理事の改選について

日本NPOセンターは2012年5月25日に開催した総会において、理事の改選を行いました。
7月1日より新理事による体制となっておりますので、お知らせいたします。

なお、7月2日に開催した理事会におきまして三役の互選をし、以下の通りとなりました。

【代表理事】
早瀬 昇(社会福祉法人 大阪ボランティア協会 常務理事)

【副代表理事】
大橋 正明(認定特定非営利活動法人 国際協力NGOセンター 理事長)
萩原 なつ子(立教大学社会学部社会学科教授/立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科教授)

【常務理事】
田尻 佳史(認定特定非営利活動法人 日本NPOセンター 事務局長)

以下の通り、前代表理事・山岡義典の退任のご挨拶ならびに新代表理事・早瀬昇の就任のご挨拶をさせていただきます。

日本NPOセンター代表理事の退任にあたって

日本NPOセンター 顧問 山岡 義典

 この6月末で、無事に代表理事を退任することができました。

1996年11月22日の設立とともに事務局長(~2001.6)・常務理事(~2004.6)に就任、以来、副代表理事(~2008.6)、代表理事と15年半にわたって日本NPOセンターの運営に係り、何とか日本の市民セクターの基盤を築くことができたのではないかと思っています。

この間、市民セクターの方々のみならず、行政や企業のセクターの方々も含め、全国各地の多くの熱意ある人々と交わりをもつことができましした。当センターのみならず私個人にとっても大きな財産となっています。心から感謝いたします。ありがとうございました。

当センターの2011年度年次報告書(ANNUAL REPORT)の巻頭の「ごあいさつ」でも触れましたように、2011年3月11日の東日本大震災発生後の多様な民間支援の動きと、同年6月に成立し2012年4月から施行された特定非営利活動法人制度と税制の抜本的な改正により、日本の市民セクターは第2ステージに入ったと私は認識しています。2008年12月の公益法人制度改革の施行や2009年の「新しい公共」宣言は、その前史として位置付けられるでしょう。第1ステージは1990年代から準備され、1995年の阪神・淡路大震災のボランティア活動を起点に促進された1998年のNPO法の成立に始まります。1996年設立の当センターは、その第1ステージのNPOの強化の役割を担ってきたわけですが、基礎的な基盤は築けたとは言え、残念ながら力及ばず、その強化に向けた途はまだまだ遠いように思います。第2ステージに残された課題は余りに多いことを実感しています。先にこのサイトでも書きました視点・論点のコラム「日本のNPOはドロ船か?」は、その実感を率直に語ったものです。

このような中でのバトンタッチですが、7月2日開催の理事会における互選により、次期代表理事には早瀬昇さんが決定しました。設立準備委員会以来、共にセンターの運営を担ってきた仲間でもあります。市民セクターの第2ステージに残された課題を解決すべきリーダーとして、最適な人事ではないかと喜んでいます。

センターの会員の皆さんをはじめ、多くの関係者の一層のご協力をお願いします。

なお、私は今回で理事も退任しましたが、顧問としてお迎えいただきましたので、皆さまとも目にかかることも多いと思います。少し気楽な、緊張感のない出会いになるかもしれませんが、よろしくお願いします。

2012年7月3日
日本NPOセンター顧問
山岡義典

日本NPOセンターの代表理事就任にあたって

早瀬 昇

 7月2日に開かれた臨時理事会で日本NPOセンターの代表理事に選任されました早瀬です。

播磨靖夫さん、星野昌子さん、(故)山本正さん、そして山岡義典さんと、戦前、戦中にお生まれになられた大先輩の皆さんを引き継ぐことになったのが、1955年生まれ、未だ57歳の若輩者。まさに軽量級ではありますが、その分、フットワークの軽さを活かして、精一杯、努力したいと思います。

私が市民活動に関わりだしたのは大学入学直後、18歳の時ですので、かれこれ39年前になります。当時、市民活動(このような呼び方はまだなく、ボランティア活動という言葉さえ「新語」でしたが)に参加する人たちは、「奇特な人」と言われたり、反体制活動家と扱われたりすることも少なくありませんでした。

その活動が今日のように市民社会に不可欠な取り組みとなり、NPOが持続的に民間公益活動を進める主体として位置づけられるに至った背景には、先人のさまざまな実践があり、災害や深刻な社会問題と向き合う当事者の努力があり、さらに企業や政府・議会関係者などとの対話の蓄積があり、また経験を「知」の体系とする営みがありました。日本NPOセンターは、今後とも、これらの取り組みを活発化していくための努力を続けていきたいと思います。

なお、私は長く大阪ボランティア協会を拠点に活動を進めてきましたが、そこで深く学んだのは「参加」の意義と無限ともいえる可能性です。その経験から、NPOには、市民が寄付やボランティアなどの形で参画し、社会問題に関わる当事者としての意識を高められる受け皿としての意味も重要だと考えています。そこで、今後、市民が多様な形でNPOの取り組みに参加する社会を築くことも、日本NPOセンターの重要なミッションとなるだろうと思います。

なお、昨日の理事会では、副代表理事として大橋正明さん(再任)、萩原なつ子さん(常務理事から転任)が選出され、また田尻佳史さんが事務局長を兼務する常務理事として再任されました。

副代表理事、常務理事をはじめ、役員、職員と共に、そして会員の皆さまの参加を得ながら、NPOの強化と市民社会の活性化に取り組んでいきたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。

2012年7月3日
日本NPOセンター 代表理事
早瀬 昇