●DSC_0560
石ノ森萬画館でお馴染み場所、北上川に浮かぶ中瀬。鯉のぼりが悠々と泳いでいました。

写真4●DSC_0582
風も少なく穏やかな日和の中、子どもたちは走りまわったり、駒遊びをしたり。大人もゆったりとした時間を味わっていました。

 

■市民活動団体(NPO)育成・強化プロジェクトは、認定特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパンの寄付を受け、認定特定非営利活動法人日本NPOセンターが、全国のNPO支援センターと連携し、被災地域のNPOの人材育成に取り組むことを目的として行っています。
プロジェクト概要についてはこちらをご覧ください。